ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『野蛮人との恋愛』の続編です。BL×B.L.Peopleの企画も兼ねて。


ひとでなしとの恋愛
菅野 彰
徳間書店 (2001.9)
ISBN : 4199001972
価格 : \570




【こんな話】(カバー裏より)
大学病院に勤務する柴田守は、将来有望な若手外科医。独身で顔もイイけれど、他人への興味も関心も薄く、性格がおつりのくる悪さ。そんな守はある日、怪我で病院を訪れた大学時代の後輩・結川(ゆいかわ)と出会う。かつての礼儀正しい後輩は、社会に出て様子が一変! 投げやりで職を転々とする結川を、守はさすがに放っておけず、なりゆきで就職の面倒を見るハメに…!?

【ひとこと】
前作の、仁と陸の恋話とはガラっと変わって、シリアスで重い話です。

前作 『野蛮人…』 での結川は、言葉づかいも丁寧で、言うこともクールで、すごく紳士的だったんです。そんな結川が、別人のように荒れていくのを見て、かかわりたくないと思いながらも、手をさしのべてしまう守。結川に救いの手はもちろん必要だったけれど、それと同じくらい、守もずっと誰かに手を差し出してほしかったんじゃないかなぁ、と思いました。

どんどんと堕ちていく結川に、最初守は呆れ、憐れむだけです。しょうがない奴だ、と、こんな奴かまってられない、と。でも、過去にがんじがらめになっている結川の姿は、実は自分とそっくりだったんですよね。

でも、守には決定的に違うところがありました。結川が、自分を責めて、周囲に謝罪の気持ちを持つようになっていくのに対し、守は昔も今も自分に嘘をついて、ごまかして、気づかないふりをして「俺ぁ悪くない」という態度のままなのだから。
守は、結川を見て初めて、自分という人間を客観的に見ることができたのかもしれません。だから、結川を放り出すことは、自分のこれからの人生をも投げてしまうように思えて、彼を放さなかったのかなぁ、と。守が、「自分のことを憐れんでほしい」って言ったでしょう。泣けました。

そんなふうに考えると、悲しいかな、坂本には、結川を助けることはできなかったでしょうね。坂本は、結川をただ庇護するだけで、もっとダメにしてしまったかもしれないから。

父親に悪態をつきながらも、実は父を慕っていた結川。それはそのまま、守と仁の関係にもあてはまっていて。守が、弟の才能を羨んでどうしようもなく憎む反面、本当は弟が大好きなのだ、と告白するところが、あまりにも思いがけず、嬉しかったです。
(★★★★★)

でも、結川は幸せでしたよね。だって、彼を取り巻く人々が、みんないい人だったでしょう。ほら、歌舞伎町の子もいい子だったじゃないですか。彼の 「戻れるところがあんなら戻れよ」 というひと言にホロリときました。

私の好きな「捨て子系」です。でも、本当はどちらが捨て子なんだか。守のほうこそ結川に拾いあげてもらったのかもしれませんね。

BL×B.L.TB企画参加


スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。