ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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『ダブル・ベッド』 の感想のときにもこう書いたような…。
いいお話でした。 


雨のように、愛のように
吉田 ナツ 著
ビブロス (2005.12)


【こんな話】
異動で地元へ帰った永井は、職場で 高校時代の同級生・菱谷と再会する。
菱谷は上司の宮内と付き合っていたが、菱谷の苦い恋愛体験を知る永井は、菱谷が 宮内のようにいい加減な男に翻弄されていることが面白くない。
そして、旧交をあたためるうちに、永井は菱谷に惹かれていくのだった。

【ひとこと】
高校時代の永井と菱谷は、特に交友関係はありませんでした。
しかし、永井の友人と菱谷がキスをしているところを目撃、それが原因で菱谷がひどいふられ方をしたこともあり、菱谷のことは永井の記憶に残っていたんですね。

永井には、勉強もスポーツもよくできる 校内の有名人だった菱谷が、家庭の事情で進学もせず、地味な職に就いていることも、またしても軽薄な男・宮内と付き合っていることも、すんなり受け入れることができませんでした。
あのときの、ふられても凛とした態度をとっていた菱谷のことを、特別な思い出として忘れられないでいるというのに、なんでまたあんな奴を好きになってるんだ!? という気持ちがあったんでしょう。

しかし、菱谷は飄々と

「俺が好きになるのって、いつもそういう男なんだよ。暴力夫から逃げない妻、みたいのかな?」

と笑っているもんだから、永井はますますイライラ。
"暴力夫から逃げない妻" って…、自らその例えはどうなんでしょうね。かなりウケました、このセリフ。

そして、ここではまだ、正義感からきていた永井のイライラが、だんだん嫉妬に変わっていくのです。

永井はあっさり告白してしまうのですが、意外だったのは、彼が無理に結果を急いだりしないところでした。
モテるわりには恋愛は下手くそな (私にはそう見える) 永井が、菱谷に関しては忍耐強くて、真っ直ぐなんですよね。
ああ、これがオビにあった 「一生に一度の純愛」 なのか! と実感しました。

結局、ふたりの仲は進展することなく、永井の赴任期間は終了、本社へ戻ることに。
しかし、菱谷が宮内のミスをかばって辞職したことを知り、永井はいてもたってもいられず菱谷のマンションの前まで来てしまいます。
ここの弱気な永井が好きです。部屋の前まで行ったところ、菱谷とはちあわせてしまってうろたえる永井が、すごく意外で可愛いです。

なかなか落ちなかった菱谷も、ここでやっと陥落。
この本は、「泣ける」 がウリみたいなんですが、私はここの菱谷が永井から借りっぱなしのシャツを着ていたことにちょっと泣きそうになりました。
永井のシャツを着ることが、不幸に慣れっこになった菱谷の、ちょっとした幸せなのかなぁと思って。

短編 「ナチュラルウォーター」 は、クリスマス直前のお話。
菱谷視点で書かれているのが、なんだかふたりの秘密を覗いているようでいい感じです。
甘々なんだけど、ベタベタでもエロエロでもない幸せ?なお話です。
この感じが、まさに吉田さんの持ち味です。
(★★★★☆)


宮内は、永井が思っているほどイヤな男ではないでしょうね。
永井をにらみつける宮内が、なんとなく好きでした。
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Comment

 秘密にする

こんにちは。

>永井のシャツを着ることがちょっとした幸せなのかなぁ
ああ、そうだったのかもー。

その前のところの、菱谷を訪ねてくる永井の弱気、私も好きです。
車に乗ってくれるかも?って助手席掃除したりしてましたよね?確か。

いいお話でしたよね。

今年もいろいろお世話になりました。
来年もよろしくです。
あすた | URL | 2005/12/31/Sat 11:27[EDIT]
>あすたさん
こんばんは。

>助手席を掃除
うんうん、してました。
永井はいつも堂々としてたのに、菱谷につっぱねられたときはあっさり「ふられた」なんて言い出したりで、弱気になったら凹んじゃうキャラかもしれませんね。

今年はいろいろありがとうございました。
来年もどうか遊んでください。
リリカ | URL | 2005/12/31/Sat 20:54[EDIT]
よいお年を♪
なにやら今年も押し迫ってきましたが(笑)。
この新作は私も待ちに待っておりまして。
いい話だったと思います。

プライドが高く能力もあり、頭もよくていつも毅然としているのに、
恋愛だけはヘタで、とたんに自分を大事にしなくなってしまう菱谷。
いますねぇ、こういうタイプ(笑)。
永井に本当に大事にされて一々目を丸くしている彼がかわいくって。

今年は本当にお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします(>_<)
おほほ | URL | 2005/12/31/Sat 23:06[EDIT]
>おほほさん
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

>いますねぇ、こういうタイプ
いろんな小説でこういう人を見ましたが、吉田さんが書くとまたひと味違いましたね。
菱谷のセリフが、リアル(嘘っぽくなくて)でよかったなと思います。

おほほさんがいつか酷評してらしたアラブ本、ゲットしましてよ(笑)
ちょこっと読みましたが、先入観バリバリなのでつい笑ってしまって。
新年気分が抜けたら、感想アップいたします。

今年も仲よくしてくださいね。
リリカ | URL | 2006/01/03/Tue 18:25[EDIT]
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