ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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いいお話でした。

この胸をどうしよう
高遠 琉加
イースト・プレス (2004.12)
ISBN : 4872575083
価格 : \893




【こんな話】
架(かける)と耀一(よういち)は幼なじみ。7歳のとき、耀一が架に親切にしたのがきっかけで一緒にいるようになった。人付き合いが苦手で友だちもいなかった架にとって、耀一の存在がすべてだった。そして、高校に上がり俳優としてデビューした耀一は上京。架も東京の大学に進学し、ふたりは一緒に暮らし始めた。そして、男の恋人をもつようになった耀一は、相手に振られるたびに、架を抱きしめて眠り、気持ちを癒すようになり…。

【ひとこと】
タイトルや表紙、あらすじで、弱気な受け視点のたどたどしくもほんわかした純愛モノかなと思っていました。でも読んでみたら、展開はかなりシビアだし、最後には小さなどんでん返しもあったりして、ちょっと裏切られました。いい意味で。

架と耀一の出逢いは、まるで昔の日本映画を見ているようです。ふたりの会話が聞こえて、もらい泣きしてしまいそうなくらい。祖母とふたり、息の詰まるような暮らしをしてきた架が、物心ついて初めて触れた優しさが耀一だったわけです。こんな出逢いかたをしたら、離れられなくなって当然かもしれません。

月日が経つにつれて、耀一の「守ってあげたい」という気持ちは、「束縛したい」に似たものに変わっていきます。そして、架のほうも、ますます耀一以外の人間を遮断するようになっていきます。
極端にいえば、耀一は架に「俺以外の人間とは付き合わなくていい」と思っているし、架は架で「耀一さえいれば、他に誰もいなくても大丈夫」と思ってる…。そんな関係、18、19歳になって不自然きわまりないですよね。薄気味悪いです。

そんなふたりを変えてくれたのが、脚本家の桜庭とプロデューサーの北見。架と耀一の、痛々しいほどの執着を放っておけなかったんでしょう。ちょっと荒っぽいやりかたに、読んでるほうはイライラしたり、ドキドキしたり、泣いたり、落ち着きません。この本のタイトルじゃないけど、こっちが「どうしよう」っていう気分でした。でもこの桜庭と北見、味のあるいい男です(特に北見)。

これからのことを考えたくなくて、離れ離れになるのが怖くて、頭のどこかでこれではいけないとわかっていながらも迷い続けてきたふたりが、ようやくお互いがホッとできる恋愛にたどりつけて、本当によかった。
今までは、耀一が架を守ってきたけれど、実は架のほうが強い人間なんです。だから、これからはまた違った関係を築くことができるんじゃないかな。頑張って。
(★★★★★)

すべてを知ってから読み返すと、いろんな再発見があって楽しいですよ。

読んでくださってありがとう

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『この胸をどうしよう』
高遠琉加/笹生コーイチ(イラスト) イーストプレス・アズノベルズ これで高遠さんは琉加・春加名義合わせて既刊コンプ。  [続きを読む]
日常雑記。 2005/12/19/Mon 08:53
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