ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ミスポリで、成湫の悪行三昧をフォローする、マンションの大家 乙彦と弁護士 刈谷のお話です。最近は、もうお笑い担当みたいになっている大家さんだけど、ここでの二人はクールです。大人の恋。



夜しか泳げない
竹内 照菜 / 竹内 照菜著
オークラ出版 (2001.3)
ISBN : 4872787374
価格 : \880




【こんな話】
不動産屋を営む乙彦は、元左翼系ゲリラ。危ないところを、組長の息子 成湫に助けてもらってから足を洗い(洗ってないか・笑)、成湫の傍に身を置いていた。そんな乙彦が裏の仕事を依頼しているのが、弁護士の刈谷啓介だった。

【ひとこと】
夜しか泳げない、というのは、すなわち、陽の当たるところでは暮らしていけないという意味。過去と一緒に戸籍さえも捨ててしまったような自分と、啓介とは住む場所が違うからと、どんなに愛情をほのめかされても、からかってるかのようにはぐらかす乙彦が、不憫なような焦れったいような。

でも、表向きはそんなでも、啓介のことを心から愛してしまっているから、啓介に害を加える奴は、どんなことをしてでも(もちろん犯罪でも)潰す。すごく残酷なんだけど、報復してる様子が、ひどく悲しいんです。成湫がユキのために復讐してる図は、恐怖8割強+せつなさ2割弱って感じですが、乙彦の場合はただひたすら悲しいの。
でも、その想いは、どんなに我慢しても大きくなるばかりだったし、啓介だって乙彦を好きになる以上は腹を決めていたんだろうし、結ばれるべくして結ばれた二人という気がします。

このお話には、まだ大学生の成湫も出てきます。
ユキに出逢った頃です。"ユキは綺麗で上等だから" 自分にはふさわしくないと、好きになることさえあきらめようとしている成湫に、乙彦は自分を重ねます。そして、そのあとで泣くんです。不安そうな成湫を見ていたら、自分も心細くなってしまったんでしょうね。でも、ふと我に返れば、啓介にそっけない態度をとってしまう。
私には、わかりにくい感情だったけれど、胸がつまる思いで読みました。なのに…
このあとちゃっかり、ユキを同じマンションに住まわす作戦が始まっちゃってるんですよね(苦笑)

最終的に、啓介も "夜の海" に身を投じることになるわけだけど、こんな官能的なふたりの行く末がミスポリで描かれていると思いきや…(以下省略)
それに、円陣闇丸さんが描くクールで色っぽい二人は素敵すぎて、本編で成湫にいいようにされている、ちょっと情けないふたりとは同一人物と思えなかったりして。

【ヒトリゴト ダカラ キキナガシテネ】
ご存知のように、ミスポリ(竹書房 刊)ではイラストをめぐって騒動がありました。小説はストーリーが勝負とはいえ、イラストのもつ影響力というのはかなりのものです。新しいイラストレーターさんによる改装版も出るとのことですが、Fさんのイラストでミスポリと出会った読者にとって、既にできあがってしまった成湫&ユキのイメージを取りのぞくことは容易ではないのです。たとえ、それが他人の作品を真似たイラストであったとしても、与えられた読者に選択肢はなかったのだから。

私は、ミスポリの5冊目と一緒に、この「夜しか泳げない」を買い、今までと違う方のイラストを同時に2種類見たことで、ちょっと救われた気がしました。
(★★★★☆)

シリーズで刈谷をよく知ってから読んだほうがいいかもしれません。
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。