ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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キスがいい (看病もアリ・笑)




【こんな話】
大学の同級生・三上から 「好きだよ」 と告白された小嶋。
三上がゲイと知っても、小嶋は特に何とも思わなかったし、三上も小嶋のそんなところが好きと言ってくれた。
しかし、小嶋の中では確かに何かが変わり始めていたのだった。
"お前には何も期待してないから" と、今までどおりの関係を続けようとする三上と、その言葉がどうしても引っかかる小嶋。
ふたりの行方は…。

【ひとこと】
(ゲイ三上×ノンケ小嶋 この名前と属性?を頭に置いてお読みください♪)
野郎が4人で麻雀。
ふたりが酔いつぶれて寝てしまい、あとに残ったのが小嶋と三上でした。
ほろよい加減の小嶋に、三上は本当にサラっとゲイであることを明かします。そして、これまたサラっと
「俺、小嶋のこと好きだな」
と告白。
友達が眠りこけている傍らで、おそらくひっそりと交わされたであろうこの会話だけで、三上の魅力に取り憑かれてしまいました。

「俺が好きだって言ったことなんて気にするなよ
君はノンケで、男には興味はないだろう
だから俺は期待してない
小嶋が俺を気にする理由はないよ」


三上はこんなふうに言います。
小嶋への接し方も、今までとなんら変わりません。
普通、こういうシチュエーションだと、告白した側 (この場合 三上) が痛々しく見えたりするもんですが、三上はいたってクールです。
でも、クールにはクールなんですが、やたらに甘ったるいのがこの人の魅力。
小嶋のことはもう諦めがついてるのかなと思えば、妙に意味ありげな態度を取ったり、甘い言葉を囁いたり…

小嶋がそんなだから 「期待してない」 と言われ、ちょっと寂しい思いをしていた小嶋も、かえって翻弄されてしまいます。
妙な雰囲気になるたび 「俺、お前のこと、好きにならないよ」 と念押ししてるんですけど、もうとっくの昔に好きになっちゃってるのがバレバレ。
そんな小嶋はとっても可愛い、すごーく可愛い。
そして三上はとってもせつない、すごーくせつない。

この話、面白いなって思ったのは、両想いにならないうちから、何回もキスしてるところ。
同意の上でのキスのようで、そうでもない。小嶋は、まあ嫌がっているといえばそうなのかもしれない。
でも、嫌がっているはずの小嶋のほうが、キスをしかけたり、あきらかに三上を煽っていたりするんです。
場所は、学校の図書館だったり、スノボ宿の階段だったりで、ムードもへったくれもないのに、三上がどこまでも色っぽくエロティックです。
いいですよ?、何回もそこだけ拾って読んでます (私は・笑)

あと、しつこくならない程度に触れますが、看病シーンも出てきます (愛)
でも、通常なら十中八九悪い方向へはいかないのが看病シチュエーションのいいところなのに、事態はあらぬ方向へ…。
(以下ネタバレしてもいい人だけ↓)
熱に浮かされた小嶋が、例によって三上を煽ります。
そんな小嶋に、三上が 「犯すよ」 って。萌え…
小嶋は泣いちゃうの、もちろん嫌で泣いたんじゃなくて、三上のことが好きすぎて。
でも、三上はてっきり嫌われているのかと思って、出て行っちゃうのです。
少し泣きました。



あとは読んでくださいな。

書き下ろし続編の 「甘えられない背中」 では、なかなかエッチまでたどり着けないふたりのそれぞれの思いが描かれています。
本編では可愛かった小嶋が、ここではすごくカッコいいです。
これを読んで気がついたんですが、このカップル、小嶋の行動力がなければここまで来ることはできなかったんですね。
三上は案外ふがいないのかしら? でも、ヘタレではないと思います。
(★★★★+0.2)


イラストが、『ノーカラー』 の記憶も新しい、あの夏目イサクさん。
イメージがまさにどんぴしゃでした。
おまけマンガのふたりがちょっと違うかな?と思ったんですが、「以前とは違う」 その後のふたりってことで、ああそうか! と納得。

あと、これだけ書かせてください。
麻雀のできない西くんと、プロ雀士なりそこないの佐久間くんがペアを組んで麻雀するところに激萌え!
あ、別にカップルでもなんでもなくて、むしろ麻雀が原因で仲悪くなりそうなんですけど、なんかいいの、このふたり。うふふ。

読んでくださってありがとう

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素敵なお話です、幸せ?な気分になれるCD。
ドラマCDの感想は、よそで書いていましたが、あまりに更新していないのでこっちに。


毎日晴天! 5
菅野彰・二宮悦巳 / 徳間書店
ムービック (2006.2)



3編収録。

■天国に巡る月に一度の…
真夜中。
締め切り3日前、120枚の原稿を1行も書いてない秀が 「楽しいとこに行こう」 と勇太を起こします。
"楽しいとこ" って、網走なんですよね (笑)
原稿が書き上がらないと秀がパニック状態に陥る話は、何度となく原作にも出てきました。
明ちゃん・丈・真弓は 「再現ドラマ見てるみたい」 と大喜び。

秀をなだめすかす勇太が、すっごーい優しいの。
そりゃもう嘘っぽい優しさなんだけど、なんか和むのです、α波出てるのです、あの勇太から。
(当の勇太は、おでこに血管浮き出てるらしいけど・笑)

そういう状態になった秀のことを、勇太が 「人以下の生き物」 って言ってるのがもうおかしい。
でも勇太はそんなに苦に思ってないのです。そこがいいの。
素敵な話が聞けます、おっかない話と合わせて (笑)

嘘っぽい大河も笑えます。
「いいからこっちにおいで、何もしないから、怒らないから。悪いのはみーんな俺だ」
…って、みんな寄ってたかって、秀をペット扱い!?

※爆笑した台詞
「んなこと言うなよーっ!!」
どんな状況でも、大河兄の悪口は許さないのね、丈。
岩田さんの丈を聞いてると、本物の丈はここまでひどくないんじゃ… とか思うんだけど、やっぱ好きだなぁ。
彼氏にするならゼッタイ丈よ、手のひらでコロコロ転がってくれそうだから v


■近所迷惑!
帯刀家が揉めに揉めているとのことで、ケンカの仲裁にかり出された、龍兄+ウオタツ+御幸の3人。
初っ端の3人のぼやき、ず?っと聞いてたいくらい面白いです。

大河が秀にヘンな口説き文句を囁いて浮気の疑いをかけられ、
勇太も真弓にヘンな口説き文句を囁いて叩かれ、
丈もそのヘンな口説き文句でラーメン屋のおねぇちゃんにこっぴどくフラれ…
そんなこんなで、大げんかになってしまった帯刀家。
(後に発覚するんですが、ウオタツもこの口説き文句を使ってコーヒーぶっかけられたらしい)

でも、その口説き文句ってのが、実は…………… (←かなり面白い)

龍兄が、というか一条さんがカラダ張っての大熱演です。
「殺すぞ」 のカッコよさと 後半の 「アイテテテテテテ」 のふがいなさの落差がツボです。

あと秀。
なーんか今までの秀と違うの。
色っぽさ・可愛さは全サCDでも感じたんだけど、なんていうのかなぁ、ちょっとイイよ?コレ。
必聴!

※お気の毒な台詞
達也 「痴話喧嘩というものはね ひとりではできないものなんですよ」
だったら、日曜だからって昼過ぎまで (夜まで?) 寝てないで、早く彼女作りなさいね?


■そんでもって愛のこと。
秀が 「愛について」 というテーマで原稿を書かなければならなくて頭を悩ませているところに真弓がやってきて、じゃあ代わりに取材してきてあげるね!という話になります。

取材先 1 (龍兄&明ちゃん)
思ったよりもずっとずっとラブラブなのね、このふたり。
明ちゃんが奥手なので、龍兄も結構恥ずかしい思いしながら頑張ってるんだなぁと思いました。

取材先 2 (丈)
「愛とはーっ!!!」
暑苦しいけど、ほんと憎めないね、丈。
おかしいのは、丈が怒鳴りはじめると、かならずうちの父が部屋に入ってくるんです。で 「またそれか、何だそれ」 って聞かれる (笑)

取材先 3 (勇太+達也)
おすすめ!
勇太の話で、もう幸せいっぱいな気持ちになれます。
最後の勇太と真弓のやりとりがたまりません。ここで3人がどんな表情してたのか、ちょっと二宮さんに描いてもらいたい気持ち。

取材先 4 (秀&大河)
秀が… 秀が…
しつこいようだけど、今までの秀とぜんぜん違うの。
大河 「もっとなんか言ってみろよ」
秀  「やだよ」
何度も聴いちゃいました、愛だね、愛。

ホントによかったよ?、この話。
ベタなテーマなのにちんたらしなくて、何度聞いてもあったかい気持ちになれて、素晴らしいです。



このCD、メインの会話の裏でBGMのように外野の会話が聞こえます。
ヘッドホンして、じっと集中してコレ聴くと面白い。
鍋の具材の話とか、丈の恋バナとか。

読んでくださってありがとう


「1」を読んだときは、あまり好きではなかったのです。扇さんご自身があとがきで書いていらっしゃったような理由で。
でも、2巻の表紙を見たら、飛鳥が私を呼んでた (笑) でもって、扉絵の飛鳥がまた可愛かった!





5つ違いの兄弟、血は繋がっていません。
ひとりエッチを弟に目撃されたのが原因で不能になってしまった兄・飛鳥。
しかし、弟・唯は、既に2年前、これまた兄が原因で不能になっていたのでした。で、兄のそんな様子を見たら、治っちゃったと…。
その後、ちょっとサバイバルな事件などもあり、ふたりは無事結ばれる、というのが、これまでのお話です。

とにかく描写が濃いので、ダメな人はダメでしょう。
私が 「1」 を読んだときは、そんな描写に加えて、ところかまわずヤっちゃうふたり というかセックスのほかは何も要らないって感じの (実際 何もなかったよ) ふたりが好きになれませんでした。
あとは、私自身が飛鳥を愛するあまり (笑) 唯を受け入れられなかったような気も。

だって、飛鳥はかわいいんですよ、裏表がなくてまっすぐで。悪くいえば、単純でおバカさんなんですけれど。
それに反して唯は、何考えてるんだかサッパリわからない。飛鳥のことが大好きなのはわかるものの、どのくらい好きなのか、ただヤリたいだけなのか、なーんか私にはわからなかったんです。
「私には」 ←強調しときます。みなさんはちゃんとわかっていたと思うから。

しかししかし、2巻を読んで私、唯のことが愛おしくてたまらなくなりました。
唯は、プロを嘱望されるほどのテニスプレイヤーなんです。飛鳥は、そんな唯を見て、唯の将来や幸せを真剣に考えて、身を引くことを考えます。
「転勤することになった」 だの 「冷めた」 だの 「本当の愛じゃなかった」 だの、もう嘘っぱち並べて、唯から離れようとするシーンが、濃いエッチ描写をなんとも感じさせないくらい悲しかったです。

で、私が驚いちゃったのはそのあと。
てっきり肉体的にも精神的にも強いと思っていた唯が、ガタガタに崩れちゃったのです。
テニスもやめて、まるで廃人みたいに。
ああ、こんなに飛鳥のこと好きだったんだねって、今まで理解してあげられなくてごめんなさいという気持ちでいっぱいになりました。
ふたりが再会する場面は、しばらく忘れられそうにありません。

ラストは唯もやや年相応に近づき、可愛くなってひと安心。
もともと兄への思いをふっきるために始めたテニスだから、彼にはもう必要ないのかもしれませんね。

で、これって一応は完結なの?
(★★★☆☆)


柊さんのファンて多いんだろうなぁ、私も好き。

読んでくださってありがとう





雑誌に掲載されたときに、本編は読んだんですけど、こんなにいいお話だったっけ!?
こんな私でも、日々成長してるんですね。あのときには、心情を汲み取ってあげられなかったキャラに涙々でした。




【こんな話】
小学4年生の始業式、広久 (ひろひさ) は新しいクラスメートの侑 (ゆう) に声をかけられた。そして、侑の整った顔立ちにしばし言葉を失ってしまう。初めて誰かを 「可愛い」 と思った瞬間だった。
その後、すぐに侑は転校してしまい、人気者だった侑もみんなに忘れられていった。広久にとってもそれは同じだった。
しかし6年後、広久は進学したばかりの高校で 侑の姿を発見する。

【ひとこと】
広久は、おとうさんと弟の3人暮らし。家事は広久の役目で、朝早くから洗濯に掃除、2人分のお弁当を作り、夕飯の支度だってします。
それだけでも立派ですが、さらに彼の生活ぶりが素晴らしいです。ほかの人はどうだろうと、自分は自分、いつも正しくあろうとする広久はとっても偉くて、頭が下がります。
でも、ちょこっと頑張りすぎかな。

若い頃って、どうしてもうわべだけを見てしまいがちじゃないですか。
見てくれに誤魔化されて、真価を見極めるところまで気が回らない。
でも反対に、誤魔化されたままでも構わない、楽しければいい! と思える年頃でもあるんですよね。

そんな世代の中で、悲しいかな広久は、みんなの目にはカッコ悪く写ってしまいます。
先生に当てられもしないのに予習してくる、みんながサボっている仕事を引き受ける、携帯を持ってない… よくよく考えてみれば、なんにもカッコ悪くない、むしろ、よいことのほうが多いのに…です。
これってよくわかる。マジメがカッコ悪いって感じた頃って、私にも確かにあったもの。

でも、そんな広久も、やっぱりみんなと同じ高校生でした。
携帯なんか要らない、友だちと同じじゃなくたって構わなかったのに、侑のことを好きになってちょっと心のバランスが崩れたら、そのままなし崩しにズルズルと引きずられていっちゃった。
やっぱり自分も携帯が欲しかったし、ずっとみんなと同じようにしたかったんだって、広久が自覚するところがかわいそうでたまりませんでした。

そして、侑。
侑は、母とふたり暮らし。
広久と違って、人付き合いもそつなくこなす人気者。だけど、どんなに楽しくやっていても、人の気持ちまではわかろうとしなかったのかな。
人を嫌いになることもないけれど、好きになることもない。
もしかしたら、人に優しくする方法も知らなかったのかも。だから、広久のためを思って、桜田さんと付き合ったりして… この不器用さが泣けました。

でも、桜田さんは侑と付き合ってよかったね。この若さで、真の男の価値がわかったでしょう?
彼女が広久に告白して断られたとき、すっごく恥ずかしい気持ちだったと思うんです。たぶん、断られるとは思ってなかった。私が桜田さんでもそう思う (笑)
その恥ずかしさを最初はとりつくろってた彼女が、ちゃんと広久のことを褒めてあげる。ここが、すごく好きです。

関係は 侑×広久だけど、普段は広久のほうが優位かな。
広久が侑に 「青少年の正しいあり方」 について指南しそう。侑も、はいはいって言うこと聞きそうです。
ふたりに習って、クラスの子もみんなイイ子になっちゃったりして。

でも、まだまだ侑はわかってないなぁ。
たとえば、桜田さんとはもうとっくに別れたのに、まだ 「亜矢」 って呼んでる。
そんな小さなことでも、きっと広久は気にしてるだろうなぁ、と思うんですけどどうでしょう。

(★★★★☆)


広久は、侑や桜田さん (梅野くんもかな?) に、カッコいいってわかってもらえたけれど、
現実の世界にいる、たくさんの "ヒロくんたち" は、きっと誰にもわかってもらえないまま、青春時代を終えてしまうんでしょうね。
そんな子たちが、15年ぶりにクラス会で会ってみれば、すっごくいいパパになっていて、あ?もったいないことした?って思ったり思わなかったり…
人生、そんなだよね。

読んでくださってありがとう



完結。





蓮根が心の中にず?っとくすぶらせてきたものは、私がこのマンガを読みながらずっと考えてきたこととまったく同じで、

徳丸の本気が見たい!

これに尽きるでしょう。

中・高校生の初々しいカップルにありがちな悩みです。
女の子 (=蓮根) は、「私のこと好き?」 とか 「私のどういうところが好き?」 とか、聞いてみたいものなのです。
だけど、男の子 (=徳丸) は照れちゃって、そんなことはとても口にできない。そもそも、まだまだ子どもなので、男女交際イコール楽しければいいじゃん! 的な考えなんですよね。
表向きは楽しくやっているふたりですが、女の子 (=蓮根) は何かあるたびに悩んでしまうわけです。
「私のこと、本当に好きなのかしら」 と。

ところで私、3巻での春平の意味深な言動に、おとなしくしててちょうだいよ! などと思っていました (酷い)
でも、今回は春平なしでは、なんにも片付きませんでしたね。

「徳丸 本当にちゃんと 誰かを好きになった事 あんのかよ!?」

うう、おばちゃんはもらい泣きしちゃいました。
そうだよね、すっごい勇気をふりしぼって告白 (してるも同然) してるのに、ヘラヘラ笑ってかわされたりしたら怒鳴りたくもなるよね。

よく言った、春平。
このひと言で、徳丸もやっと蓮根のもやもやを理解できた…

…はずなんですが。
徳丸ってば
「お前って 俺のどこが好きなわけ?」
なんて言ってる。もう、心の底から呆れました (笑)
それは蓮根のセリフだから>徳丸

でも、よかった。
徳丸だけが、無理して蓮根のやり方に合わせるんじゃなくて、蓮根のほうも しかたないなって感じで徳丸に合わせていたから。


最後の最後、徳丸がお茶を点てるところが素敵でした。
蓮根に言われてそうしたんじゃなくて、徳丸が自分でやろうと言ったことが大事。
このマンガが始まったときのことを懐かしく思い出しました。

ストーリー的には、ただ高校を卒業しただけですが、このふたりはまったりと落ち着いてしまったら面白くないです。常にどちらかが、やきもきしてるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
お幸せに。
(★★★★☆)


加賀さんの
「その学生服姿を見ていると 昔の貴方を 思い出すような 出さないような…」
というセリフがツボに入りました。おかしい…


読んでくださってありがとう



執事萌えはないのですが、カバー裏のあらすじが気に入って即買い。


執事の特権
榎田 尤利著 / 佐々木 久美子イラスト
大洋図書 (2006.1)


【こんな話】
乃木坂製薬の営業職を希望していた 原田仁 (しのぶ) は、最終面接の末、どういうわけか 経営企画本部別室・室長付き特別秘書 として採用されることになった。
室長の乃木坂乙矢は、ひどい潔癖性に加えて、毒舌家で気分屋、ひとりよがりで神経質。そんないいことなしの上司の身の回りの世話が仁の仕事だという。しかも、住み込み…?

【ひとこと】(ストーリーの肝の部分は伏せました)
「私に触れたら殺す」
仁は初対面で、乙矢にこう言われます。
BLでは、たまに見かける接触恐怖症という設定。でも、乙矢は桁違いです。

半径1メートル以内には近づかない、何かを手渡すときは一度机の上に置く、常に手袋を着用すること etc. 乙矢に関しては、いろんな掟があるのですが、そんな掟より何より、乙矢本人に問題がありすぎです。
"手袋を嵌めた手で、シッシッと犬でも追い払うかのようにしてやった。もちろんわざとだ"
27歳にもなって、こんな具合なんですから。
乃木坂家の執事・富益さんが、今までに面接した人の数が 100人以上というのもうなづけます。

でも、乙矢は単に冷血というわけではないんですね。
子どもの頃、母から浴びせられた 「汚い」 という言葉を真に受けて、成人した今もそれを引きずっている可哀想な人間なのです。
普通だったら、年を経るごとに心も成長していくのだけれど、なんせ乙矢は他人と接触するのを避けまくってきたため、視野が恐ろしく狭いのだと思います。
だから、どんなに勉強して頭がよくなっても、心は子どものときのままだったのかもしれません。

でも、仁はカラダも心も大きい男でした。
最初こそ、腹を立てたりもしましたが、すぐに乙矢の本質を見抜き、文字どおりカラダを張って乙矢のために尽くします。
仁をイビり、鉄仮面を崩すことのなかった乙矢が、だんだんポロっと本音をこぼすようになっていく… その過程がいいです。

たとえば…
乙矢の接触恐怖症を少しでも和らげようという意図ではじめたチェス、乙矢は仁とのチェスタイムが楽しくてしかたないんです。
もう誰が見てもそんなのバレバレなのに、「楽しかった」とか「ありがとう」とかは口が裂けても言えないので、代わりに「お前は下手すぎるから早くうまくなれ」 って言うの。
つまり、またやろうってことが言いたいのよね。もうかわいい?ひゅ?

そして、ある大事件の後、ふたりのハートは急接近 (←自分で書いてて恥ずかしい) するわけですが、乙矢ってば童話に出てくるわがままなお姫様みたいに豹変してます。仁も、真剣なのか調子に乗ってるのか、すっかり王子様だし…。
これは笑うところなのか、それとも感動するところなのか、榎田さんの淡々とした文章が、私には謎でした (笑)

二人の初エッチはひたすらおかしいです。
私は、まだ寝るのは無理だろうと思ったんですが、意外にも乙矢が乗り気でした。
タイトルの 「執事の特権」 も、仁のほうが要求するのかと思ったのに… (以下省略)

まったく触れていませんが、ビジネスの話も出てきます。というか、もしかしたら、それがメイン?(笑)
でも私には、上品なコメディ小説のように思えました。
(★★★☆☆)


表紙の乙矢は普通ですが、仁と初対面のときの格好はまるで貴公子。
そのイラストと 「純白の手袋は、乙矢の命綱だ」 という文章がおかしくて、電車の中で笑いが止まりませんでした。

読んでくださってありがとう

Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
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