ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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たけうち先生のファンタジーです。前後編。


ウスカバルドの末裔
たけうち りうと
講談社 (2004.10)
ISBN : 4062557401
価格 : \578



【こんな話】
庭師の息子カノンは、父の使いで王宮を訪れた際、王ランキアに出逢う。
ランキアはカノンを気に入り、カノンも王を慕い、カノンは王のそばで暮らすことになった。
ランキアには弟アリルがいた。豪奢で放蕩なアリルは、ある思いから兄の暗殺を企てる。

アリルの企みは失敗に終わったが、その罪を問われ、アリルは流浪の刑に処された。
生涯、旅をし続けなくてはならないという重刑だが、アリルはその旅に、兄のお気に入りであるカノンと、楽士バルを同行させることにした。
初めは、何かとカノンに冷たくあたっていたアリルも、旅が進むに連れ、心を開くようになり…。

【ひとこと】
ランキア王と、弟のアリル。
傍目には、穏やかに暮らしているように見えるこのふたりが、実はとても孤独で寂しいのです。
ランキアは、アリルが可愛くて大事にしてあげたくて、政治やその他の面倒なことから彼を遠ざけていたんです。でも、そんな兄の好意を、弟は「自分を排除しようとしている」ととってしまっいました。
ランキアは、自己満足に浸っていたのかもしれません。もっと単純な方法で、弟への愛情を表現していれば、こんなことにはならなかったのに。
ハッピーエンドを信じていた私には、悲しすぎる展開でした。

"何故兄が来るまで待てなかった"
待てなかったのではなくて、"待た"なかったのか、待ちたくなかったのか、それとも待つ必要がなかったのか。
アリルは満足して死んでいったのかもしれないけど、ランキアの思いが行き場所をなくしてしまったようで、かわいそうでした。

主人公(カノン)のことも書かなくてはね。
カノンとバル、不思議な関係でしたね。
バルにはフィアナの封印(?)がまだわずかに残っていて、息子のカノンと一緒でないと、水をうまく扱えないってことですよね。
能力を制御できないで困っているバルは、ちょっと不憫な(でもかわいい)感じ。
でも、これからはずっとカノンと一緒だから、それもいいんじゃない?
水のトラブルを診て廻ってるなんて、水道局の人みたい(笑)

旅が終わって。
カノンが村に帰ると言い出したのは、アリルへの思いやりでもあるのかな。
最期のときアリルがバルに、"カノンを大事に"って言ったから、バルと一緒にいることを選んだんだと思います。
ランキアもそれをわかっていて、許してあげたんですよね。
カノンが庭師として、ふたたび王の前に現れるのは15年後。
先は長いけど、それまではバルが王都を訪れて、カノンの近況を歌にして聞かせてあげることでしょう。
(★★★★☆)
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