ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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『駆け引きはベッドの上で』 のリンク作品です。ただ、こちらは 『駆け引きは…』 から2年も前の話だそうで、独立した話として読むことができます。


龍を飼う男
ふゆの 仁子 著
竹書房 (2005.10)
ISBN : 4812423538
価格 : \600


【こんな話】
高柳は、アメリカの大手スーパーチェーン "ウェルネスマート" で、アジア圏進出に関する仕事をしている。だが、ウェルネスが香港へ市場を展開しようとしたところ、マフィアが妨害をしかけてきた。
そんなとき、高柳の脳裏に浮かんだのが、大学時代の同級生 ティエン・ライだった。
ティエンが香港に戻っているという情報を得た高柳は、彼のマンションを訪ね 「僕を買ってほしい」 と申し出る。

【ひとこと】
ひとつ腑に落ちないのが、いったい高柳はティエンにどうしてもらいたかったのか、ということ。
確かに、ティエンはマフィア界のNo.1 黎 (ライ) 一族の血を引いているのですが、高柳はそのことについて何も知らなかったんですよね。
それどころか、ティエンについて知っていることといえば 「中国系のアメリカンで、かなりの金持ち」 ということと、それにプラスして、在学中に、銃を発射している彼を目撃した… その程度だったのです。

その状況から、いきなり 「僕を買ってもらいたい」 となるのは、少し強引かなと思いました。
実際、そう言われたティエンも不愉快に… なるのかと思ったら、違いましたねぇ。

ふたりのエッチ ("ティエンの" エッチと言うべき?) は、痛いし染みるし、大変です。
噛んでます、首筋や胸を、血がにじむほど。で、そのあと、鉄の味がするキスをする。うぅ…
で、染みるっていうのは、ウィスキーを頭からかけられちゃうんですが、これはかなり染みそうですよ。もちろんやったことはないですけど。
(余談ですが、このウィスキーのシーンはカラー口絵になってます。最初、ボトルの底が、18禁ゲームの画像処理に見えちゃった私です)

しかし! そんなティエンの鬼畜な行動は、嬉しさの裏返しだったわけです。高柳を苛めながら、心の中では高柳との再会に喜びふるえていたんだと思います。
え、違う? まぁいいや、私はそんなふうに考えました。だって、この小説を、純愛小説にしたかったんだもの。
学生時代、お互いに想いを寄せ合っていたにもかかわらず、結ばれることのなかったふたりの感動の再会! ってね…(笑)

で、話を戻しますが、そうなると、実際の立場は、高柳のほうが上ですよね。
再会したときの高柳の

「君は学生時代 僕のことを好きだったんじゃないのか?」

っていうセリフ。結局はこれが、このふたりを象徴しているような気がします。
というか、象徴してほしい! (笑)

ふたりの想いは、ちょっと質の違うもので、重さでいえば、ティエンの想いのほうがず????っと重たいような気がします。
え、またまた違う? いいのいいの、私はティエンが可愛いくてしかたないんだから。

「エピローグ」 が、微笑ましいです。
ティエン、キミは可愛いよ! でも、ちょっとオバカさんかもね。
(★★★+0.5)


さて、ふたりを見ていて思い出したのが、ミスポリの六条とユキ。
話の途中、ティエンの計画によって、高柳が思わぬ危険な目にあうところがあるんですが、六条だったらゼッタイこんなことしないでしょうね。ユキが傷つけられる可能性のある作戦なんて、とんでもない!

だけど、ティエンと六条でどっちが好きかって言われたら、ティエンなのです。
うまく書けないんだけど、六条にもティエンのもつ、ある意味 「うっかり」 的な部分があればいいのになぁって。
用意周到すぎる六条に、いつも鬱陶しさ?のようなものを感じているせいか、ついつい比較してしまいました。
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私、「このお話は、一応○○の続きということになっていますが、前作を読んでなくても大丈夫です」 っていうの、キライなんです。そう書いてあるのに限って、今までのことが気になってイライラしたりするから。こんなことなら、最初からシリーズだって言ってよ… って、いつも思うのです。
このお話も 『ゆっくり走ろう』 にほんのりリンク。でも、ホントにさりげないリンク。
これだったら、カンちゃんや "もえぎ" のこと知らなくても気にならないよね。

ま、とりあえず、恐るべし、藤井沢商店街 (笑)


歯科医の憂鬱
榎田 尤利著
徳間書店 (2005.8)
ISBN : 4199003606
価格 : \570


【こんな話】
マスクの下の怜悧な美貌に、キツい口調。大の歯医者嫌いの新城穂高 (ほだか) は、担当医師の三和 (みわ) が怖かった。でも、白衣を脱いだ三和は、穂高の知らない別人に!
笑顔を絶やさず、何をされても怒らないなんて、二重人格ってやつ!?
医院の内と外で激変する性格の、どっちが本当の顔なのか、次第に三和から目が離せなくなる穂高だけど!? (カバー裏より)

【ひとこと】
ふふ、カバー裏のあらすじがおもしろかったので、そのまま引っぱらせてもらいました。
"白衣を脱いだ三和は、穂高の知らない別人に" っていうところが笑える。

それにしても、本当に別人でした。
歯科医バージョンの三和も、怖くてイヤだけど、私服のときの 覇気の感じられない三和もなんだかなぁ…。
患者さんには、あんなに厳しくなれるのに、治療を離れると、とたんに自分にも他人にもゆるい人間になってしまうんですよね。
そうならざるを得ない過去があったとはいえ、30歳の大人がこれでは、あまりに痛々しすぎました。

でも、同一人物だって、まったく気がつかなかった穂高もどうなんでしょ。
穂高、いいキャラですねぇ。少女マンガでも、BLマンガでも、こういうキャラは美少女やおじょうさまに弱いのです。コロっといっちゃう。

三和が、友人につきまとわれたり、元カレに狙われたりするたびに、すっごい頑張っちゃってる穂高がかわいくてたまりません。三和も、穂高のこと頼りにする反面、かわいいなぁって思ってたんじゃないかしら。
だって最後に

「頭から食べたくなっちゃうくらい 好きなんです」

って。
へぇ、そんなふうに好きだったんだ?って、私のほうが嬉しくなっちゃいました。
三和は、根っから 「受け身」 って感じなんだけど、穂高のこと、やっぱり年上の視点から見守りたいのかなぁって、ちょっと思いました。

「歯科医の憂鬱」 は、穂高視点。 「歯科医の秘密」 は、三和視点。
このふたつの作品の雰囲気が、ガラっと違うのはさすがです。
「憂鬱」 では、ガンガン攻めてくぜ! の穂高と、やや押され気味の三和。
「秘密」 では、くよくよと悩む三和と、それが伝染ったわけでもないだろうけど、ガラにもなくマジな穂高。
ふたりの黒いとこ白いとこ、ぜんぶ見ることができた気分です。

で。
三和の真の姿は…?
やはり、東郷に、エキスカ (歯をほじくる道具) をつきたてたときの おっかない三和でしょうか。
だったらいいな。
(★★★★☆)


好きなセリフ。
コトの最中、三和が穂高に 「"先生" って呼ばないで」 と頼んだのに対し、穂高が

「なんで。 いいじゃん、なんかいやらしくてさ」

これが最高でした。
穂高にちょっと親近感…

今回は、韓流なんですって v


心の鍵を見つけて
CJ Michalski
ビブロス (2005.9)
ISBN : 4835217993
価格 : \600



【こんな話】
(ネタバレ)
和人は妾の子。
祖父の葬儀で本家を訪れていたところ、事故にあい、大ケガをしてしまう。
しかし、その事故は、腹違いの兄・清人が仕組んだ陰謀で…。
ひとり暮らしの和人の世話をするために住み込みで働くことになった 使用人の東堂は、和人が身につけているペンダント (ちょっと重要なブツ) を狙っていたのだった。

【ひとこと】
腹違いの兄弟、遺産、不治の病…
あとがきによれば、今回はドラマティックを目指したとのことですが、もう笑っちゃうくらいに韓流ドラマなのです。

和人は、Michalski さんお得意の素直でかわいい男の子。
そこへ送り込まれた東堂 (中央メガネ) は、幸か不幸か、こういうタイプが好きだったんですねぇ…
和人が寝ている隙に、首のペンダントを取ろうとしたら、気づかれてしまい、しかたなくキスしてごまかして。
だけど、そこから先は、何がなんだか。ペンダントがほしかったのか、和人がほしかったのか、どっち!?
コトのあと、反省してる東堂さんの表情がいいです?。

さて、清人。お坊ちゃま+病弱キャラといえば、お約束のわがまま男。
和人と和解するよう勧めてくる東堂の横っツラをはり倒したり、お見舞いに訪れた和人に 「出てけーっ!」 って、本を投げつけたり…、まさしく韓流。
でも、本当はさびしがり屋さんなのです。こういうタイプが好きな人には、もうたまらないでしょう (>私)

そんなこんなで清人は、唯一の心のよりどころだった東堂を、和人にとられてしまったわけですが、そこへ後釜を名乗りでたのが主治医で…。
このあたりが、唐突で爆笑でした。↓注: ぜんぶ書いちゃうのでご注意!

だって、お屋敷に引っ越してくると思いましたか? 主治医。
殴られたそばから、土足の足に頬スリスリしちゃって、すっごい危ないよ、こんな医者。
ここだけでも爆笑だったのに、さらにページをめくったら

「愛してる」

だって。
ウソだろ、いつから!? って感じで、きっとみなさんも大笑いしたことと思います。
Michalskiさんの、シリアスの裏で笑わせる技法 (そんなのあるのか) って大好き。
(★★★★☆)

短編の 「ショタリーマン」 も最高でした。
年齢はトップシークレットなんだけど、たぶん10歳前後の部長さんです。
とにかくおかしいです。

賛否両論、あるだろうけど (笑)


たこ焼きはおかずにならないけど、お好み焼きはOKかな。


わけも知らないで
久我有加 著
新書館 (2005.9)
ISBN : 4403521142
価格 : \588


【こんな話】
悪いこと続きでヤケ酒をくらっていた哲哉が、ついからんでしまった男 遠山。
第一印象は最悪だったはずなのに、なぜか気になってしかたがない。
ある晩、哲哉は、雨の中ずぶぬれのままたたずんでいる遠山を見かける。
しかし、どう見ても遠山の様子はおかしく、気になった哲哉は傘を差しかけてやるのだが…

【ひとこと】
東京が舞台。哲哉は、大阪から上京、東京の大学に通う2年生。
学費だけは、親に出してもらっていますが、あとはぜんぶ自分で稼いでいる苦学生です。
そんな哲哉が、ヤケ酒を飲んで愚痴をぶちまけていると、隣には、同じ大学生ながらブランド品に身を包んだ小ぎれいな男が。これが遠山。

普段の哲哉は、泣き言もいわないし、人のことを中傷したりもしない、まっすぐな若者なんですけど、不幸続きでイラついちゃったんでしょうね。遠山に、派手にからんでしまいます。

不愉快そうに軽くあしらう遠山は、一見クールです。だけど、一緒にいる男がど?もあやしい!
そして、遠山はクールでもなんでもなくて、そのあやしい男に弱みを握られてるというか、苛められてるというか、危険な香りが…

この話、このあたりから、とたんに捨て子系の匂いがただよいはじめます。

遠山は、いいとこのお坊ちゃまなのでした。でも、両親の愛には恵まれなくて。
その状況をいいことに、遠山を囲って、いいように手なずけてきたのが 先のあやしい男、元家庭教師の典之 でした。
最初ね、"家庭教師の異常な愛情" てな感じかと思ったんです。でも違った。
愛情なんかこれっぽっちもなくて、遠山んちの金と遠山のカラダだけが目当ての不埒な男でした。

この男が! 一介のサブキャラのくせに 陰湿 陰険 狡猾 偏執… 許せません!
遠山は、この男ナシでは生きられないカラダに作り替えられてしまっていたのです。こう書くと、なんだかヤラしいけど、肉体関係だけじゃなくて精神的にも、です。
ネチネチした感じが、すっごく気持ち悪くて、もう限界でした。

でも、哲哉が一生懸命がんばったおかげで、遠山を縛っていた鎖もだんだんほどけていって、外の世界に出ることができました。
水戸黄門みたいに、スッキリサッパリ一件落着! で、爽快でした。

久我先生の話の好きなところは、 (もう何回も書いてるんですが) ノンケな青年が同性を好きになるまでの過程と、「よし!」 と決心する瞬間っていうのかな、そこです。

今回、遠山のほうは元からゲイ。そして、それを知ってからも哲哉は、ヘンに意識することなく、ただ 「いい友だち」 になってやろうと思い続けていました。
でも、それだけじゃ満足できない自分に気がついて、あれこれ考えて、その結果…
そういう流れが、やっぱり面白かった。ご都合主義じゃなくて、あぁこれなら有り得るなぁって。
これ、大事でしょ? (笑)

続編 「わけを知りながら」 では、再び危険な元カテキョが登場!
もう、勘弁してよ… という感じなのですが、最後はちょっとだけかわいそうです。こっそり、エールを送りたくなってしまった私です… (ダメ男には弱いのだ)
(★★★★☆)


ああ、もう少し遠山について書くべきでした、失敗?
とっても素直で、可愛くて、ほっとけない感じの青年です (とってつけたような説明だ…)

このふたり、貧乏な哲哉のほうが、遠山に貢いでいくような気がします。
遠山は、哲哉の前ではお金つかいたくないんじゃないかな、きっと。

ハイジさんのマンガは、音にしちゃうともったいないのかも。


お世話やきます
佐倉ハイジ 著
コアマガジン (2005.9)
ISBN : 4877348719
価格 : \680


4作品 (6本) 収録。CD付きの限定版も同時発売。

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 お世話やきます
 お世話やきます 2
 (社会人。元・先輩×後輩)
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大好きな後輩 雄一が、地元に戻ってきて嬉しい反面、どうもいいように使われているだけのような気がする手嶋。それでも、かわいい後輩をどうしても放っておけずに、ついつい世話を焼いてしまう…
「いっそ もう 奴隷にでもなるか」 ← このセリフが好き。とっくになってるっつの。
傍から見れば、激しく誘ってる (だけど無意識) 雄一と、それにまったく気がつかないヘタレな手嶋。でも、ふたりとも、今の関係を壊すくらいなら、ずっと片想いのほうがいいやって思ってるところは、同じなんだよね。
ふたりのヘルメット姿がキュート v でした。


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 あまい痛み
 (観光客…じゃないよね×島民)
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休暇で島を訪れた男と、島の住人。ふたりとも、思いっきり挙動不審。
島の人 美浜くんは、無骨で一見攻めキャラっぽいんだけど、中身は乙女。もしかしたら、人嫌いなのかしら。
一方、観光客 (?) 国津は、天然で優しい感じを匂わせておきながら、最後はいきなり積極的でびっくり。なんかエロい人。
ラストのほうの美浜くんは、かわいくてたまらない。


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 愛と笑え (2編)
 (友人同士)
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ヘタレで天然な加尾と、誘い受けになり損ねた襲い受け? もしくはその反対の倉持。
加尾はメガネです。確かにヘタレだけど、私はかなり男前だと思う。この本の中で、いちばん好きだったかな。
倉持は、いろいろと考えているわりには、なかなか行動に移せない奴。照れ隠しのためには威張るしかなくて、加尾の前ではいつも強気。
でも翌朝になるとひとり後悔… ぐるぐるしてます。
加尾のことしか頭にありません、って顔に書いてあるのがイイです。

遠慮してる加尾に、倉持が馬乗りになって詰め寄るところは、ぐっときました。それに対する、加尾の返事もすっごく優しくて、嗚呼 いいマンガ読んだなぁ?って思ったとたん、次のページでガクッと落とされちゃうんだけど (笑) 


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 どうぞ手を。
 (高校生×傷心の年上青年)
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親友に彼女ができて、心にぽっかり穴があいてしまった水野。ひとり訪れたレストランで、ウェイターの野宮と知り合います。大人っぽい野宮に、私はクラッ…
野宮、するどいですね。水野のさびしさをちゃんとわかっていたところに、また私はクラクラッ…
なんとかバトンじゃないですけど、私 「俺じゃダメ?」 ってセリフ、好きかもしれません。

マフラーを返してもらったときの、ふと黄昏れる野宮の顔が面白すぎます。
それにしても、このふたり、ほとんど笑ってませんね。野宮は、一回も笑ってないのでは…

(★★★★☆)


限定版を買ったので、CDも。
私のイメージする雄一は、もう少しカワイイかなぁ。
でもって、手嶋は、もうちょい乾いた感じがよかったかな、と。

私的にいつもヒヤヒヤなT氏のトークですが、今回は (今回も) 面白かったです。


『王子様はポリバケツに乗って』 と同じ、桜花学園が舞台の作品です。
今度は、生徒じゃなくて先生だから 「王様」 なのね。


王様のキスは夜の秘密
夢乃咲実 著
ビブロス (2005.8)
ISBN : 4835217489
価格 : \893


【こんな話】
沢渡は、桜花学園高等部の1年生。
入学早々ケガをして、まるまる一学期を休んでしまったため、友だちもいなければ、構内でも迷子になる始末。
ある晩、ちょっと散歩に出るつもりが、帰る方向がわからなくなってしまった沢渡は、沼に落ちそうになったところを、馬上の騎士に助けてもらう。

その騎士の正体は、生物教師の保科で、生徒からは 「沼の王」 として恐れられ、気味悪がられる存在だった。人を寄せつけない雰囲気の保科だったが、沢渡はそれが真の姿ではないことを知り…

【ひとこと】
夢乃先生、またこんな話… (笑)
一見バカバカしい設定 (失礼) でも、やっぱり面白くて読後感が爽やかなのが、このかたのいいところ。
今回も、いろいろと盛りだくさんで楽しかったです。

ストーリーに関しては、上記あらすじから "推して知るべし" なので、ここではいろいろと思ったことなど…。

まず、主人公の沢渡奈知くん。
この子、偉いなぁと思いました。ずっと休学していたせいで、なかなか友だちもできなくて、ちょっと落ちこんでいるんです。
でも、周りの生徒たちに遠巻きにされても、寮で同室の子に冷たくされても、すっごく前向きなんですよ。ゼッタイ他人を悪く言わないし。
見かけは、気弱ですぐいじけてしまいそうな感じなのに、芯はとっても強くて感心しました。

私自身、転校にあまりいい思い出がないせいか、そんな奈知が好きでした。

そして、その奈知に慰め、勇気づけられるのが、この話の攻め様 "ザ 沼の王" 保科先生です。
最後まで、年齢不詳 (笑) たぶん、フルネームも明かされていなかったのでは… (どこかに書いてあったらごめんなさい)

保科は、カッコいいくせに、突っ込みどころ満載の愛すべきキャラです。
むかし、付き合っていた男に裏切られたせいで、人間不信気味になっているんですが、だからって教師のくせにこんな無愛想なのって…
「俺の気持ちをわかってくれるのは、お前 (=馬) だけさ」 とばかり、夜ごと沼のほとりで物思いに耽ってたりするもんだから、生徒に 「人食い」 なんて噂されてしまいます… (いまの時代、普通いわれない)

でも、たった16歳の少年と出会ったことで、一気に浮上。
保科が奈知に、自分の思いを打ち明けるシーンを読んでいると、なんだかやたら恥ずかしいんです。どうしてこんなに気恥ずかしいのかと考えてみたら… この人のセリフ、まるで恋愛シミュレーションゲーム (乙女ゲー) キャラのラブラブエンディングの雰囲気なんです。
手の届かない、孤高の人といったイメージなのに、実はとっても繊細で乙女な人、保科です。

蛇足ですが、今までは受けだったと思いますよ。

立ち直ってからの保科の甘っぷりがまたすごいです。
終盤は、思わず 「あんた、先生だろう!?」 と突っ込むこと必至。
お楽しみに。
(★★★☆☆)


イジワルな野上先輩が気になったら、ぜひぜひ 『ポリバケツ』 を。
あと、「俺の気持ちをわかってくれるのは…」 のセリフはフィクション (捏造) です。


「純情」シリーズの番外。ミニマムサイズで登場するのは、小学生のウサギさんとヒロさん、美咲です。
ヒロさん好きに、特にオススメ。


4048538764純情ミニマム[ドラマCD付き]
中村 春菊

角川書店
2005-09-01



【マンガ その1】
ちっちゃなウサギさんと、ちっちゃなヒロさんのお話。
ヒロさん視点なので、最初から最後までなんだかせわしないです。

ほんとにね、ヒロさんて子どものときから、ぜんぜん変わってないのね。
落ち着きがないっていうか、常にひとりで自問自答してるっていうか…
そう! 生き急いでる感じ? (笑)
(でも、お坊ちゃま学校の制服姿は、とても可愛い)

そんなふうに、子どものときからまったく変わらないヒロさんとは対照的に、ずいぶん黒ずんでしまったウサギさん…
子どものウサギさんは、天使か、はたまた妖精かという可憐さで、向こうが透けて見えるみたい。
書きためた小説をヒロさんに見られたときの、バツの悪そうな顔… このときの愛らしいウサギさんは、いったいどこへ行ってしまったの?


【マンガ その2】
美咲9歳、孝浩19歳のときのお話。
一生懸命働いて、ときどき失敗して、小さいのに頑張ってる美咲は、いまの美咲とそんなに変わりません。やはり、可愛いのひとこと。。
それと、お兄ちゃん。私、お兄ちゃん好きなので、嬉しかったです。
19歳にしては、怒ったり泣いたりと感情に素直すぎるところがいいです。もっと本編にも、ちょくちょく出てほしいな。



【CDの感想】
このシリーズ、ドラマを聞くのは初めて。

ウサギと美咲
ミニマム本編とちょこっとリンクした小話です。
エッチがないので、ほのぼの?です。あれ、ほのぼのしてるのは、ウサギさんだけか。
ウサギさんは、思ったよりも大人で、色気がありました。
そして、美咲は美咲、そのまんまで。

ちょこっと本編ドラマが聞いてみたくなりました 、危ないっ!

ヒロさんと野分
あはは!
やっぱりヒロさんが、騒々しい (笑)
ヒロさんが実家に帰るのに、野分が着いてくることになって…
野分、これが素なんですよね、ボケてるのでも狙ってるのでもなくて。可愛いわ。
それに、神奈さんの声がピッタリです。

ヒロさんの声は、イトケンちゃん。
この人の声だと、ちょっとエロ過ぎない? と思ったけど、そんなことなかった。
馬鹿っぽくて、とってもよかった (=褒め言葉)

「おまけ」 での、ヒロさんと野分の体温差が面白すぎ。
本っ当、笑った!
(★★★★☆)


本は薄かったけど、コストパフォーマンスは高いかな。


そういえば、このマンガの1巻は 「イケメンたちの明るく楽しい下宿モノ」 と、勝手に勘違いして買ったのでした…
それはさておき、雷蔵くん、頑張ったね。


4403661181是 ─ZE─ 2
志水 ゆき

新書館 ディアプラスコミックス
2005-08-30


今回は、雷蔵と紺がメイン。
「言霊様宣言」 した雷蔵と、紺の距離がぐっと縮まる… というか、ガッチリピッタリくっついちゃうまでのお話です。
(連載は追っかけていないので、トンチキな感想でも許してね)

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近衛たちも、阿沙利たちも、あんなだから、紺たちもなんとなくうまくいくんだと思っていました。
でも、紺には "好き" という感覚がよくわからなかった。
雷蔵にとって、これは寂しいです。
義務とか指命だけで、傍にいたり、寝たりするんじゃ、ちっとも嬉しくないものね。
雷蔵のことだから、紺が "好き" って自覚するまで、ずっと待ってるんだろうなぁと思うと、余計にかわいそうでした。

そして、紺が拉致されるという事件が。
犯人は、紺の本来の 「言霊師」 (の家族)。 紺には、すでに 「言霊師」 がいたのです。
拉致されたとはいえ、紺にとっては、やっと自分が必要とされる場面。
でも、助けてくれと言われても、その人物にはもう血が通ってなくて、紺にはどうしようもありませんでした。

それでも、紺は助けてあげたかったんですよね。
ここの紺が、かわいそうでした。
いつもの、自暴自棄で悪態ばっかりついている紺だったら、「紙」 としての仕事なんて引き受けないか、無表情にさらっと片付けてしまうか、どっちかだったたろうに、すごく悲しそうにしてる紺に泣けました。

そんなとき、紺が思い出すのはやっぱり雷蔵でした。
紺にはわからなかっただけで、たぶん雷蔵が 「言霊様宣言」 したときから (もしかしたら、一緒にTシャツ買いに行ったときくらいから?) 紺は雷蔵のこと好きだったのかもしれません。きっとそう。

雷蔵は、思ったことをぜんぶ言葉にするでしょう?
話は下手くそっぽいけど、相手が 「?」 って顔したら、わかってもらえるまでちゃんと話す。
これって、「言霊師」 の素質じゅうぶんだと思うけど。
いつかはちゃんと 「言霊」 が使えるようになるといいです、そうしたらもっと幸せになれる。

しかし! 心は通い合っても! アッチのほうまではなかなか!
いろいろとおかしかったです。
紺が顔を赤らめるたびに、ページをめくる手が止まる私でした。なんて可愛いんだー!
なんだか言葉づかいも、急に可愛くなっちゃって、ふふ。
welcome には、かなり笑いました…

雷蔵くんの若くて青い感じも、グーです。
トランクス1枚姿なんて、特に。

そして、念願の 「初」 のシーンはというと、とっても綺麗でした。
ふたりの表情がたまんない。
よかったね。


さて、その他の人たち。
和記は、過去に何があったんでしょう。
考えてみれば、この人だけひとりぼっちです。
笑顔の似合う人だけに、悲しいです。
「面倒くさくなってきてさー」 なんて言ってほしくなかった。

近衛と琴葉は、今回は脇。
なんだか近衛だけ、ちっとも 「紙」 っぽくないです。
ほかの 「紙様」 と違って、儚い感じがしない。厚紙? 段ボール?(笑)

そして、阿沙利と彰伊。
彼らが一緒にいると、そこだけ別世界ですね。
結界張られているような…
描き下ろしの最後、意外なくらい穏やかなふたりの表情に大満足。
(★★★★+0.5)


近衛のズボンが…

ネコはどうも苦手です。心の中を見透かされてるような気がして。
この小説、ネコ好きな人なら共感できるのかしら。


運命の猫
火崎 勇著
徳間書店 (2004.4)
ISBN : 4199003037
価格 : \540


【こんな話】
ある晩、グラフィックデザイナーの梁瀬が酔っぱらって帰宅してみると、ドアの前にひとりの青年が立っていた。
「俺、猫だから拾って欲しくて」
飼い主を探していた… という青年に興味をもった梁瀬は、彼にクロと名付け、家に置いてやることにした。
つかず離れずの距離を保っていた梁瀬だったが、日が経つにつれ、クロのことが可愛くてたまらなくなり…

【ひとこと】
ふたりとも変わってる…
まず、この物騒なご時世、見知らぬ人間を部屋に入れたりするでしょうか。
ましてや、「俺、猫だから飼って」 って、そんなアタマがイカれたような人…

ここのやり取りが不思議でなりません。
梁瀬が酔っぱらっていたからなのか、グラフィックデザイナーならではの感性なのか、ズレまくった会話はスムーズに進み、トントン拍子で話が決まってしまいます。

名誉のために言うが ウリだったら尻を叩いて追い出しただろう (by 梁瀬)

なんで!? ウリじゃなくても、猫を騙ってる時点で追い出すでしょう、普通。
だいいち、売り目当ての青年がこんなところに来ませんよ。
しかも翌朝、素面に戻っていたにもかかわらず、青年に 「クロ」 と名を付ける梁瀬…。
ホントにわからない。

ネコって、こんな感じなんでしょうか。
かまわずにいればすり寄ってくるし、かといって、こちらから歩み寄ると逃げていってしまうし。
なーんかつまらないんです。話が、じゃなくて、ふたりの関係が。

梁瀬がだんだんとクロから目が離せなくなって、ついに手を出してしまうまでの過程に、愛とか なんかこう温かいものがまったく感じられないんですよ。

クロが、梁瀬のことを知り尽くしたうえで近づいているから、しかたないのかもしれませんね。

ところが、ある事件が勃発、素性を知られたくないクロは家を出てしまいます。
少し前に読んだ 『小説家は懺悔する (菱沢九月 著)』 にも、同居していた青年がいなくなって 残された小説家が身も心もボロボロになるシーンがあるのですが、梁瀬にも、もっと荒れてほしかったなぁ。
友達の柴崎にまかせっきりにしないで、日本全国クロを探し歩いてほしかったし、アツくなってほしかった。

結局。
そんな梁瀬の、気性は激しいくせに今ひとつ熱が足りないキャラが禍して、クロに不安を抱かせてしまったわけですが、平たく言ってしまえば

ちゃんと言葉で 「愛してる」 って 言ってほしかった (by クロ改め美春)

だけなのでした。
ここ、引っかかりませんか。
だって、クロは猫だったんですもん。
梁瀬だって、心惹かれながらも、本当に心を許していいのかという葛藤でいっぱいだったと思います。
それでも、ちゃんと 「好き」 って何回か言ってるんですよ。
なのに今さら 「愛してる」 って言ってくれなかったから… ってなじられても、梁瀬が気の毒でした。

そして。
やっと、猫としてではなく、ちゃんと恋人として、梁瀬のところに戻ってきたクロ。
だけど、呼び名はずっとクロなんでしょうね。

やっぱり変わってる… (笑)
(★★★☆☆)




外見はクマ! ってあったけど、そこまでじゃないと思う…


ミスター・ロマンチストの恋
砂原 糖子 著
オークラ出版 (2002.6)
ISBN : 4872789733
価格 : \880


【こんな話】
生徒会長の千野は、背が高くて カッコよくて スポーツ万能で もちろん勉強もできるから 女子にも大人気。
でも、本人にしてみれば、そんなこと嬉しくもなんともないどころか、むしろ迷惑で…
なぜなら、彼は一年年下の有坂くんに恋心を抱いている とっても乙女な男の子だったのですv

【ひとこと】
なんといっても、千野くんの乙女っぷり (&ドジっぷり)です! 想像をはるかに超えていました。

少女マンガが好きだったり、占いの結果を気にしたり、書いたはいいけど渡せずじまいのラブレターを大事にしていたり…、ここまで来るとちょっと気持ち悪い? と思ってしまうのですが、些細なことで胸を痛める千野くんがなんだか不憫で、応援せずにはいられません。

この話は、有坂くんが優しい男の子でよかった! これに尽きます。
もし、有坂くんがイヤな奴だったら、学校中に千野の正体をバラしちゃったかもしれません。そんなことになったら、千野は自殺しちゃったのでは!?

だけど、千野が、どんなに女々しくても、夢見る夢子ちゃんみたいでも、有坂くんはいつもイヤな顔ひとつしないで (驚いてはいたけど) 「そうだね、千野さん」 って。ああ、優しいなぁ?

私が好きなのは、初詣に行くところ。
"カップルで渡ると破局が訪れる" といわれる橋を、有坂くんが渡ろうとしたのを見て、千野はもう大パニック!
ここがかわいいの!
いまどき、女の子でもそんなジンクス、小馬鹿にしてそうなのに。

そんな千野だから、初エッチもハズしまくりです。
さすがの有坂くんも怒るかな? と思ったけど、やっぱり怒らなかった。
とってもとっても仲良しなふたりなのでした。
(★★★★☆)


千野の親友 朋巳の心中やいかに。
やっぱり、少しは嫉妬してるよね。
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