ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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今日はだいぶ前に読んだ本です。最近の榊作品には、悩まされることが多いですが、これはかなり好きです。

耐えがたく甘い季節
榊 花月
大洋図書 (2003.8)
ISBN : 4813010083
価格 : \903


【こんな話】
医大に通う真は、血が苦手。今日も授業で手術を見学し、倒れてしまった。しかし、志望は外科。その理由は、担当講師の五島にあった。真は五島に、憧れよりもちょっと強い、自分でも整理のつかない想いを抱えており、できるならその後を追いたいと思っていたのだ。
一方、親友の戸川も、五島を意識していていた。

【ひとこと】
お坊ちゃまで何から何まで親がかりの真と、早くに両親を亡くし自力で頑張ってきた戸川。生活も価値観もまったく違うふたりが、とってもいい関係なのです。
真は、大学進学を機に、豪華なマンションを買ってもらい、学費や生活費もすべて親からの仕送りです。そして、そんな環境も当たり前と思っていたところに、戸川と出会って、認識を改めることになりました。何もかも自分で頑張ってる戸川を見て、心から「立派だ、カッコいい」って、素直に認めて尊敬することができる、心のきれいな子なんです。
戸川は、奨学金をもらいながらバイトをして、それでも成績はトップ。キャンバス内はおそらく金持ちばっかだろうに、卑屈になることもなく、あっけらかんと「まこっちゃん(真のこと)はいいよなー」って羨ましがってるんです。でも、決して取り入ったり、話を合わせたりするんではなくて、真の優柔不断なところを叱ったり、辛辣にゲキを飛ばしたりと容赦ない面もあって、男の中の男って感じでしょうか。

ちょっと意外だったのは、戸川が真に一目惚れだったことです。ホイホイと人を好きになるようなタイプに見えないのになぁ、と考えた末、苦労人だから人を見る目があるんだろうという結論に落ち着きました。入学式で隣りの席をすすめてくれた真を見て、真のすべてがわかっちゃたんでしょう(笑)
五島を押し倒してみたい、なんて言ったのも、本当だったのか、嘘だったのか。真に妬かせたかったのかもしれませんよね。
でも、もし戸川から告白しなければ、真は何も気がつかなかったんじゃないかと思うと、ちょっと寂しい気もします。

そんな二人と仲間たちとの友情を描くいいシーンも多かったです。いつも笑ってバカやってる彼らにも、ひとりひとりの事情があって、それなりに悩んでいる。それを、ベタベタした友情ではなくて、最適な距離で支え合っているのが実に清々しいです。ショッキングな事件も起こるので、詳しくは書きませんが、いい友達を持った彼らが羨ましくてしかたありません。
(★★★★+0.5)

この話を読んで、今だから思うことがふたつありました。
まず、1つめ。戸川が真に「五島先生に憧れてるだけで外科志望なのはどうか」と問うところがあります。厳密には、もうひとり同じようなことを言う人が出てきます。私も、学生の頃だったら、そんな不純な動機って考えたかもしれません。でも今は、そんな動機もアリなんじゃないかと思います。確かに、職業は一生を左右するのかもしれないけれど、そのくらいの想いでいたほうが試練や困難にも案外耐えられるような気がします。

そしてもうひとつ。仲間のひとり 山下が、飲み会のたんびに彼女の栞ちゃんを連れてくるんです。私が学生の頃も、よく彼氏や彼女を連れてくる子がいました。私は、せっかく集まるんだから、内輪だけのほうが楽しいのになぁと思いつつ、彼氏(彼女)も仲間に入れてやってほしいってことなのかなぁ?と納得するようにしていました。
でもね、この山下と栞ちゃんのおかげでわかりました。単に、ふたりで一緒にいたいから連れてくるんだって(^^)
こーんな簡単なこと、ぜんぜん気がつかなかった。
と、同時に、彼氏なんかゼッタイ連れて行かなかった私の醒めた気持ちが今さらながら痛いです(笑)
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