ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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BGMはサティで。
(あまりにもわかりにくい文章なので、色分けしてみたんですけど、さらにわかりにくかったら言ってください)


フラワーズ
宮本 佳野
徳間書店 (2005.10)




ボロアパートでの新生活を始めた大学生の
しかし、引っ越し当日、窓越しに アパートの住人 ナンノのラブシーンを目撃してしまいます。
大家さんによれば、ふたりはゲイで恋人同士とのこと。
しかし、そののことが気に入ってしまい、ある晩、は誘われるまま、と一夜をともに…


               ■□■□■

は、自分がゲイであることには気がついていたようです。
でも、潔く認めることもできなくて…
だから、ちょうど悩んでいるときに と寝たことで、は 「気持ちの整理がついた」 と言ってます。
の中で、何か枷のようなものがはずれたのかもしれません。
それを境に、はどんどんに惹かれていくのです。

しかし、そんなある日、今度はナンノに誘われてしまいます。
そして、が決まった相手を作らないことや、パトロンがいることなど、よからぬ話を吹き込まれます。
ナンノの言動は、嫉妬丸出しですね。のことを好きなのは明らか。
なのに、のことを

「好きになってもしょうがない奴だから」

って、まるで自分に言い聞かせるみたいに言うんです。
このセリフ、カマかけているのか、それともハッタリなのか、いろいろ考えてみたんですけど、ナンノ自身も 自分のに対する気持ちがよくわからなかったのかなぁって。

このとき、ナンノと繋がりはしなかったけれど (たぶん両方「受け」体質だったから) ふたりで欲望を処理します。
ここでふたりに、特別な感情が芽生えたような気がするんです。
それは、を奪い合う恋のライバルなんていう陳腐なものじゃなくて、もちろん恋心でもなくて、もっとも?っと深い深い繋がり。
これは、あとになってそう思ったことなんですけどね。


の言動も興味深いです。
ナンノと抱き合いながら "こんなのもう メチャクチャじゃないか" って、自己嫌悪に陥ってるくせに

「また来なよ」 ってナンノに言われたら
「ハイ」 って。

この、「ハイ」 が不思議で不思議で…。
ナンノの部屋でさんざん居心地の悪い思いをしたはずなのに、なんでハイなんだろう。
ふたりでエッチなことして気持ちよかったからじゃないだろうし、報われない恋をしている者同士なぐさめあおうとしたのでもないだろうし。
このあたりが、サティなのかな (笑)


本当に、常軌を逸してます。
でも、3人とも本当は、単に寂しかっただけなんでしょうね。

のことを信じていいのか悩みつつ、やっぱりとは離れられない
に本気、と言いながら、パトロンのところへも行けば、今までどおりナンノとも寝ようとする
のパトロンを訪ね、そこへ居候してしまうナンノ

どろどろとドス黒いものが渦巻いていそうです。
特に、ナンノは不安定で、失踪したり具合が悪くなったりと、痛々しくて見ていられません。
そんなふうになってしまうほど、ナンノが好きなんですよ?。辛い恋だ (涙)

そして、その憔悴しきったナンノを見たは、もっともっとナンノと仲良くなっていく…
ナンノのあいだにあるのは、エロスではなくてアガペーなのかなぁ、なんて。ああ、哲学。

パトロンのおじさんが、
「皆で仲良くすりゃいいのにねえ」
って言うんですよ。
何を脳天気な、と思うけど、まったくもってそのとおりです。
3人+おじさんで、ワンフロアのマンションでも借りて、まったりねっとり暮らしていくのがおすすめです。

とにもかくにも、読んでいて、すごく寂しくて暗い気持ちになりました。
なのに、あとがきで宮本さんは 「楽しく書かせていただきました」 って! (笑)
そんなふうに言われて、どうしたらいいのかわからなくなった私です。
(★★★★+0.5)


続編がありそう?
だけど、もしナンノが新しい恋を見つけてしまったら、リリカ的 愛の四角形が壊れちゃうしな…
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Comment

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佳野さん!
宮本佳野さん。
何故だか、凄く好きな方で。今まで出てるのは、全部、読んでるのかな…。
でも、この本、凄く、読んでみたいです。結局、三人の関係に決着がついてないようなのが、気になりますし。
パトロンのおじさん、がどんなおじさんなのか、が実は一番気になるかも…
| URL | 2005/11/25/Fri 21:40[EDIT]
>凛さん
凛さん、こんにちは。

私はこれが、はじめての佳野さんでした。
凛さんの感想を見て、夏に出た2冊を読んでみようと思っていたところです。
この本は、表紙がCharaらしくなくて、うわぁ素敵だなぁって(^^)

パトロンさん、40代の設定なんですけど、ん~どうなんでしょう。
もしお読みになったら、そこのところ聞かせてくださいませ♪
リリカ | URL | 2005/11/26/Sat 11:09[EDIT]
私も全部読んでます
リリカさんこんばんは。
先ほどはコメント&TBありがとうございました。TBお返しさせてください。

リリカさんが亮とナンノに「特別な感情が芽生えたような気がする」とおっしゃってますよね。この二人の「特別な感情」のきっかけはたまたまこの話で読めたけど、他の彼らの「特別な感情」のきっかけもまた、あったんだろうなあと思います。
単純に嫉妬とか恋愛とか、いえない、本当に複雑で特別な感情…だと思います。

>3人+おじさんで、ワンフロアのマンションでも借りて、
  まったりねっとり暮らしていくのがおすすめです

それがいちばんの解決策かもしれません。彼らきっと、一人じゃ生きていける人じゃなくて、同じ痛みとか気持ちを分かれるものどうしでくっついてないと、ひどく不安定になっちゃいそう。
佳野さんの作品は、いつもそんな感じで、複雑で特別な感情でむすびついたような人たちを描いてます。リリカさんが初佳野さんだということなので、もしも他の作品を読まれたら、どんなふうに感じられるか、ちょっと伺いたいかも…。
私は数ヶ月前はまって全部集めたんですが、言葉にしにくいんですよね…感想が。

ありがとうございました! また!
秋月 | URL | 2005/11/27/Sun 23:40[EDIT]
>秋月さん
秋月さん、こんばんは。

一見、不幸せに見えるけれど、彼らにはさほど自覚がないんでしょうね。
かといって、幸せを感じてるとは思えませんが。

脆くて崩れそうだけど、意外に丈夫な三角関係の中に、パトロンのおじさんがいい緩衝剤になって作用してくれれば、細く長く関係を保つことができるかもしれません。

こんな人間関係が、ほかの宮本作品でも読めるなら、ぜひ挑戦してみたいと思います。
調べたら、結構たくさんあるんですね!
楽しみです。


リリカ | URL | 2005/11/28/Mon 21:25[EDIT]
読みました~
手に入れることが出来たので、読みました!
ほんと、何だかハッピーエンドのようだけど、すっきりしない~、そんな感じがします…
私には、どうしても、誠と亮という組み合わせがしっくりこなくて。
ナンノ、が可哀想… とか思っちゃいました。
でも、そこまで、どろどろじゃないんですよね、三角関係、でも。

パトロンのおじさん!
思わず、おやじって書いちゃいましたけど、
思っていたのと、ちょっと、違うかな~
ノリが結構軽くて、
男の子との生活を楽しんでそうで。
ほんと、彼なら、この3人を囲って、巧くやっていけそうな気がします~
| URL | 2005/12/14/Wed 01:00[EDIT]
>凛さん
こんにちは。

そうなんですよね、ナンノがこんなにかわいそうなのに、誠と亮だけ幸せになっていいの? って思います。
誠も、もう少し言動に誠意が感じられれば、信用できるのになぁ。

>パトロンさん
若い頃は、誠みたいな人だったのかも?
トシをとってから、若い人たちと合わせられるっていうのは、一種の才能ですよね。
ダメ人間かもしれないけど、優しい人だと思いました。

凛さんのところ、初めてTBできました!
これからはうまくいきそうで嬉しいです~
リリカ | URL | 2005/12/14/Wed 09:20[EDIT]
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