ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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こちらが息苦しくなるような、辛そうな恋愛でした。


白皙
五百香ノエル
徳間書店 (2004.12)
ISBN : 4199003312
価格 : \540




【こんな話】
新人棋士の嘉山葉司(ようじ・19歳?)の眼中にあるのは、天才若手棋士 藤沢朱莉(しゅり・24歳?)ただひとりだった。朱莉の将棋に惚れ、彼と闘うことだけを考えて将棋の世界に入った葉司を、朱莉もまた宿敵と認めてくれていた。しかしある晩、朱莉は葉司をホテルに連れて行き、「君は私だけのものだ」と押し倒し…。

【ひとこと】
「ヒカルの碁」で、佐為が塔谷名人の碁を「遙かなる高みから打つ一手」と表現していました。葉司も朱莉の打つ手を見て、自分と共通するものを見つけています。こういった勝負の世界では、当事者にしかわからない"気"のようなものが放出されているのでしょうか。
将棋から離れているときの葉司は、礼儀知らずの今どきの若者。先輩の朱莉に対しても、不遜きわまりなし。でも、そんな葉司が、朱莉を前にすると、まったく様子が変わってしまいます。態度から言葉から全部。朱莉も、葉司の前では、普段の冷徹な雰囲気とはうって変わって、熱い男に変貌するんです。
最初のエッチシーン、私は読んでいて怖くて怖くて。やりかたはたどたどしいのに、とにかく喋り倒して、まるで言葉で犯しているかのような朱莉の迫力が、とにかく不気味でした。朱莉の手に溺れ "喜びに叫びそうになる" 葉司もまるで別人のようで。

葉司が、プロに入って初めて負けて、朱莉に見放されてしまう…と自信をなくして故郷に帰るところがあります。誰がどう説得しても戻ろうとしない葉司を、東京に呼び戻したのは、結局は朱莉からの手紙でした。葉司がこの手紙を読むシーンが好きです。イラストも素敵です。

結末も、ふたりにとってはハッピーエンドなんでしょうが、手放しで祝ってあげられない危険な香りがします。それは決して、男同士だからではなくて、まるで薄い氷の上を歩いて行くかのようなふたりがとても苦しそうだからだと思います。
葉司の「将棋はふたりいれば指せる」という言葉が、なんだかすごく不吉に感じられました。

某ミラージュの高耶さんと直江に、ちょっと重なるところがありました。ふたりの想いが通じるまではもちろん、通じあってからもまだ苦しみが続く、そんな愛のかたちがどこか似ています。薔薇の花びらを浮かべたお風呂で心中とか、小指と小指を糸で繋いで自害とか、そんな雰囲気がただよってるんです。
(あまりにも怖い ★★★☆☆)


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