ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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3編収録されているうち、番外にあたる、ふたつめの「ウインターソング」がよいです。

サマータイムブルース
桜木 知沙子
新書館 (2003.6)
ISBN : 4403520715
価格 : \588



表題作の「サマータイムブルース」は、主人公・隆伸が、高校時代に片想いしていた先輩・鳥居に再会するお話。
隆伸は最初、よき先輩として鳥居を尊敬していたのですが、ある日彼がゲイであることを知ったのをきっかけに、自分の恋心を意識するようになります。そのくだり、隆伸のなかで鳥居が、ただの先輩から恋愛対象に変わるまでの描写が、とっても丁寧に書かれています。迷いながら確信する様子が自然で、きっと実際もこんなふうに感じるのかなぁと思いました。

隆伸は、誰からも好かれる好青年。鳥居も、無愛想で冷たいと思われているけれど、実は優しい人間です。(以下ややネタバレ)
結局は、鳥居も隆伸のことが好きで、ふたりはずっと両想いだったわけだけど、鳥居がマイナス思考の人間だから、悪いほうに悪いほうに考えて、自分でダメにしちゃってたんですね。

再会しても、ちょっとした誤解が重なって、ますます卑屈になってしまう鳥居…、ちょっとウジウジタイプです。本当は私、こういうキャラは大っキライなんだけど、鳥居にはちょっと調子狂わされたかな、思ったのとは違いました。どう違うかって、私の想像をはるかに超えて、弱い人間だったんだもん。おいおい、泣くなよ?っ!って、何度突っ込んだか(笑)
女性から見ると、ちょっと勘弁…な感じの鳥居も、隆伸から見れば優しくしてあげたいって思うんだろうなぁ。


短編「スプリングタイムキス」には、その後、ふたりがドライブに出かける様子が。
これがまた! 鳥居せんぱ?い、しっかりしてくださいよ!って感じです。
タイトルの「キス」だって、ほっぺにチュで、かわいいもんです。


さて、1作目で鳥居の同級生として登場する、淳。この淳と、幼なじみの康祐の話が「ウインターソング」です。この話が、せつないやらあったかいやらで、大好きです。
淳は、女装はしないけど、言葉も見た目も女っぽくて、ゲイであることも周囲にカミングアウト済み。面倒見のよい、男にしておくのがもったいないタイプです。
そして、康祐は、家庭環境にちょっと問題あり、それでも両親や妹のために頑張るけなげな高校生。本人には内緒だけど、年上の幼なじみの淳のことが好きで。

淳のことで悩んだり、友だちにゲイであることがバレて動揺したり、家族が信用できなくなって絶望的になったりする康祐があんまりかわいそうで、ちょっとじわっときます。何もかもハッピーとはいかないけど、最後はほのぼのエンドです。
(★★★★☆)


表紙イラストの物憂げな鳥居は素敵です。このカップルは、隆伸がつねに前向きで引っ張っていかないと、鳥居に引きずられてどんどん暗くなっていきそうです。
とりあえず、先輩はメソメソしないこと(笑)
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