ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

どうしようもない子なのかもしれないけど、私には真似できないくらい優しいところもある少年たちなのです。


のらいぬ
菱沢 九月
大洋図書 (2004.10)
ISBN : 4813010369
価格 : \903



【こんな話】
高校生の岩浅(いわさ)には高津(こうづ)という幼なじみがいる。女に優しい女嫌いで、暴れだすと手がつけられなくて、岩浅以外の誰にも懐かない。飼い慣らすのは面倒臭いが、高津は岩浅に忠実を誓っている可愛い犬だ。幼い頃から一緒の時間を過ごし、いつの間にか身体を重ねるようになっていたふたりだが、愛だとか恋だとか、そんなことは考えたこともなかった…。
(カバー裏より抜粋)

【ひとこと】
岩浅と高津は、友だちというよりは、きょうだいといったほうが近いと思います。
ともに、暖かい家庭には恵まれていないのですが、岩浅はそれが吹っ切れているのに対し、高津は内に内にためてしまっています。だから、岩浅の悪行は、実にカラっとしているのだけど、高津はどこか陰湿で、破壊的です。
殴って蹴って相手が動けなくなっても、まだ骨を折ろうとする高津、そして、そんな彼を止めるでも、焚きつけるでもなく、かといって加勢するわけでもなく、岩浅はいつも傍で見ているんです。
どこか乾いた関係なんだけれど、誰よりもしっかりと結ばれている…、だから "きょうだい" のほうが近いかな、と。

でも、そんな血も涙もないように見えるふたりの交わす会話が、とても優しい。
言葉は乱暴だけど、嘘がなくて、特に岩浅が高津のことを大事にしてるのがよくわかります。
高津の母親が入院したとき、高津は母の髪の毛を三つ編みしてやるんです。そして、死ね、とさえ思ったこともある母に 「可愛くなったで」 と声をかけてあげます。
さらに、お見舞いから帰るときに、母の手を握って 「またの(また来る)」 って。
いまどきの高校生の男の子で、母親の手を握って、嘘でもそんな優しい言葉をかけてあげられる子って何人くらいいると思いますか。
ね、ふたりはとっても優しいのです。

だけど、高津には敵が多すぎました。その敵は、どんどん増えて、集団で高津を狙うようになります。
用心などするはずもない高津が、あまりにもあっさりやられてしまったのには少し驚きました。バーで岩浅と交わした会話で、少しまいっていたのかな。ちょっと来い、と言われて、着いていってしまった高津には、もうなんと言ったらいいのか…

岩浅と高津のあいだにあるのは、果たして愛なんでしょうか。
最初、カラダの関係はなくてもいいのでは、と思いました。でも、岩浅と高津は、これ以上深く係われないというところまで、深く深く繋がらなければならないのかもしれません。
でないと、二十歳の誕生日も迎えられないまま、地獄へ落ちて行ってしまうような気がしませんか。
(★★★★+0.5)


この話を映像で見せられたら怖いだろうなぁ。
でも、読んでるぶんには、少年たちが可愛くて悲しいだけでした。
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

リリカさん、こちらでは初めまして。
さきほどは、コメントとトラックバックをありがとうございました。

2人は優しい、と私も思いました。どうでもいいと思っている相手にはひどいことをするけれど、お互いに対しては、それこそ飼い主に対する忠誠心のようなものを感じます。

映像…でもちょっと見てみたいかもです…。
キャストは…ううん、どうも想像つきませんが…。
ふうう | URL | 2005/05/18/Wed 23:08[EDIT]
キャストは…>ふううさん
こんにちは。
来てくださってありがとうございます。

ふたりとも優しいですよね。
美沙が、ふたりのあいだに入りたくないって言ったのがすごくわかりました。
美沙のキャラがどうも好きになれなかったんですけど、このひと言でちょっと見直しました(笑)

無名の俳優さんだけで映画をつくったら、かなりいいと思いませんか。
カッコよくなくてもいいから、ホントっぽい映像で。
リリカ | URL | 2005/05/19/Thu 08:58[EDIT]
またまたこんばんわ。

このお話、大好きです。
高津の優しさは自分の両腕に抱えられるだけの人にしか向けられない感じでした。
お互いがお互いの中で自己完結していて、酸素の薄そうな息苦しいような、それを補うように抱き合っているのが痛々しかったです。

映像化、これうまくいったら本当にいい映画になるかもしれませんね。
モノクロ希望です(笑)
アキ | URL | 2005/05/19/Thu 21:38[EDIT]
リリカさんこんばんは。こちらでは初めまして。
この度はコメント&TBありがとうございました。

この二人、確かに兄弟みたいなものかもしれませんね。魂の双子というか(笑)。ほんとにのらいぬみたいな二人でした。間にあるのは愛ではないような気もするのですが、何だと問われたら答えられません。

映像で・・・見てみたい気はするのですが、喧嘩シーンがいたそうできっと直視できない気もします。北野監督とか好きそうですね、こういうの。
| URL | 2005/05/19/Thu 22:11[EDIT]
こんばんは>アキさん
アキさんも、感想書かれていたんですね。
気が付かないで、ごめんなさい。
(で、今TB送ったんですが、なかなか表示されないみたいで…。しかも私、2回も送っちゃったんです。ダブってたらひとつ削除してくださいね)

アキさんがおっしゃるみたいに、ふたりはいかにも酸欠って感じですね。
これからも、幸薄いような気がしてならないです。

ではまた♪
リリカ | URL | 2005/05/19/Thu 23:12[EDIT]
こんばんは>密さん
来てくださってありがとうございます。
「のらいぬ」ってタイトル、言われてみればそうですね、高津だけじゃないんですよね。
岩浅もじゅうぶん犬。(犬に嫉妬してたし・笑)

北野監督というのも大きく頷いてしまいました。
あとは、韓国のアマチュア映画に、こんな感じの作品がありそうですよね。

またお邪魔させていただきますね。
「月を抱いた」にもTB送らせていただきました。
好きな作家さんです。
リリカ | URL | 2005/05/19/Thu 23:17[EDIT]
Track Back
TB*URL

Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。