ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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「さあ恋におちたまえ」 の3巻が、5月に出るんですね。





田舎で農業に従事する少年 和葉・18歳。
野菜を育てることに、男のロマンを感じている。
ある日、東京でレストランを経営する本郷が、和葉の家の野菜を仕入れたいと商談にやって来るが、ひょんなこと (家族の陰謀?) から、和葉の身柄と引き替えに契約成立の運びとなってしまう。

大家族ゆえ、もとより居場所のなかった和葉は、意を決して上京。
しかし、本郷は和葉の家に来たときの、優しくて仕事のデキる男とはまったくの別人だった。
本郷の理不尽なわがままに振り回され、給料さえもらえない和葉は、実家へ帰ろうとするが、そのたびに本郷は真剣に引き止めてきて…。

そんなお話です。


                 ■□■□■

面白かったです。

ただ、本郷のわがままが過ぎるというか、笑って流しきれないところがありました。
あとのほうで 「ほとんど一目惚れ」 と言っているので、ああそうだったんだ… と思ったものの、読んでいるときは本郷の真意がよくわからなかったです。
単なる嫉妬から、せっかく張り切っていたフロアの仕事をやめさせたり、給料も渡さないで好き勝手連れ回しているところなんて、本気でムっとしましたもん。

もっとも、お金を渡さなかったのには理由があって、和葉が自分の給料で布団を買ってしまったら、一緒のベッドで寝れなくなってしまうから… だったんですけどね。それを聞いても、あら 可愛いとこあるのねぇ? なんて、まったく思わなかった私。序盤は、本郷のこと嫌いだったかも (笑)
多分、本郷が美形すぎるからいけないのかな。
あと、本郷が常に エロモード (おバカモード) か怒ってるかのどっちかで、普通の状態のときがあまりないのも原因?
デキる男という気がしないんだもの。

そんなわけで、和葉を猛烈に応援しながら読みました。
いそいそと東京に出てきた和葉が、しょげたり怒ったりオドオドしたりする様子は、面白いんだけれどそれ以上に痛々しくて、ヘラヘラ笑っていられないんですよね。
本郷に釣れていってもらった高級ホテルで、和葉がエレベーターとエスカレーターを間違えるところがあるんですが、ここすごく巧いと思いました。
和葉の舞い上がってる気持ちが、本郷にそれを指摘されることで シュンってなっちゃって、でもそのすぐあとにもっといいことがあって和葉の機嫌も戻って…。いいシーンです。

魅力的な脇キャラは、レストラン1号店の店長さん・山咲。
本郷のこと好きなのかなと思ったり、やっぱり違うなと思ったり、あれやっぱり好きなんじゃ?と思ったり…
よくわかりません?、表情が読めません?!

この続きが、Chara Selection 7月号に載るそうで、今度は山咲の恋が描かれていますように。
(★★★★☆)


読んでくださってありがとう


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小説b-BOY と MAGAGINE BE×BOY のコラボ企画が一冊に。




ICCとは、各省庁からの出向者だけで構成されている、要人護衛のための機関。
この話は、ここに所属する男たちの話です。
しかし、要人護衛というのはあくまでも名目上、真の目的はイタリアのテロ集団コントラパッソの計画を阻止することにありました。

そして、そのICCのメンツがこれ。

チーフの神崎は、元ロンドン副大使
そして、同じく外務省から来た、見目麗しい鈴木くん
財務省からは、メガネの小野くん
ロンドンのシンクタンクから引き抜かれた "天使" 加持
警視庁からの出向者 高原警部補
そして最年少は、同じく警視庁から 射撃の銀メダリストでもある宮園くん
※神崎×加持、高原×宮園

できるなら、SPなんて荒っぽい仕事に関わってほしくない、それは美しく華やかな面々です。
ただ、最後の陸くんだけは、ほかに代わりはいくらでもいそうなんですよね。
やっぱり高原の好みで選んだんでしょうか。


この話のいちばんの肝となる部分は、"ICC vs. コントラパッソ" の陰に潜む "加持 vs. カルロ (コントラパッソの首領)" という、愛と憎しみの対決です。
加持はカルロの元恋人だった… という設定に、私すごくドキドキしました。

加持のカルロへの憎しみは、テロリストということを隠して自分と関係をもっていたことそのものではなく、どうして自分を信用してすべてを話してくれなかったのか というところに起因しています。家庭環境に恵まれなかった彼ならではの感情です。

また、カルロも加持に対する執着を捨てませんでした。なんせ彼は、美しいものが大好きだったので。
カルロは、加持が自分のもとを逃げたあとも、ずっと加持のことを追っていて、ICCに そして加持にちょっかいを出してくるんです。
そのやりかたがそれはそれは華麗で、背筋がぞくっとしました。

欲を言うなら、加持がカルロの言葉にもっと揺らいで、神崎をとるかカルロのところへ戻るか迷ってほしかったです。
カルロもカルロで、最後くらいは 加持への純粋な愛を見せてくれてもよかったのに。
それとも、あれがカルロなりの最大限の譲歩だったのかしら、だったらいいんだけど…

そして、それを陰で支える神崎。
彼がまたスマートなのです。
カルロにしかけられた補聴器をぜんぶ撤去しないで、わざとひとつ残すところ、しびれました。


また、肝まではいかないけれど、高原と陸が過去を乗り越えるというエピソードも。
高原は友人の死、陸は父親の死がトラウマになっているのですが、このふたりの話はぜひ小説でも読みたかったです。
特に高原の心の中をもっと覗きたかったなぁと思います。彼にもっと語ってほしかった…

書き下ろしの Special Resort が、バカバカしくて好き。
そんな頼みごとをする神崎も神崎ですが、クソ真面目に引き受ける高原もどうなんだろうね。
(★★★☆☆)


これだけは言わせてください!
鈴木くんはまあいいとして、小野くんの立場は?
せっかくの眼鏡キャラよ、なのに、いったいなんのために出てきたの!?
私は、b-BOYに掲載されたものしか読んでいなかったので、マンガを読めば鈴木くんと小野くんが活躍してるかなって期待してたんですよ、もう!
第一印象では、いちばんグラっときたのになぁ、小野くん。

読んでくださってありがとう



松前さんの本は好きですが、いつも何かしらややこしいとが起こるので、読む前にどうも構えてしまいます。
でも、これはそんなことありませんでした。




【こんな話】
妻子持ちの男と不倫していたことが父にバレて、住んでいたマンションの部屋を取り上げられてしまった高校教師の忍。
新しく自分の部屋に住むことになったのは、同じ学校で同期採用の暁人だった。急の事態で引っ越す先もない忍に、暁人は一緒に住もうと提案、居心地の悪い同居生活が始まった。


【ひとこと】
同期採用の4人の先生が登場します。
彼らが教壇に立っているのは、大学付属の高校。

英語教師  忍   学長の息子 若先生 ゲイ

以下 理系教師3人組
物理教師  暁人  ゲイ
生物教師  亮平  ストレートの人が好きで、実↓とつきあっている
化学教師  実   女の子が好き でも、亮平↑とつきあっている

忍は次男なのですが、兄が家を出てしまったため、跡を継がなければなりません。
素の忍は、少々自分勝手な、いいとこのお坊ちゃんによくいるタイプです。ただ、跡を継ぐと決めたときから、自分で人生を諦めてしまったようなところがあって、学校ではダテ眼鏡をかけて本当の自分を封じ込めたりしているんです。
どうせ学長の息子となんかと本音で付き合ってくれる人なんかいないだろうと、人と係わるのにも消極的だし、自分で何かやろう!という気力もない。

でもね、本人の予想とは裏腹に、結構学内では人気者みたいでしたよね、この "若先生" 。
メガネをかけて、上品におとなしく振る舞っているもんだから、女子生徒からオクテなんて言われたりして。
まさか 学校での忍はぜんぶウソっぱちで、不倫… それも男となんて、誰も思わないわけです。

そんな忍が、暁人と一緒に暮らすうちに、自分らしく生きることができるようになっていきます。

その暁人は、同じ高校の物理の先生。爽やかインテリ教師とでもいえばいいのかしら。
自分の部屋を、お掃除ロボットに掃除させていて、ほら、何かが落ちるたびに、ああ引力… なんて感動してそうな人。
私生活のすべてを、物理の法則や科学の公式にあてはめて考えちゃうこういう人、私は好きだなぁ。

飄々としているくせに、忍が若先生だろうとなんだろうと、ズケズケものを言う暁人だから、忍も文句を言いながら懐いていったのかもしれません。
まさにね、懐く って感じを受けました。暁人も忍の世話を焼くのが楽しそうで、思えばこの頃から 愛 はあったのかなぁって。

さて、忘れてはならないのが、理系教師3人組の残りのふたり。
3人とも学生の頃からの友人で、ルックスもよければ、授業も楽しいというんで、生徒にも大人気なのですが (「ですが」 って言っちゃ失礼か) 暁人はゲイで、亮平と実が付き合っている… という、バレたらちょっとまずいドキドキの人たちです。

暁人の前では、はじめから本性をさらしていた忍も、亮平と実には偽の自分 「若先生」 で接していこうと思うのですが、あっさり地が出ちゃいます。
この理系トリオ、単独でも普通じゃないんですが、3人合わさると妙な世界が醸し出されるんですよ。私も一緒に、鍋囲んでみたい。
学校関係者との人づきあいなんてお断り!だった忍が、この3人といるときは肩の力が抜けていて、読んでいてほっとする場面です。

こうして、忍は少しずつ変わっていきました。
生徒の前で本性を出したり、暁人の前で泣いたり… いろんなことがあって、忍のまとっていた殻がぜんぶはずれる頃、忍は自分が暁人に恋していることに気がつきます。

暁人から忍に向かって、好き好きオーラはもっと前から出てたんですけどね、マイナス思考になっている忍は気がつかないどころか、暁人の幸せを願ったりしています。
暁人も、忍の気持ちはわかっているんだろうに、あら?というような行動に出るんですよね。
一緒にいると、とっても楽しそうなのに、どちらかが一歩踏み込みそうになるとなぜかちぐはぐしてしまうふたり。
忍のせいだけかなと思っていたのですが、暁人の なんでも理詰めで解決できるという思い込みもマイナスに働いていたのかもしれません。

「リンゴが落ちても恋は始まらない」 というタイトルは、どちらかというと 暁人寄り かな。
世の中は、法則や公式どおりにいかないことを、暁人は忍に恋することで学んだような気がします。
(★★★☆☆)

カタブツそうな学長ですが、その存在はギャグです。
かわいいわ、こういうおじいちゃん。
私が好きなのは、亮平先生。
お弁当と双眼鏡ぶら下げて、のんびり干潟でデートなんていいじゃない。


読んでくださってありがとう


遅ればせ、エビグラの要さんの話を読みました (マガジンBE×BOY 4月号)
いつだったか小冊子か何かに、ちょこっとだけ登場したお相手がいよいよ登場です。
でも私、要さんにはひたすら美しく狂おしい(?)恋をしてほしいと思っていたので、1ページ目で軽く脱力しました。
ただ 「狂おしい」 に関しては、当たらずも遠からじですね。

意外なことに、さほど黒い人ではありませんでした、要さん。
それどころか、かわいかった。
職場の同僚が "全員" いい具合に男とくっついてしまって、さぞかし居心地悪いだろうと思っていたけれど、要さんの心の中にこんなヘタレなクマが住みついていたとは。

6年越しのファーストキス。
年に何回会っていたかは知りませんが、ここまでくるともう、魂と魂の繋がりという感じがしますね、「友人という名の恋人」 。
でも結局、最後まではしなかったようで、これからもレオンが要さんにお預けをくらいつづけるのかと思うと楽しみです。

嬉しかったのは、要さんがフェミニストだったこと。
おかあさんに花をあげるなんて、素敵。

きれいな顔して言葉は悪い、こういう人好きです。
もっともっと、エロ方面で意地悪を発揮してほしいんですが、やっぱり要さんが受けなんですね…
予想はしていたものの、わかってしまうとやっぱり残念。

書店で口絵 (2ページ目) を見て、右の男がどれだけヘンな男かワクワクしていたんですが、あまりにも普通、むしろ爽やかで初々しかったです。




【こんな話】
「結婚することになったから別れてくれ」
3年間付き合った男・津川から、メール1本でふられてしまった惺 (さとる) 。
納得のいかない惺は、津川のマンションに押しかけるが、そこには行成 (ゆきなり) という男がいた。
惺と、やはり津川にふられたらしい行成は、津川の悪口でも言い合おうとふたりで飲みに出かけるが…

【ひとこと】
ネタバレしています。

某所で、"惺と行成が出会うシーンで全部まるわかり" "すぐ弟だとわかった" というようなやり取りを見たんですが、そうですか!? 本当にわかった!?
そりゃ私も、行成には何かあるな… くらいは思いました。
自動車会社の社員寮にいるのに、他社の車に平気で乗っていたりとか、惺と津川のカラダの関係についてやたらしつこく問い詰めたりとか、怪しいところはいくらでもありましたもん!
でも、弟だなんて、これっぽっちも。
津川の口から 「弟だよ」 と聞いたとき、へぇ?! って声に出しちゃったくらいですから (笑)

冒頭部分を読むと、惺はややダサめの男に思えます。
口数が多いからそう見えるのか、未練がましいところがそう見えるのか、真相はわかりませんが。
そのうえ、惺が行成の容姿を絶賛するもんだから、私の頭の中にはすっかり "惺=パッとしない男" という図式ができてしまいました。

そしたら、今度は居酒屋で、行成が惺のことを 「綺麗」 って絶賛してるじゃないですか。なんだ、惺も美人系だったんだ、と少しがっかり。
惺は、綺麗というよりも可愛くて、あたふたしている感じのほうが面白そうだったので (笑)

ここの居酒屋での会話が好きです。
ふたりで、「お前が綺麗」「いやお前のほうが綺麗」 って褒め合ってるの。たぶん、大声で。
で、そのうち、惺がメソメソし始めたと思ったら、行成が肩を抱いて慰めて…
居酒屋でこんなお客さん見かけたら、悪酔いしますね。

種明かししてしまうと、行成は1年半前、兄の津川と惺がコトに及んでいるのを目撃して以来、惺のことが忘れられなかったのでした。
そして、結婚してマンションを出る兄の代わりに、自分が引っ越して来たところ、惺と鉢合わせしたわけです。
惺に見つめられて赤面する行成とか、津川との関係について質問されて口ごもっちゃう行成とか、真相がわかると、最初の頃の行成が10倍かわいく見えてきます。

行成は 「仕返し」 をダシに、惺を繋ぎとめようと必死です。でも、惺のほうは津川のことなんか だんだんどうでもよくなっていく… その感情の変化がゆるやかに書かれているので、こんな突飛な設定ながら、ずいぶん穏やかな作品になっていると思います。
最後、騙されていたと知って惺は怒りますが、それを説得する行成も 説得される惺も、生真面目っていうんでしょうか、真っ直ぐなんです。あら、この人たち、かなり純愛なのねって、嬉しかったです。

純愛な人たちなので、ちょっと最後もまどろっこしいけど、適当にくどいてなんとなくほだされるんじゃ面白くないですもんね。

ラスト、よかったです。
津川もただの悪者で終わらなかったし。
行成の 「よかったね」 という台詞が特に好き。
惺への愛と、兄への愛、両方にあふれてる気がして。
(★★★★☆)


最近は、携帯メールが普及して、こんなふうにメール1本でふられることも多いのかしら (なんともオバサン的な発言)
私も、面と向かって別れる理由をくどくど説明されるくらいなら、そのほうがずっといいです。

読んでくださってありがとう



やさしいテイストの作品集です。
私は、麻生さんの描く冷酷な表情が好きなので、今度はぜひそっち系のオリジナルを。





■保健室まで何m? (2編+描き下ろし短編)
高校時代、カラダだけの関係だった2人が、ともに教師として母校で再会するお話です。
保健医 (表紙上) × 数学教師。

保険医のほうは、再会を素直に喜んで、数学準備室に入り浸ってちょっかい出したりと、のんきなものです。
でも、数学教師のほうは、高校時代の思い出がひっかかって素直になれない。
カラダだけの関係を悔いているわけではないんですよね、ヤるだけやって、卒業とともに何もなかったかのようにあっさり別れた… またその繰り返しになるんじゃないかと、恐れているんです。

数学教師が、保険医からの誘惑 (挑発かな) に、なかなか折れないところがいいです。
ラストでも、折れてるのか折れてないのか… (笑)

描き下ろしは高校時代の回想。これを読むのと読まないのとでは、ぜんぜん印象が違います。
若かったんだよね、保険医も。


■ぼくとおにぎりとチョコレート (2編)
子ども時代、恵まれない生活をおくっていた尚之と、彼にいろいろと世話を焼いていた亮丙。
高校生になったふたりが、街角で再会します。

ふたりは再会を喜び合うのですが、程なく、亮丙はクラスメイトのもってきたホモ雑誌に、尚之によく似た青年が載っていることを知り、真偽のほどを確かめに行くのです。
結局、その写真の青年は尚之ではなかったんですが、ちょっとした言葉の綾で、ふたりの関係がこじれてしまいます。

協力者のような邪魔者のような、大人の男性が登場します。
この男性相手に、しっかりと自分の意見を話す亮丙が素敵です。

尚之の泣きの告白がツボでした。せつないけど、かわいい。こっちが受け。


■そのままが。
学生の頃からの友人同士、相沢と辻。
相沢は昔からずっと辻のことが好きなんですが、辻はノンケです。失恋して、相沢に泣きついたりしています。
あるとき、お酒の力も手伝ってか、相沢はうっかり辻にキスしてしまいます。辻は逃走(笑)

相沢は、まずったなと思いながらも、特にアクションは起こしません。
辻の行動が面白いです。相沢のこと、本当に大事に思っているのがよくわかる、誠意あふれた対応が(笑)

決着はついていませんが、悪いようにはならないでしょうね。


■Peach Sweet Home
この話がいちばん好き。
最後まで読むと、タイトルの意味がああそういうことなのね! としっくりきます。
結構、トシの差あるのかしら。調理の仕事をしている攻めと、デザイン事務所で働く新米社会人の受け。
長い時間をかけて (5年間) ゆっくり築いてきたふたりの関係が、最後の一瞬、パズルの最後の1ピースをはめるみたいに、ちゃんとおさまる… そんなお話です。

すっごくすっごくいい人ですよ、攻めが。
(★★★★☆)


麻生さんは、手や足の動きをエロく描くのが上手ですよね。
今回は、あまり足が出てきませんが、肩に回した腕だとか、顎をつかむ手に、ぐっときました。

読んでくださってありがとう


中世の歴史は、さっぱり。
カイトが船を降りて、いろんな人に会わなければならなくなると、話の展開が結構つらいです。
私のためにも、カイトの心の平安のためにも、ずっと船に乗っていてほしい…




今回のカイトは、ジェフリー達とははなればなれ。
そのかわり、ビセンテとべったり一緒です。
読む前は気が重かったのですが、いざ本を開いてみると、カイトはビセンテとなかなかうまくやっているし、ジェフリーとナイジェルは自然に会話を交わしているしで、意外にすんなり読み終わることができました。

それに、ビセンテが幸せそう?
カイトと出会ったときのこと、本当に悔いてるんですね、ビセンテ。
カイトに気をつかって、カイトの言動にいちいちホッとしたりハラハラしたり。
"カイトはずっとこの国で暮らすのだ" と確信しながらも、いつジェフリーがカイトを連れ戻しに来るか、心配でたまらないに違いありません。
ビセンテの視点で書かれている部分が、悲しくて、そして少し滑稽でした。

そしてカイト。
ビセンテのこと、はっきり 「敵」 って言っているのには驚きました。
まぁ、敵には違いないんだけど… でも、カイトにとって、本当に敵?
ビセンテのことを頼りにしながらも、心の中ではちっとも信用していないのが、読んでいていやでした。
「悪い人じゃない」 って、前の巻で言ってたくせに。


さて、話を変えて、今回のお気に入りのシーンについて。
なんといっても、激怒したドレイクがジェフリーをぶん殴るところでしょう。拳だよ、拳。
でも、カッコいいのはドレイクじゃなくて、そのあとのふたりのやり取りです。
怒りまくるドレイクに、敬意を払いながらも言いたいことはしっかり言っているジェフリーが素敵だな、って。
「では、お暇をください」
が好き。

ジェフリーとナイジェル、そして、マーロウの3人の会話も、最高に面白かったですね。
ナイジェルの "春の日溜まりのような笑顔" が気になります。
(★★★★☆)


ファンとコソコソ話をしているところのイラストが見たかったなぁ。

読んでくださってありがとう



掴みOK!
カバーと口絵の攻めの目線にやられ、ちょっと立ち読みしてみたら、そのまま最後まで読んでしまいそうになりました。
で、いま気がついたんですけど、カバー裏の 「気持ちは昔と変わらない」 ってセリフありましたっけ。なくてよかったんだけど。
イラストは祭河ななをさん。


嘘つきなキス
早水 しほり著 / 祭河 ななを〔画〕
リーフ (2006.3)


【こんな話】
苦学生の裕太は、自分に顔がそっくりな男・幾美の頼みで、夏休みのアルバイトをすることになった。
それは、幾美に成りすまし、彼の幼馴染み かつ 婚約者とひと夏を過ごすというもの。
前払いとして大金をもらい、いよいよ軽井沢の別荘で、婚約者あやめとその兄・克之との生活が始まったが…。

【あらすじ】
裕太は、黒髪に少々ダサいメガネの、真面目な大学生。
幾美は、顔は裕太そっくりでも、髪は金髪に近くファッションも派手な遊び人 (一応、同じ大学の先輩後輩)
なので裕太は、とりあえず髪を染め、コンタクトを装着してお仕事にのぞみます。

アルバイトを引き受けた時点では、あやめが婚約者であるということは裕太にも私たち読者にも知らされておらず、そんなお嬢さまとひと夏一緒に過ごして果たしてBL小説になるんだろうかと心配でした。
でも、大丈夫。
あやめの兄・克之の登場が、そんな懸念を払拭してくれます。

幾美の話では、幼馴染みとはいっても、もう何年も会っていないので正体がバレるようなことはないだろうと。
そんなこと言ったって、きっとバレちゃうんだろうなぁと思っていた私ですが、なんと本当にバレませんでした。
そうですよね、少々おかしいなと思っても、まさかそっくりさんが来てるとは思わないですもんね。

子どもの頃、克之は幾美に、さんざん手を焼かされたようで、裕太が軽井沢に着いたときもいきなり感じ悪いです。
でも裕太は、その感じ悪さを "シスコン兄の過度な嫉妬" と勝手に解釈してしまいます。
挙げ句の果てには
「シスコンも過ぎるのはよくない」
とアドバイスまでする始末。かわいい!
こんなとんちんかんな裕太なのに、よく夏休みじゅうバレなかったよなぁ。

しかし、克之は裕太 (克之は "幾美" だと思っている) を好きになってしまいます。
昔の幾美とは違う (そりゃ別人だから当たり前) 素直で可愛くてウブな裕太に、もう翻弄されまくり。
克之は "久しぶりに会ってこの気持ちに気づいた" というようなことを言うんですが、なんだかちょっとおかしかったです。
クールな克之がカッコよく告白していても、実はコロっと騙されているんですから。

ああでも、裕太も克之を好きになってしまったから、笑い話では終わらなくなってしまいました。
俺は身代わりだ! って白状しちゃえばいいのに、裕太は本当に真面目です。
ベッドで克之が幾美の名前を呼びそうになったとき、裕太が克之の口を手でふさいじゃうところが悲しかったです。頑張ったね、裕太。
そして、そこのイラストの克之のまなざしが… 気になったかたは、本屋さんへGO! p.177 です。

そのあとは、読んでくださいな。
東京へ戻り、髪の毛を黒く染め、カッコ悪いメガネ青年に戻った裕太と、克之の再会は、定番ながらも心あたたまります。
克之 「俺の驚きようを、おまえにも見せてやりたかったよ」
あの克之が、本物の幾美から真相を聞かされて、どんなふうに驚いたのか、私のほうが見たかったです。
(★★★★☆)


さらっと書いてしまいましたが、幾美とあやめの結婚に裏話があったり、おもしろいサブキャラが出てきたりと、他にもお楽しみはあります。
爽やかで楽しく読めました。

読んでくださってありがとう


榊さんの本は、久しぶり。




【こんな話】
角膜移植により、3年ぶりに視力を取り戻した真昼 (まひる) は、ゲームセンターで商社マンの久野木と出会った。久野木は、クレーンゲームで手に入れたぬいぐるみと名刺を真昼に差し出し、去って行った。
この出会いが心に引っかかった真昼は、名刺にあった番号に連絡を取り、ふたりの "デート" が始まった。
久野木は真昼のことが好きだと言うが、真昼は久野木に惹かれつつも、彼が時折見せる暗い部分が気になって…。


【ひとこと】
臓器 (角膜) 移植が行われるとき、患者さんにはいっさいドナーに関する情報は知らされないそうです。
それはなぜかといえば、この本のようなことが起こらないようにするためです。

(ネタバレしてます)
この話の設定、そしてどこか気味の悪い久野木の言動から、真昼に角膜を提供した人間が久野木の大切な人であったことは、すぐわかります。
目を舐めちゃうくらいだから、婚約者? ちょっと気持ち悪いけど、母親? あ、恋人(♂)? あれこれ考えてはいたものの、まさか弟とはね…。
久野木によれば、その弟とは 「深く深く愛し合っていた」 そうですが、この設定って必要かしら。
彼の亡き弟への執着は、そんな愛がなくたって、よーく理解できます。
愛する家族の角膜が、新しい環境でどんなふうに役立っているのか、深く愛してようがなんだろうが、気になって当たり前だと思うんです。
まぁ、眼球にキスをするというネタには、このくらいあやしい伏線がないとつじつまが合わないかもしれませんが。

でも、
「君の目の本当の持ち主だよ」
というセリフは怖かったです。
こんなふうに言われたら、どうしようもありません。今になって、君になんて提供しなければよかった、言ってるのと同じでしょう。

私が真昼だったら、大ダメージくらっちゃうところですが、このときの真昼は、もう久野木のことが大好きで大好きでしかたなくて、そっちのほうに気がいってしまっていたようでがっかり。
もうちょっと、久野木の気持ちをわかろうとしてあげてもよかったんじゃないかな。これは全編に渡って感じました。

ただ…。
ここまで心にしこりがあって、むちゃくちゃに傷つけてやりたいとまで思った真昼のことを、久野木は好きになれるんでしょうか。
いくら真昼が可愛くても、純真でも、ぜったいにほだされないような気がします。
まして、弟と 「深く深く愛し合っていた」 のなら (どうしてもここにこだわる私)

それに、真昼は本当に久野木でいいの?
久野木が真昼を愛しているのは、おそらく本当なんでしょうけれど、真昼の瞳にはいつも亡くなった弟がいるわけでしょう。
久野木が本当に自分を見てくれているのか、それとも弟の面影を追っているのか、不安になったりはしないのかしら。
(★★★☆☆)


続編で、真昼に冷たくされて困っている久野木は好き。

読んでくださってありがとう



どのレーベルにもカラーというものがあると思うのですが、花丸文庫だけはどうもそのカラーが掴めません。特に最近。
そのせいか、秀さんがあとがきで 「コアな方向に走った」 と書いてらしたのが興味深かったです。




【こんな話】
実家の父が病気で倒れ、急遽、家業の温泉旅館 「志乃や」 の臨時主人として帰郷することになった遼路。
家族には、3カ月の休暇をとったと話したものの、実は会社には退職届けを出していた。
慣れない着物に身を包み、いやいやながらも旅館の雑用をこなす遼路だったが、そんな彼に鋭い目線をくれ、容赦なく注文をつける男がいた。料理長の鬼嶋龍司だった。


【ひとこと】
遼路は、東京の出版社で編集者として働いていました。
次男であるうえ、控えめで人付き合いもとても上手とは思えない遼路が、なぜ臨時主人かというと、後を継ぐはずだった兄が男と駆け落ちしてしまったのだというのだから、故郷への足取りが重くなるのもよくわかります。

そんな遼路は、鬼嶋の目にどう映ったんでしょうか?
この本を素直に読めば、鬼嶋は遼路のことを、東京で好き勝手やっているちゃらんぽらんなお坊ちゃまとでも思ったんでしょう、たぶん。
でなければ、あんな威圧的な態度に出ませんよね? どうなんでしょう。

実は私、鬼嶋の人となりが、最後までよくわからなかったんです。
こんな状態で、感想を書いていいものか迷いましたが、思ったことをそのまま書かせていただきます。

食に興味のない遼路に
「お味はいかがですか」 「これは何で味をつけているかおわかりですか」
と、朝・昼・晩つきっきり。
それに、イヤミなセリフがかならずプラスされます。
このときの鬼嶋のいやらしさっていうのは、やっぱり 「こんな奴に何がわかる」 という反発からきてると思うんです。それでいい? (確認・笑)

でも…
遼路がかつての恋人・青柳に薬を盛られ、なんとか逃げ出してきたあたりから、鬼嶋がわからなくなりました、強引すぎる鬼嶋が。
鬼嶋は既に、マリコールホテルの金沢進出を知っていたから、志乃やのことが心配だったのもあると思うんですが、
「どういうつもりで俺を焚きつけているんですか」
っていうのがどうも。
鬼嶋って、これまでは男の趣味ってなかったんですよね? これもOK?(再確認)
それでもそんなに簡単に欲情しちゃうもんなんでしょうか。
それとも、遼路の和服姿が色っぽすぎるからいけないの?

鬼嶋はガラに合わず、結構スケベでイヤな感じなんですが (遼路は喜んでるから別にいいけど) なんだか行動に一貫性がなくて、どうも感情移入できませんでした。
鬼嶋本人は、本の最後で
「俺もあなたも素直じゃなかった」
のひと言で片付けていますが、私は納得いきません (笑)

遼路についても少し書かないと。
なんとも頼りなかった遼路が、鬼嶋の腕をかけて青柳と対立するところはなかなか面白かったです。
青柳も、まさか鬼嶋に、自分と遼路との関係がバレているとは思わなかったようで、絶句してたでしょう。「遼路…」って。
気持ちよかったです。
鬼嶋を渡してなるものかと、捨て身で立ち向かう遼路、好きです。
実際に会話を交わしているのは、青柳と遼路なんですけど、事実上は "青柳 vs. 遼路+鬼嶋" って感じで、いいムードでしたよね。

最後のエッチシーンが、少ししつこい?
これを半分にして、ふたりのラブラブな温泉旅行の様子が読みたかったな。
(★★★☆☆)


遼路が、青柳の股間を蹴り上げるところ、よかったですよね!
どうせやられちゃうんだろうと思っていたので、すごく嬉しかったよ。

読んでくださってありがとう


玄間 (げんま) と氷見 (ひみ) の話。





氷見は、もともとは玄間の父親に仕える紙様でした。
父の死後、和記に呼びつけられ
「親子丼 (どんぶり) でもいいなら 成間に仕えていた紙様を お前にやってもいいけど?」
と持ちかけられます。

ここの和記、ずいぶん若いです。
でも、着物の着方も、ポーズも、物腰も、お酒飲んでるところも、1巻の初登場のシーンそのまんま。
上のセリフも、今の和記とほとんど変わらないでしょう?
和記の過去については、まだ何も知らないけれど、ずっとこんなふうに人形師として同じような毎日を過ごしてきたのかな、と少し寂しい気持ちになりました。

話を戻して。
氷見を手に入れた玄間は、いやがる氷見を毎夜毎夜、苛め放題です。
玄間の表情は冷たいし、氷見の嫌がる様子が気の毒で、見てられないのですが、不思議とカバー裏にあるような "調教" とか "服従" とか、そんな感じには思えませんでした。

玄間は子どもの頃から、氷見を知っていたんですね。というか、ひと目見たときから 「欲しい」 と思っていた。
玄間はその 「欲しい」 という感情を 「好き」 に置き換えているけれど、本当はどうなんでしょう。私には、そこのところがよくわかりませんでした。
実は、少年玄間は氷見に粘膜接触 (キス) で傷を治してもらったのが原因で、父親から家を追い出されているんです。
氷見を欲しいという気持ちそのものは純粋でも、父への恨みが加わって、歪んだ愛になってしまったのかもしれませんね。

でも、いなくなった氷見をやっとさがしあてたときの玄間は、素でとっても穏やかで可愛かったです。

「でも親父とはヤリまくってたんだろ?」
「してません!」


のコマが好きです。
最初のほうは、儚くて、この世のものではない雰囲気を漂わせていた氷見が、このあたりはただの可愛い受けキャラになっています。
いちいち顔赤くしてて、面白い。

氷見はどうなるの?
ハッピーエンドとは知りつつ、秋までなんて待てません。
(★★★☆☆)


阿沙利が、隠れ蓑 (みの) を使って、すぅ?っと現れてすぅ?っと消えるところ、絵で初めて見ました。
このマンガに出てくる人たちって、顔はキレイなのに、中身はかなり乱暴で少々品がない人が多いでしょう。
阿沙利も、口の悪いところがツボです。
阿沙利と和記の会話は、1巻のときから好き。

そしてそして、きっとみんな穴があくほど見つめてしまったと思うのが、近衛が4歳の琴葉を餌付けしてる図。
近衛はどこまでもカッコよく、琴葉もどこまでもかわいいのですが、餌が最中です (笑)

読んでくださってありがとう


今月からドラマCDの感想もこちらで書くことにしました。
「1」 の感想は、ここ

ルボー・サウンドコレクション ドラマCD FLESH&BLOOD 2ルボー・サウンドコレクション ドラマCD FLESH&BLOOD 2
福山潤 諏訪部順一
ジェネオン エンタテインメント

2006-02-24

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「1」 を聴いたときは、なんとなく
諏訪部さんとカイトが喋ってて、
諏訪部さんとナイジェルが喋ってて…
そんなふうに、私の中のジェフリーのイメージと合いそうで合わない感じだったんです。
だけど、もう大丈夫。

どこがよかったって、ジェフリー vs. ビセンテのシーン。ここばっかり聴いてます。
かっこいいです、ジェフリーが。
ビセンテって、こんなに強かったんだっけ。

ちょっと不利な形勢に追い込まれたジェフリーが、ビセンテの脛を蹴っ飛ばすところがすっごく好き。
「ご親切にどうも!」
もう、シビれた?
ここけでなく、ビセンテに悪態ついて罵りまくるジェフリーが素敵すぎて、何度聞いても聞き足りません。
ex. 「カトリックの畜生め!」「何しやがるんだ、この野郎!」(こんなセリフばっか・笑)

ジェフリーとカイトが逃げるとき、思わず吹き出しちゃったのが、雑踏の中かすかに聞こえる
「待ってくれぇ、カイト?」 (by びせんて)
本っ当に、この人かわいそう。
なんにも悪いことしてないのに、うっかりカイトに先に出会ってしまっただけなのに、この嫌われよう。

ビセンテって
"夫婦喧嘩でうっかり奥さんに手を上げちゃったら、奥さんは実家に。
急いで追いかけて 「俺が悪かった、戻ってきてくれ」 って土下座する夫"
みたいなイメージ。

ジムを看取るシーンは、やっぱり辛かったです。
現代の医療技術を知ってるだけに、諦められないカイトの気持ちが痛いです。

あとは、カイトのことをずっと 「貴様」 呼ばわりだったナイジェルが優しくなりましたね。
あのシーンが楽しみです (ずっとずっと先)



カイトがジェフリーのことを 「あなた」 って呼ぶのがとっても好きなんですけど、「あんた」 との使い分けは英語ではどうしてるんだろう。
「あなた」 のときは、語尾に sir でもつけてるのかな。

読んでくださってありがとう

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