ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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硬派ヘタレ攻め。
タイトルも、話も、イラストも、ぜんぶ素敵でした。


風でなくても
火崎 勇 著
ドリームメーカー (2005.7)
ISBN : 4861170427
価格 : \893


【こんな話】
高校の後輩で元恋人の遊馬 (あすま) が、藤吾 (とうご) の会社の新しい部下としてやってきた。
5年ぶりの再会に変わらない自分の想いを自覚させられる藤吾。けれども藤吾を振った遊馬は再会しても頑なな態度を崩そうとしない。
そんなある日、高校の後輩から思わぬ遊馬の話を聞いて…。
(「遊馬」 は苗字。「藤吾」 はもちろん名前で野々宮藤吾。以下 野々宮)

【ひとこと】
いいお話でした。

野々宮と遊馬は、高校の陸上部の先輩と後輩。
野々宮が卒業するときに、遊馬に告白したのでした。

この告白が、とても好き。
爽やかで、すっごく気持ちがいいんです。

『俺もいい先輩だと思ってました』 なんて間の抜けた返事はするなよ。
返事は 『一回くらいなら』 か 『気持ち悪いんで辞退します』 のどっちかだ。


"一回くらいなら" というのは、野々宮が 「一度だけ抱き締めさせて欲しい」 と言ったからなんですが、さすが陸上部のキャプテン、カッコよすぎます (このときは、まだヘタレではない)
そして、これに対する遊馬の返事も、もうなんともいえません。
ここまで読んだだけで (たった27ページ) なんていい話なんだろう… とため息が出たくらい(笑)

しかしその後、ふたりは、遊馬の音信不通が原因で別れてしまいます。
でも、こんなふうに、付き合いはじめたふたりが、少し離ればなれになったくらいでダメになるはずがないのであって、遊馬には音信不通にならざるをえない事情があったのでした。
(以下ネタバレ)

「風みたいに走る遊馬が好きだ」

野々宮にこう言われて、遊馬は本当に嬉しかったんでしょうね。
でも、嬉しかったからこそ、事故で走れなくなったとき、この言葉が 「走れない遊馬は好きじゃない」 という意味に変換されてしまったのです。
そんなことあるわけないのに。

一方、野々宮。
赴任してきた遊馬に、必死に気を配る野々宮が滑稽で悲しいくらいでした。感情に流されないように、ひとつひとつ自分に言い聞かせながら、遊馬のために自分は何をしたらいいのかって、ずっと考えてる。
そんな野々宮が、昔を懐かしむお年寄りのように見えたのは私だけですか。
彼の視点で話が進んでいくせいか、この本まるまる 「回想録」 のような雰囲気でした。


書き下ろしの 「風をつかまえて」 は、その後のふたり。
野々宮のヘタレ全開です。

遊馬のためを思って、会う回数を減らそうとする野々宮と、
それを、嫌われたと勘違いする遊馬。
そして、野々宮が結婚するという噂が流れ、遊馬が野々宮のマンションにおしかけるシーンが…。

許さない…っ!

遊馬の予想外の激しさに、思わず涙が… 出なかったのは、きっと野々宮の慌てっぷりが可愛かったからでしょう。
たぶん、遊馬は 「2005 マイベスト受」 になると思います。
(★★★★+0.5)


この会社、カッコいい人ばっかりなんですよ。
外川もさることながら、私はイラストの福井に惚れました (p.151)
他の挿絵も (もちろん表紙も) とても素敵です。
イラスト : 朝南かつみ さん
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Comment

 秘密にする

リリカさん、こんばんわ~。

「2005 マイベスト受」 ですか! それは是非とも読まねば。
しかも攻めは格好良くてヘタレで可愛いんですか! 素晴らしい!(笑)
次本屋に行った時に仕入れてこようと思います。 素敵本の紹介ありがとうございます。

にしても、最近はノベルズのレーベルがどんどん増えてきてて、把握してきれません。
流行に乗っかるだけでなく、ちゃんと良いものを出してくれるならどんどん増えてほしいんですけどね。 あ、でもお金がおいつかない・・・。

では、このへんで。
亜季 | URL | 2005/08/16/Tue 19:19[EDIT]
>亜季さん(長くなってごめんなさい)
こんにちは、亜季さん。

この話の攻めは、読んでしばらくして、あぁヘタレ? って気がつく… そんなタイプです。
受けのほうは、よくわからないまま読み進んで、終盤になってハートを鷲掴みにされた… って感じでしょうか。

亜季さんが気に入ってくださるといいけど、もしダメだったらごめんなさい。

本当に、レーベルって増えましたよね。
2カ月に1回、3冊くらいずつでもいいから、質のよいものが読みたいですね。
数だけ出せばいいという出版社さんもあるけれど(どことは言わない)読者だって目先のエロだけでは買わないのだし、グレードアップしていってほしいと思います。

クリスタル文庫の新刊で、栗本さんがあとがきに「やおいと最近のBL」について異議を唱えてらっしゃるのですが(立ち読み)なるほど~と思いつつも、最近のBLにすっかり感化されている自分を感じました。

でも、個人的には、そんな崇高なものでもなくて、各自が楽しめればそれでいいかな、とも思うのです。
後ろ向きかしら?
リリカ | URL | 2005/08/17/Wed 12:24[EDIT]
リリカさん、こんばんわ。

読みましたよ~! 良かったです。
もう続編なんかニヤケっぱなしで。 フフフな感じです。
2人とも恋に臆病で、ちょっと乙女ですよね。 んも~可愛いったら。
大満足でした♪
私も感想を書いたらTBさせていただきますねv

>数だけ出せばいいという出版社さん

うーん、2社も浮かんでしまった・・・(苦笑)
もちろん、そういう出版社でも良い本も出してたりもするので、そこはやっぱり作家さんの力の差なんでしょうね。
エロも、ちゃとキャラや話が良くないと、何をされても萌えられませんし。

私はこれぞBL!って感じのノリや設定の話も結構好きです。
とはいえ、そういう設定でも、それをどれだけ生かせるかは作家さんによりけりだと思うので、出版社には力のある作品を書ける作家さんを育てて欲しいな~と思います。

では、このへんで。 私も長くなってしまい申し訳ありませぬ。
亜季 | URL | 2005/08/23/Tue 18:25[EDIT]
>亜季さん
亜季さん、こんにちは。
フフフな感じでしたか! よかった!
可愛いですよね、ふたりとも。

亜季さんの感想、楽しみにしてますね。

>2社も浮かんでしまった
多分、私が思い浮かべたのと同じですよね。
面白い本もたくさん出してるけど、とにかくドンドン出す会社(笑)

でも、難しいですよね。
ストーリーがバカバカしくて、エロシーンしかないような作品でも、すごく面白いのもあるし。
小説の場合は、イラストによってもずいぶん売上げが変わってきちゃうし(これって、作家さんにとっては深刻ですよね~)

ま、それはそれで。
面白い本がこれからもどんどん出ますように~
ではでは。
リリカ | URL | 2005/08/24/Wed 07:00[EDIT]
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