ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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"からくれないのロマンセ"と読みます。王朝ロマンセシリーズ外伝です。
bk1に、秋月先生のコメントがあります。


王朝唐紅ロマンセ
秋月 こお
徳間書店 (2004.6)
ISBN : 4199003088
価格 : \660



これが学園ものだったら。
品行方正な優等生くんが、どうしようもない不良の先輩に、いいように振り回されている……
そんなところかな。
もちろん、優等生くんは藤原国経、先輩が在原業平です。
つかみどころのない業平に、かわいそうな国経は、怒ったり泣いたり、もう大忙しです。
そして、気の毒なのが、心が(カラダも)通い合ったあとも、「自分は次善の策」と割り切っているところ。
本当は、業平の気持ちはどうだったんでしょう。
国経にかくまってもらったあたりから、千寿への気持ち35%、国経への気持ち65%くらいに変化してたらいいんですけど。
それとも、国経が千寿と似てるのを、照れ隠しに利用してただけで、ほんとは「次善」じゃなくて「最善」だったならいいのに…。

でも、自分の将来を捨てても、業平のために行動しようとした国経に、業平が
「俺はこれ以上、お前を巻き込みたくない」
って言うでしょう。
普段の業平じゃ、ぜったい言わない。
だから、さらっとあんなことを言い出したときは、ああ このふたりはもう大丈夫なんだなぁ?って嬉しかったです。

あ、ちなみに、業平が国経の屋敷にかくまってもらうところは、
先生やら他校の不良グループに目をつけられて行き場をなくした先輩を、優等生くんが助ける感じ?(笑)
推薦入学がダメになろうが、内申書を書いてもらえなくなろうが、「僕は在原センパイのためなら何でもします!」ってね。
読んでみたいわ、「唐紅高校物語」。サブタイトルは、"後輩の心、先輩知らず" で。

藤原家が最強だった時代、自分の思うように生きられないゆえのクシャクシャとした気持ちが、ああいった挑戦的な態度や、女あさりのような行動に向けられていたと思うと、業平も可哀想な人でした。

先生がおっしゃってるように、本編を読んでなくても大丈夫です。
むしろ、本編が読みたくなって、それはそれでいいことです。
(★★★★★)


本物の業平の話を少し。
この話にも出てくる、国経の妹 高子。
実際の業平は、高子のおかげで出世してるんですね。
高子が東宮に入内して、その子ども(陽成天皇)が即位した年(高子は皇太后)から、業平はどんどん偉くなっていきます。
その頃、もう業平は50歳のおじさんだけど、高子が業平のことをまだ気にかけていたのだったら素敵です。

その高子はなんと、出入りの僧侶と浮気して、后位を剥奪(っていうの?)されてしまいます。
幼い頃、業平と出逢ったことで、情熱的な性格になっちゃったんでしょうかね(笑)
そしてそして、高子の息子 陽成天皇は、かなりSMちっくな人だったらしいですよ。
鞭で女性を叩いたり、女性を縄で縛ったりしたそうです、きゃっ!
こちらも皇位剥奪です、そりゃそうだろう。

高校の古典の先生が、こういった話をよくしてくれました。
そのときに教えてもらった、業平の辞世の歌はいまでも覚えています。

つひにゆく 道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを

涙が出そうな歌です。享年56歳。
ちなみに国経は80歳まで生きました。
今とは違う、そんな時代、80年はさぞかし長かったでしょうね。
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