ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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ルチル文庫の 1-1。じゃ、1-2はどれなんだろうと見てみたら、今月発売になった5冊はぜんぶ 1-1なんですね。そういうものなのか?。


駆け引きのレシピ
和泉 桂
幻冬舎コミックス (2005.5)
ISBN : 4344805674
価格 : \560



【こんな話】
高橋若菜は、将来カフェ開業を志す19歳。現在は、大学を休学して、カフェでアルバイトをしている。ある日、接客上のトラブルがきっかけで、藍原という男に出会った若菜だが、何度か会ううちに 「偽装恋人になってほしい」 と頼まれる。

【ひとこと】
藍原は、デパ地下のバイヤー。よいお店を見つけ出して、誘致するのが仕事です。
綺麗な藍原と "デパート" という言葉がなんだかミスマッチなんですが、それがまた意外で魅力的でした。
そんな藍原はゲイで、くたびれた感じの中年男性が好みなんだそうです。そういうタイプを見ると、ぎゅっと抱きしめて守ってあげたくなる… とか語り出すもんだから、私はすっかりそっちに気持ちがいってしまって…(笑) 藍原と中年男性との、ちょっとしたエピソードでも交えてくれたら、この妄想もおさまったんですけど、なんの言及もなくて残念でした。

さて、結婚しろとうるさい、藍原の実家を黙らせるために、若菜は偽装恋人を頼まれるんですが、
「僕の守備範囲から完全に外れているから、うっかり好きになってしまう心配がない」って、ちょっと無神経じゃないですか。
もう少し、何か言い方があるんじゃないかと思いました。
もちろん、藍原は若菜を安心させたかったんだけど、やっぱり、いい気持ちはしませんよね。
でも、そこで若菜がハッキリ「傷ついた」と言ってくれたので、安心しました。
この場面に限らず、若菜ってすごく真っ直ぐで、思ってることをちゃんと言える青年なんです。この子のおかげで、ちょっとウジウジしてる藍原との物語が、爽やか風味になっているのかもしれません。

そして。
最初は偽装のつもりでも、やっぱり人間だから、情も移っていきます。
若菜は、今から思えば一目惚れみたいなもんだからおいといて、と。
藍原は、自分は中年しか好きにならないはずなのに… と少し葛藤に悩まされることになるんですよね。そんなの、ウジウジ悩むな!
これには彼の過去が深く関係していて "若菜と出会ったから、その過去が吹っ切れた" という感じに描かれています。でも! 私は単に「情が移った」と思ってます(笑) 愛に理屈はいらないんだよ。

一切ふれていませんが、脇キャラもイイ感じです(とってつけたように… すみません)
(★★★+0.5)


ところで、藍原って中年男性と付き合ってたときも、攻めだったんでしょうか。違うと思いませんか。
あんまりおとなしい話なんで、そんなことばっかり考えてました、ホントにもう。
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蛇口をひねると、水の代わりに虫が出てくる… もうずいぶん前の話ですが、知り合いが赴任した国は、そんなところだったそうです。

外交官の恋のお相手
森本 あき著
リーフ出版 (2005.5)
ISBN : 443405838X
価格 : \893


【こんな話】
外務省に入って早々、上司の機嫌をそこねた桧山 鈴(りん)は、中東の名もない国にとばされてしまった。暑いし、仕事はろくにないし、いくら日本が恋しくても帰れない。落ち込む鈴だったが、ある日、職場に日本語を話す青年が訪ねてくる。久しぶりの日本語に、鈴は大興奮。しかし、男は記憶喪失だった。鈴は彼を竜馬と名付け、家に置いてあげることにしたのだが…。

【ひとこと】
鈴がとばされた国は、日本とはまだ国交がないところ。仕事は、国王に「ぜひとも我が国と国交を結びませんか」 と、ご機嫌伺いに行くくらいのものです。同僚も現地職員もいないんだから、日本語どころか英語でだって喋る機会がないかもしれません。出張だったらまだしも、いつ帰れるかもわからない、ひょっとしたら定年までここにいなくちゃならない、となったら、もう気が狂ってしまうかも。
上司を怒らせて、たった3日後に辞令が下るとは思いませんが、こういうことってきっとあるんでしょうねぇ。怖い。

実は、この話、ネタバレなしでは何も書けません。
でも、中東の国+記憶喪失の人… と来たら、なんとな?く分かっちゃいますよね。まぁ、そんな話です(笑)

(以下ネタバレ 空欄は反転)

記憶喪失の男・竜馬は、その国の第13皇子だったのでした。
でも、分かっちゃいますよね、なんて書いときながら、私は竜馬が記憶喪失のふりをしてるとは思いませんでした。本当に記憶を失っていて、ある日記憶が戻ってひとまず宮殿へ戻って、そのあとでちゃんとまた鈴を迎えに来てくれるのかなぁ、なんて予想してました。

鈴が赴任してきたとき、車から降りてきた鈴があんまりかわいいので、竜馬は部屋に逃げ帰っちゃったんだそうです。かわいすぎてビックリしたってこと? ちょっと不可解ですけど、このエピソードは気に入ってます。そして、そのあと半年も、物陰から鈴のことを見て、チャンスを狙っていたなんて、いかにもお坊ちゃまぽくて、そこも好きです。
(★★★☆☆)
つづきを表示

舞台の上から告白… そんな王道的結末を期待してたんだけど(笑)

傲慢な愛は台詞にのせて
いおか いつき
プランタン出版 (2005.5)
ISBN : 4829622849
価格 : \560


【こんな話】
亮は、ずっと憧れていた人気俳優・高岡大志の舞台脚本を書くことに。しかし、大志の強い視線に戸惑った様子が "誘ってる" と誤解され、濃厚なキスをされてしまって…(カバー裏より抜粋)

【ひとこと】
結城亮は、脚本家のタマゴ。新鋭劇団で演出家をつとめる兄・秋司の下で、助手として働いています。
秋司は、亮の自慢のお兄さんで、その逆もまたしかり。この話もそんなふたりの描写から始まり、秋司が亮に、次の芝居の脚本を書いてみないか、と持ちかけるシーンへとつながります。
そのせいか、カバー裏で 「傲慢な俳優×ウブな脚本家の…」 と見ていたにもかかわらず、ああ兄弟モノだったんだ! とひとり合点したまま読み始めることになりました(笑)
(p.25のイラストを見るまで、てっきり表紙で抱き合ってるのは秋司と亮だと思ってた)

さて、美形の仲良し兄弟に、俳優が絡んできて、どんな嫉妬劇が繰り広げられるのかとドキドキしていたら、意外におとなしい一本筋のストーリーです。
もっと秋司が、オレの弟に何をする!てなタイプだと思っていたんです。でも、それどころか亮と大志の仲を応援していましたもんね。
なのに、大志の傲慢なアプローチに、亮がなかなかなびかなかったのは、"大志のように別世界に住む人間に、俺なんか相手にしてもらえるわけがない" という気後れが大きな原因だったわけですが…

…それにしては、亮の行動にどうしてもわかんなかったところが。
屋上でパンを食べている亮のところに、大志が来てキスするシーン。ここの亮って、なんでこんなに可愛いのよ。自分から、背中に手を回したりして、最初酔っぱらってるのかと思いましたよー。
ちょっと意気消沈していた自分を、探しにきてくれて嬉しかったのはわかるんだけど、どうも納得いかないなぁ。だって、この寸前まではこんなに素直じゃなかったし、このあともまた元の頑なな亮に戻っちゃったでしょう? うーん。
といいつつ、実はこのあたりは結構好きで何度も読み返していたりします。そして、いつまでもこだわり続ける私です。
(★★★☆☆)

女優のひびきさんがイイ。話の進行上、いいように使われて終わっちゃったのが残念です。
あとは廉くん。亮は、大志のことを兄にも話さずに悶々としてたけど、廉くんに相談したらよかったのにな。

今年初めに刊行された 『歪んだ熱』 の続編です。
でも、どこにもそう書いてないんです。花丸文庫のHPにも、カバー裏のあらすじにも、先生のあとがきにすら! 謎です…
前作のあらすじと感想はこちらにあります。よろしければどうぞ


甘やかな背徳
金沢有倖
白泉社 (2005.5)



【こんな話】
大恩人の青年実業家・八貴 竣(やつき しゅん)から愛人関係を強要され、一度は逃げた探偵事務所の仮所長・土師 巴(はにし ともえ)。再会した二人はお互いの気持ちを確かめ合って恋人同士に。だが、妙に男受けがいい巴に、八貴はますます独占欲を深め、巴はそんな八貴に反発を覚える。(カバー裏より)

【ひとこと】
あれ? 巴って、こんなに八貴のこと愛してたっけ? それが、第一印象。
1作目を読んだときは、なんだか物足りなかったんですよ。八貴は巴を束縛するばっかりだし、巴はそれをイヤがってるのかポーズなのかわからないし。
でも、この続編で、ちゃんと巴の気持ちを知ることができました。流されてるだけじゃなくて、ちゃんと八貴のことわかろうとしていたんですね。安心しました。
それに、私のお気に入り・バイトの龍之介くんや八貴の部下・石岡さんをはじめとする脇キャラも、出ずっぱりで大暴れ(?)していて、とっても楽しく読めました。

さて今回は、巴も頑張って仕事しているのですが、調査ターゲットがホスト時代の先輩だったことから、話がややこしくなっていきます。いろいろな人が絡んでくるけれど、みんな巴のことが大好きで、ちょっとズレた人ばかり。あの石岡さんまで、巴のことが好きになっちゃったとはね…。石岡さん、イイ味だしてます。
巴のピンチに、八貴が駆けつけるのは毎度のこと。でも、1作目の巴は、八貴がストーカーみたいに出没するのを本気でイヤがってるように見えたんだけど、ちょっと反応が変わったような気がします。いきなり八貴が出てきても、驚きはするけどイヤがってないみたい。
私、実は八貴のことがよくわからないんです。何を考えているのか、とか、なんで巴のことそんなに好きなのか、とか。だから、ふたりのこと、あんまり祝福する気になれないのが困ります(笑)

そういえば、少しショックだったことが。
巴が龍之介のこと、"雑魚" って言ってるんです。それも、今回の最低&最悪キャラを引き合いに出して「どちらも雑魚だが…」 って一括りにしちゃってる…。
そんなに龍之介ってダメですか? 変人なのは、八貴も同じなのに、どうしてそんなに邪険にするんだろう。あんなにいい子なのに。
もし、また続編が出るなら、せめて龍之介のこと、もう殴ったり蹴ったりしないでほしいです。
(★★★+0.5)

脇キャラがとっても気になるお話でした。


朝を待つあいだに
坂井 朱生
幻冬舎コミックス (2005.5)



【こんな話】
高校生の実友(みとも)は、単身赴任中の父と離れ、マンションでひとり暮らしを送っていた。
ある日、鍵をなくした実友は、ベランダから渡らせてもらおうと、隣人・桐沢の帰りを待つことにした。
しかし、帰宅した桐沢は、実友を部屋に上げ、鍵屋の手配までしてくれるという。桐沢は、防犯会社の副社長だったのだ。

【ひとこと】
小さい頃に母をなくし、父親とあまり折り合いがよくないまま、別々に暮らすことになった実友。彼は、とても寂しい思いをしてきているんですが、その自覚も薄れてしまうほど、乾いた生活を送ってきた青年です。
だから、人に優しくしてもらって、とっても心地よいのに、その心地よさに身をまかせることができず、遠慮したりぎこちない態度をとってしまいます。
でも、そんな実友の心のうちを、大人の桐沢はちゃんとわかってくれます。これがよかった。
桐沢は、どうも "悪い奴" という設定らしいのですが、私にはそうは思えませんでした。優しいし、責任感もあるし、少々の下心やスケベな部分は、30にもなればしかたないのかと。

さて、冒頭にも書いたのですが、この話に出てくる脇キャラの存在感が中途半端に大きくて、読みながら気になってしかたありませんでした。

・鍵を開けに来てくれた桐沢の同僚・天城
・同じく防犯会社の同僚・支倉
・実友のクラスメイト・矢上くん
・父の友人・斉木さん

まず、天城が実友の部屋に住むことになったのに、少しびっくりしました。実友のことを可愛がる様子は、いかにも特別な好意を寄せているように見えたんだけど、実際はどうだったんでしょうか。いちばん気になった人です。
支倉は、挿絵でも登場して、それなりに面白い会話も交わしてるものの、ほとんどストーリーに絡んで来ないんですよね。ちょっとイライラしました。
で、矢上くん。出番は一瞬です、ほんの一瞬。でも、とっても楽しそうな子。一度くらい、実友の家に遊びに行くシーンなんかがあっても面白かったような気がします。桐沢が見たら、きっと妬いただろうなぁ(すごく面白そう)。
そして、最後の斉木さんなんですが…

斉木さんが、最後の最後になって実友を訪ねてくるのですが、ここがあまりにも唐突で 「あなた誰でしたっけ」的な雰囲気なのです。実友と父親との関係は、もう十分に語られているし、このまま疎遠のままでも特に気にならなかったと思います。
でも、実友にとってはこのほうがよかったんですよね。父親が自分に対して決して無関心でなかったことがわかって、これからはもっと自分の感情に素直になれるのかもしれません。

カテゴライズするなら、私の好きな 準捨て子系でしょうか。さらっといい気分で読めました。
優しい感じの話ですが、ひとつひとつのHシーンは長いです(笑)
(★★★★☆)

隣人もので思い出すのが、『となりのベッドで眠らせて』(鹿住槇)。
ひとり暮らしの主人公(高校生)と、隣りに住むことになった大学生(主人公の元カレの友人)の話なんですが、とっても好きな本です。そういえば、桐沢とこの大学生はちょっと似たタイプかも。
あとは、ボーイズラブじゃないけど、『I LOVE HER』(いくえみ綾)。
隣りに住んでる、自分の学校の先生に恋しちゃう女の子の話で、ご都合主義じゃない人間の素の部分が描かれている素敵なマンガです。


カバーをはずしたときの装丁は、ルビー文庫がいちばん好き。このルチル文庫も優しい感じでいいですね。


恋情のキズあと
きたざわ 尋子
幻冬舎コミックス (2005.5)
ISBN : 4344805682
価格 : \560



【こんな話】
5年ぶりの休暇を過ごすため、別荘へと向かっていた大企業の後継者・谷城(やしろ)貴臣は、記憶喪失の少年・唯を拾い、ふたりきりで過ごすことに。
その夜、夢遊病のように貴臣のベッドに近づいた唯は、服を脱ぎ捨て、貴臣に抱きつきキスを。しかし唯は翌日何も覚えていなかった。(カバー裏より)

【ひとこと】
唯に出会う前の貴臣って、いったいどんな生活を送っていたんでしょう。楽しいことって、あったんでしょうか。
会長である祖父に後継者として育てられ、若くして重役に就任。夢も希望もなく、ただ目の前に敷かれたレールを歩くだけ。
自分で "望みか目的があれば、自分は動き出せるかも" なんて言ってるくらいだから、自分の意志で行動したこともなかったのかもしれません。

そんな貴臣の前に、記憶喪失の少年・唯が現れます。
こういった不慮のできごとへの対処方法は、じゅうぶんにたたき込まれていたはずなのに、貴臣は唯のことを放り出せませんでした。これって、唯のことを守ってあげたい、可愛がってあげたいという気持ちよりも、貴臣自身が人に飢えていたんじゃないかと思います。母親を亡くしてから、人との温かいふれあいなんて、きっとなかったでしょうから。
人間関係なんて煩わしいだけの貴臣にとって、唯が記憶喪失なのも、かえって居心地よかったのかもしれませんね。

いっぽう唯は、"血も涙もない極悪人" の貴臣を陥れるために送り込まれたものの、実際の貴臣が優しくて穏やかだから、すっかり調子が狂ってしまいます。そして、だんだん貴臣に惹かれていきます。唯も貴臣と同じで、両親を亡くして寂しい思いをしていたせいで、人の温もりが恋しかったんですね。
ふたりとも、久しぶりに(貴臣は18年ぶり?)安らげる場所とよきパートナーに巡り会えたわけです。

でも、貴臣。
女にも男にも不自由してなかった…というわりには、激しくやりまくってるんですよね。なんか、今までの愛のなかったセックスの分を取り返してやる!といった気迫というか執念のようなものを垣間見ました。

ちょっと拍子抜けしてしまったのは、あまりにもあっさりと片が付いてしまったこと。
唯がさらわれるとか、実は涼子が犯人とぐるだったとか、唯は貴臣の腹違いの弟だったとか…(笑)もう一波乱あってもよかったような気がします。優秀な貴臣のことだから、さらっと片づけてしまったんでしょうが、実の父との会話もあれで終わりだったし、肝心の会長も出てこなかったし、もう少し唯のために苦労するところが見たかったです。
(★★★☆☆)

表紙のイラストを見たときは、40男と中学生か?と心配しましたが、適度な年の差でひと安心。
ところで、早坂と和倉の共同生活って、覗いてみたくないですか?


どうしようもない子なのかもしれないけど、私には真似できないくらい優しいところもある少年たちなのです。


のらいぬ
菱沢 九月
大洋図書 (2004.10)
ISBN : 4813010369
価格 : \903



【こんな話】
高校生の岩浅(いわさ)には高津(こうづ)という幼なじみがいる。女に優しい女嫌いで、暴れだすと手がつけられなくて、岩浅以外の誰にも懐かない。飼い慣らすのは面倒臭いが、高津は岩浅に忠実を誓っている可愛い犬だ。幼い頃から一緒の時間を過ごし、いつの間にか身体を重ねるようになっていたふたりだが、愛だとか恋だとか、そんなことは考えたこともなかった…。
(カバー裏より抜粋)

【ひとこと】
岩浅と高津は、友だちというよりは、きょうだいといったほうが近いと思います。
ともに、暖かい家庭には恵まれていないのですが、岩浅はそれが吹っ切れているのに対し、高津は内に内にためてしまっています。だから、岩浅の悪行は、実にカラっとしているのだけど、高津はどこか陰湿で、破壊的です。
殴って蹴って相手が動けなくなっても、まだ骨を折ろうとする高津、そして、そんな彼を止めるでも、焚きつけるでもなく、かといって加勢するわけでもなく、岩浅はいつも傍で見ているんです。
どこか乾いた関係なんだけれど、誰よりもしっかりと結ばれている…、だから "きょうだい" のほうが近いかな、と。

でも、そんな血も涙もないように見えるふたりの交わす会話が、とても優しい。
言葉は乱暴だけど、嘘がなくて、特に岩浅が高津のことを大事にしてるのがよくわかります。
高津の母親が入院したとき、高津は母の髪の毛を三つ編みしてやるんです。そして、死ね、とさえ思ったこともある母に 「可愛くなったで」 と声をかけてあげます。
さらに、お見舞いから帰るときに、母の手を握って 「またの(また来る)」 って。
いまどきの高校生の男の子で、母親の手を握って、嘘でもそんな優しい言葉をかけてあげられる子って何人くらいいると思いますか。
ね、ふたりはとっても優しいのです。

だけど、高津には敵が多すぎました。その敵は、どんどん増えて、集団で高津を狙うようになります。
用心などするはずもない高津が、あまりにもあっさりやられてしまったのには少し驚きました。バーで岩浅と交わした会話で、少しまいっていたのかな。ちょっと来い、と言われて、着いていってしまった高津には、もうなんと言ったらいいのか…

岩浅と高津のあいだにあるのは、果たして愛なんでしょうか。
最初、カラダの関係はなくてもいいのでは、と思いました。でも、岩浅と高津は、これ以上深く係われないというところまで、深く深く繋がらなければならないのかもしれません。
でないと、二十歳の誕生日も迎えられないまま、地獄へ落ちて行ってしまうような気がしませんか。
(★★★★+0.5)


この話を映像で見せられたら怖いだろうなぁ。
でも、読んでるぶんには、少年たちが可愛くて悲しいだけでした。

高校のとき、私はある部のマネージャーをしていました。毎日のように部室でミーティングしたり、バカ話をしたりしましたが、ときどき異様な熱気というか、臭気(笑)に耐えられなくなることがありました。
ロッカーに微エロなポスターが貼ってあったり、中途半端なエロ雑誌が落ちてたりして、そういうのを見るたびに 「やぁね」 なんて思っていた私は、なんて純粋だったんでしょうか。
今はこんなもん書いてます…


ハチミツ浸透圧
崎谷 はるひ
角川書店 (2005.5)
ISBN : 4044468095
価格 : \540


【こんな話】
宇佐見は、同級生の矢野(以下トモ)が気になってしかたなかった。
優秀で真面目で、剣道に打ち込んでいるトモと、気楽に遊んで適当な高校生活をおくっている自分とは、ずいぶんと距離があったが、それでも中学時代は一緒にいることも多かった。そして、一度だけキスしたこともあるのだった。軽い気持ちでやったことなのに、それ以来、宇佐見はトモを意識するようになり、現在に至っている。
ある日、トモが女の子から告白されたという噂を聞き、ショックを受ける宇佐見だったが、トモが家までやってきて…。

【ひとこと】
ちゃらんぽらんやって、遊び慣れてるくせに、実はとっても気弱で寂しがりやで乙女思考の宇佐見。
カタブツでエッチなことなんてこれっぽっちも考えてなさそうなのに、究極のムッツリスケベなトモ。
それぞれに悩んで悩んで悩みまくっているんだけど、私は宇佐見が気の毒でしかたありませんでした。

宇佐見くん。
学校の先輩とエッチしても、無意識にトモのことを考えていて、ひとりエッチするときもそれは同じで、そのたびに心の中で 「トモ、ごめんね」 って謝ってる。トモが告白されたと聞けば、お風呂で大泣きしちゃうし、想いが通じたら通じたで、今度はトモに気をつかってひとり合点して 「ごめんね、しつこくして」 なんて身を引こうとしてる。なんてかわいそうなの。
でも、同情しながらも、どこか滑稽に思えるのは、私がイイ大人になってしまったからです。ちょっと寂しい。

そして、トモ。
経験なんて要らないんですね、こういうのって。さんざん宇佐見に寂しい思いをさせておいて "顔に出ないだけでオレはエッチだ" って、そんな真剣に言われても(笑)
宇佐見だからいいけど、普通の女の子だったら引くでしょ、あまりの変貌ぶりに。
でも、トモはトモなりに、自分は経験不足だからと、宇佐見に引け目を感じて悩んでる。それだけエッチだったら、なんの心配も要らないのにね、若いから悩むのです。いいな、若いって。

イチャイチャしてるシーンが、ベッタベタに濃いので、純情パートの記憶が頭の片隅に追いやられちゃったのですが、宇佐見の回想にのせて、彼のせつない心の内も細やかに描かれています。遠くからトモを見つめて、あれこれ考える様子は、かなり少女っぽくて、自分の学生時代を思い出したりもしました。
(★★★★☆)

表紙のトモ、胴着を着てるんだ?といま気づく。
"帰宅後、着替える間も惜しんで、英単語覚えたり、こんなことしてる…の図" だったんですね。

癒されました。いいお話でした。


ダブル・ベッド
吉田 ナツ著
ビブロス (2005.4)
ISBN : 4835217268
価格 : \893



【こんな話】
ある日、設計事務所の営業を務める佐伯(攻)が、恋人の実里の部屋を訪れると、鍵が取り替えられていた。と同時に、もう会わないという内容のメールが届く。
実里は、新人の設計士。入社早々、付き合うことになったのだが、佐伯が今までに付き合ったことのないタイプのせいか、どうもうまくいかない。今回も、何か誤解が生じているらしいのだが…

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ダブル・ベッド (佐伯視点)
アイム・ホーム (実里視点) の2編収録


【ひとこと】
ちょっと一晩…と思っただけなのに、佐伯はどっぷりと実里にハマってしまいます。女はもちろん、男にも慣れてる、百戦錬磨の佐伯が翻弄されてしまうわけですが、別に実里は「魔性の女」タイプではありません。それどころか、儚げな美青年で、佐伯の言うことはなんでも聞くし、自分から何かを要求したりしない、やまとなでしこといった雰囲気なのです。

本のタイトルにも関係してくるのですが、実里の部屋のベッドは小さくて、ふたりでは眠れません。だから、佐伯がベッドに寝て、実里はリビングのソファに寝るんです。それを読んで、さぞかし佐伯は不安だっただろうなぁって。それでなくても、朝起きたら消えていなくなっていそうなんですよ、実里って。なのに、別の部屋で眠るなんて。
なんだか、鶴の恩返しの鶴みたいじゃないですか、「決してリビングを覗かないでください」 みたいな…

それにしても、佐伯はなんて素敵なんでしょう。
なんでも自分の言いなりになる実里に、苛つきながらも、すっごく辛抱しています。それにね、言葉が優しいんです。いちばん最初、お酒の席で実里を誘うときに、
「じゃあさ、今日はちょっと遅くなろうか、一緒に」
って言うんですけど、このセリフがね?。特に、色っぽくもなんともないけど、好きなんです。

そして、ある出来事を機に、従順だった実里にも少し変化が訪れます。
でも、修羅場といってもいい展開なのに、優しい態度を変えない佐伯に私がもうメロメロでした(笑)

続編の「アイム・ホーム」も、穏やかでいいお話です。
実里は、小さい頃に両親を亡くし、叔父に育てられたのですが、その叔父との再会を交えながら、実里の過去に触れています。
子どもの頃、暖かい家庭に憧れていた実里は、いつも理想の間取りを書いて遊んでいたんだそうです。それで、大人になって設計士に。このエピソードがいいなと思いました。

(★★★★+0.5)

佐伯と実里のやりとりに和みました。

本郷くんはますます変わり者に、小川くんは、可憐(?)に。


思い知れ。
佐倉 ハイジ
角川書店 (2005.2)
ISBN : 4048538152
価格 : \588


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知る思い。
思い知れ。(2話)
思い知れ。?帰り道はルーズ?
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『感応喫茶店』に入っていた、同タイトル作品の続き。感想はこちら
本郷が卒業して、東京の大学に行ってしまいます。こういう別れって、新しい生活を始めるほうはいいけど、残されて同じような日常を送らなければいけないほうは寂しいばかりですよね。というわけで、まったく連絡をよこさない本郷と、ちょっと寂しげな小川なのでした。寂しい毎日が、彼を変えてしまったのか、「本郷に会いたい」病にかかってしまう小川です。
でも、音信不通の本郷も、別に他意はなく、ただなんにも考えていないだけで、会えばとっても優しいのです。
「……ごめん」 は素敵なひとコマでした。

でも、やっぱりヘンだな、本郷は。
その後、小川も東京に行くことになるのですが、近くなったら近くなったで、また本郷に振り回されてしまいます。あれこれ気を揉んでしょげる小川くんが、いじらしいです。
小川が、初めて合い鍵を使って、本郷の部屋を訪ねるところが、とても好きです。
「……やっと来た」 って。
でも、その余韻にひたる間もなく、本郷の友人が乱入してきて台無しに(笑)
そういうのが、このかたのマンガのいいところ。

社会人になってからの小川くんは、本郷をこんなに好きになってしまった自分に、ちょっと抵抗したりもするけれど、やっぱり…ね。
でも、な?んか、こうしてすべてを振り返ってみると、小川くんだけが苦労してる気がするわ。

たっぷり読めて、大満足でした。お幸せにね。


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芽吹くみどりに?前編?
芽吹くみどりに?後編
芽吹くみどりに?引っ越し編?
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設計事務所の上司×従業員。
上司の雑賀さんは、頼りになるんだか、ならないんだか、よくわからない、ゆるい雰囲気の人。おそらく、六葉くんのことが可愛くてたまらないんだと思います。だけど、もっと態度や言葉に表してくれないと、六葉くんだって部下なんだから、どう振る舞ったらいいのかわからないじゃないの。
でも、最後まで読むと、雑賀さんのほうも、六葉に同じことを思ってたみたいです。
これからは、六葉くんのほうがリードしていきそうかな。

(★★★★☆)

最近刊行された、「思い知れ。」の最初のお話が収録されています。
ニワトリを絞める高校生です。


感応喫茶店
佐倉 ハイジ
角川書店 (2004.3)
ISBN : 4048537385
価格 : \588


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感応喫茶店 其ノ一
感応喫茶店 其ノ二
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元職場の後輩×先輩。
会社を辞めて、喫茶店で働き始めた久原と、いつも閉店間際に訪れる、後輩の藤波。
お互いの気持ちはわかっているんだけれど、けん制しあっています。
久原は、ちょっと臆病でなかなか一歩踏み出せないタイプかな。
そして、藤波。きれいな顔して、普段は礼儀正しいんだけど、かなり抑えているみたいで、いきなり突飛な行動に出るのが笑えました。先輩のところに、居候しにやってきた友だちを、邪魔だからって、外に締め出して鍵かけちゃうところが好き。

またこの "友だち" が、締め出したくなるくらいヘンな人なんです(笑)


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思い知れ。
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高校の寮で同室 先輩 本郷×後輩 小川。
本郷は3年で、小川は2年ですが、ふたりの関係はいたって対等。小川も「本郷」って呼び捨てです。
本郷は、学校で飼ってるニワトリを食べようとしたりで、わからないヤツなんですが、小川のことが好きになってしまったようで、いろいろとかまったり、世話を焼いたり。最初は鬱陶しがっていた小川も、だんだん本郷なしではいられなくなっていって、そういう関係になってしまうという話です。

つかみどころのない変人 本郷も、最後まで読むと、普通に純な高校生なのかな、ちょっとほのぼの。ふたりとも、可愛い。
(この続編が、「思い知れ。」というタイトルのコミックスに)


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ちなみに僕は
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大学の友人同士。
お調子者の崎戸くん(攻)と、ちょっと醒めた感じの小川くんの関係は、みんなには内緒。崎戸くんは、小川くんへの愛情を 好き!好き!って垂れ流し状態なんだけど、小川くんのほうはいまひとつ自分の気持ちに整理がつかなくて悩みます。でも、やっぱりよくよく考えてみれば…。

崎戸くんは、誤解されやすいタイプかな、でもと?ってもいい子なんですよ。


+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+
夜にむすぶ
夜につなぐ
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社会人× 大学生。←お互いの親が愛人同士。
東京の大学に進学するのを機に、金井のところに居候することとなった末(すえ)。末は金井のことが好きだけれど、金井の気持ちがよくわからない。というより、嫌われてるような気もする。しかし、金井は金井なりに、いろいろと考えるところがあっただけで、末のことを大事に思っていたのでした。

金井が素敵です。彼のコート姿が、一歩間違うとそこらのオッサンと紙一重で、そんなところがまた世話を焼いてあげたくなる感じです。ふっきれてしまってからの金井は、一気にヘタレ化しています。うふふ。


(★★★★☆)

私は「ちなみに僕は」のラストがとっても好き。

すっごく好きなキスシーンがあるんです。


お味はどうですか?
佐倉 ハイジ
角川書店 (2003.6)
ISBN : 4048536044
価格 : \588


+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+
お味はどうですか?
その後はどうですか?
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高校の同級生。
三倉(攻)は、肉が好きで、無愛想で、いつもジャージ姿の男の子。
それに対して、荒木(受)のほうは、いたって普通の男の子です。
何かとかまってくる三倉に、ちょっととまどう荒木。だって、顔くっつけて匂い嗅いだりしてくるんですよ。
「何かいい 匂いがする」「昼食った 生姜焼きかな」
なんて野郎な会話。でも、三倉も荒木も、わりと色っぽいのです。

冒頭で述べたのは、この三倉と荒木のキス。
荒木がチュッパチャップス舐めてるのを、三倉が取ってガリガリ食べちゃうんです。それをね、「返すよ」って、キスして口移しで返すの。人気のない夜のガード下で。
ここの見開きが、キスしかしてないんだけど、やたらエロいんです。ホント、音が聞こえるようです。キャンディの味さえするような気がする。

初エッチは、文化祭の当日、自分たちの出し物のお化け屋敷の中。なんか、ここもいいです。

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だから何だよ?
お前なんか大好きだ
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大学生×社会人。
元は、先輩後輩の仲だったので、大学生の端島が「先輩、先輩」って可愛いんです。どうも私は、こういう "なつきキャラ" に弱いみたい。
端島も、先輩の上野も、感情を抑え気味で、でもその抑え具合のタイミングが合わなくて、まぁいろいろと、悶々と…。
上野先輩が、若干ボケ気味でいい具合です。

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何が欲しいか教えてよ
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高校生×教師。
いい加減な生徒ばっかりいる学校の、いい加減な先生と生徒。
先生が一歩引かざるをえなくて、生徒のほうが取り残された思いをする…、先生と教え子モノには定番の寂しさもちょっとあります。

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わかってほしい。
わかってほしい。の続き
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友だちのお兄さん(社会人)と高校生。
お兄さんがぼんやりした感じで、お気に入りです。

(★★★★+0.5)


明日もハイジさん。

最近は、36歳でも若いから、こういうのもアリでしょう。
前に聞いたドラマCDが面白かったので、ミニドラマCD付きの限定版を買ってみました。申し訳ないけど、マンガより、そっちのが面白いです。




【これまでのあらすじ】
キレパパとは、キレイなパパ+すぐキレるパパ。
売れない推理小説家 千里(ちさと・35歳)は、溺愛する息子 里樹(りじゅ・15歳)の貞操を守るべく、日夜大奮闘。息子の友だちが遊びにくれば、おやつに薬を盛ることなど当たり前。しかし、親友の俊介だけはどうしてもやっつけることができず、ヤキモキする日々を送っていた。

そんなある日、千里は、自分が敬愛してやまないベストセラー作家 咲 春香 と 俊介 が同一人物であることを知ってびっくり。そのうえ、俊介にずっと好きだったと告白されて。

【ひとこと】
自分の恋人が、息子の親友なのです。35歳と15歳(2巻では36と16)の年の差よりも、そっちのほうが複雑じゃないでしょうか。ああ、それより男同士なのが問題か…
前作では、パパが本当に好きなのが、俊介なのか、咲春香先生がなのかが、いまひとつわからなかったけれど、2巻では当て馬風キャラも登場したりで、ラブラブな展開になってます。とはいえ、相変わらず異色なラブラブ加減ですけれど。

典型的なミーハー体質のパパ。
息子の恋人 翔(かける♂・俳優)を、駆除したくてしかたないんだけども、彼が、人気ドラマ "水鬼(みずき)シリーズ"で主役の水鬼を演じてるがゆえに、どうも調子が狂ってしまいます。そう、水鬼シリーズの原作は春香(俊介)で、パパはこの作品に心底惚れちゃってるのでした。
おまけのミニドラマでは、ひょんなことから、パパと翔の二人きりでデートすることになっちゃうんですが、頭ではダメとわかっていても、翔にクラクラっとなっちゃうパパが、アホらしくていいです。
普通ならないよ…

で、今回は、パパの実家も出てくるんですが、これがさらに可笑しい。
パパのお父さんもお兄さんもみんなイイ歳のくせにキレイで若くて、性格も似てるのです。でもって、女っ気なしで生活してるという、非常にBL的な設定で。

ストーリーだけを追うと、結構シリアスだし(あー違うかな)登場人物も真剣に頑張ってるんだけれど、読む側にとっては単なるコメディ。そんなマンガです。
(★★★☆☆)

CDの話は、また別のところで。

ネットで "5歳児の体" というのを見たとき、「唯月さんがイラストでその設定はヤバい!」と思ってしまいました。案の定、口絵はちょっと違う匂いがしましたね…(笑)


妖魔なオレ様と下僕な僕5


椹野道流
イーストプレス (200504下旬)
ISBN : 4872575601
価格 : \893


【こんな話】
ある日、正路は帰宅途中にカギロイと出会う。司野と手を切って、自分のところへ来ないかと誘うカギロイ。正路が反抗すると、彼は容赦ない攻撃をしかけてきた。おまけに、正路を5歳児の姿に変えてしまったのだ。
司野でさえ、カギロイの術を解くことは難しいというのだが、果たして正路は元の姿に戻れる?

【ひとこと】
のっけから、カギロイ登場です。
正路に "幸せにしてあげるから、僕のところへおいで" って(少し違う・笑)。
コンサート会場でのバトルで、正路の力に惚れてしまったんでしょう。確かに、自分の企みに正路を利用したいのもあるだろうけど、本当のところ、司野がうらやましくなったのかもしれません。だって、正路を5歳児に変えるなんて、あまりにも子どもじみてます。いくら妖魔でも、何百年もの時をひとりぼっちで生きるのはさすがに寂しくて、司野になんだか意地悪したくなって…、そんなふうに考えたくなりました。
主人を大事に思う気持ちは、司野もカギロイも同じだし、その司野だって昔はずいぶんワルだったんだから、カギロイもそんなに性悪とは思えなくて。

さて、正路。ちびっ子の姿で、司野のために一生懸命頑張ってました。でも、相変わらず、司野にすっごく気をつかってるんですよね。ちょっとした言葉尻をとらえて、どーんと落ち込んだりして。司野がああいう性格なのはもうしかたないんだから、言葉上は「主人と下僕」でも、正路はもっと自信もって行動していいのになぁ、と思います。
それにしても、正路が肩車してもらったり、抱っこしてもらったりするたびに、ほんわかした気持ちになると同時に、司野にイタズラされずに済んで、心から安心しました。司野がわいせつ罪に問われるなんて、耐えられないし、そんな場面は読みたくないし(笑)

相変わらずの正路に対して、司野はちょっと変わったかな? もともと、隠し事をしたり、自分を誤魔化したりしない人(妖魔)だったけど、自分の力だけではどうしようもないときは、ちゃんとそれを認めるし、正路に力を貸してほしいときはハッキリ言う、そんな司野は少し人間っぽくなったような気がしました。
正路が見る、辰冬さんと司野の思い出の夢。今回の司野は、お箸で豆をつまむ練習をしています。で、例によって、うまくできなくて癇癪を起こしてしまいます。あ?、可愛い。どんなに司野がいばっていても、クールにしていても、辰冬さんとのエピソードを読むと、な?に言ってんだか…って感じですよね。
お尻を叩かれてパニックになる司野のイラスト、可愛かった。

前作で、司野が正路のことを、妖魔の「餌」としてではなくて、人間的な意味で(つまり好き)必要としていることが、なんとなくだけどわかったのに、今回はその件に関しては、お預け状態になってしまいました。でも、「気を喰らうどころか、妖力を注ぎ込んでしまった!疲れた!」なんて不機嫌になるところを見ると、司野はもう、正路への気持ちをちゃんと自覚してるんですよね。そうでなければ、指輪をプレゼントしたあとで、あんなに照れるわけがないもの。
(★★★★☆)


─ ぜひ見てみたい司野 TOP 3 (同時収録短編「星降る夜に君の手を」より) ─
1.一発芸をする司野
2.チョコでできたサンタクロースを、頭からボリボリ食べちゃう司野
3.正路の留守に、テレビでクリスマスについてお勉強する司野

どの司野も、きっと可愛い。

これ、Secret Connection(秘密な関係)シリーズっていうんですね、知らなかった。てっきり、カケルちゃんシリーズかと。
「秘密な関係」「ナイショな関係」に続く3巻目、これで完結です。
この2冊の感想・あらすじは、こちら


ホントの関係
ホントの関係
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 8

芳文社 (2005.4)
ISBN : 4832283383
価格 : \590


やっとカケルちゃんも、右京くんの正体(組長さんの正体?)がわかって、ラブラブエンディングです。前半の右京くんは、ひとり暴走していて、とにかく笑えるんだけど、後半はカッコいいです。文字通り、体を張って、カケルちゃんを自分のものに。
今回は、子分の沙々木も暴走気味です、これも見どころ。

ちょっと不満だったのは、カケルちゃんが、右京くん=組長さんということに気がついたときのこと。カケルちゃんが、
「俺を騙してたの?」
ってきくんです。それに対して、右京くんがただ「ゴメン」って謝るんですけど…。
カケルちゃん、いくら天然だからって、組長さんがなんで "右京くん" になりすましていたかを、すぐにわかってくれなくちゃ。ここの右京くん、すごくうろたえてて可哀想なのです。

ふたりが温泉を訪れる描き下ろしも入ってます。無邪気なカケルちゃんが、もう罪です!(笑)
(★★★★+0.5)


表紙がピンクベースでかわいい。もうピンク好きにはたまりません。そして、1冊目、2冊目と、サングラスをかけていた右京くんも、この巻でははずしてます。
あ、カバーを取ると、「貧乏リーマンと捨て猫」の小話が読めます。たった今、気がつきました…

このかたの原稿が「真っ赤になって返ってくる」って、編集さんのチカラって結構強いのね、なんて思ってしまいました。


あいつの腕まで徒歩1分

桜木ライカ
大洋図書 (2005.4.25)
ISBN : 4813010504
価格 : \903



【こんな話】
朋彦は大学生。住み込みでマンションの管理人をしている親に仕事を押しつけられ、便利屋としてマンション内を駆け回る日々だ。そんな朋彦が気になってしかたのない男が、602号室の月村。この男、外見は別として、態度が悪く、顔を合わせれば腹の立つことばかりなのに、なぜか世話を焼きたくなってしまうのだ。しかし…。
(社会人×大学生)

【ひとこと】
奥さまたちのウワサによれば、月村は30歳ちょっと手前で、エリートサラリーマン風情。クールでシャイなところが魅力的らしいのですが、話を読む限り、どうもアタマ悪くてどんくさい男に思えてしかたないです。言葉が足りないから、カタコトの外人さんみたいなときもありました…よね?(そう思うのは私だけ?)
熱を出して朋彦に介抱されるあたりは、病気ということで、まぁ許します。でも、女性同伴で帰宅したところで朋彦に出くわしたときの様子とか、なんとも情けなくて。自分が連れてきた女性が原因で、朋彦とケンカになってるんだから、普通はあいだに入ってとめるだろうに、それをニヤけながら見てたんですよ。女が怒って帰るのも引き留めなかったし、あの状況でどう欲情したのか、朋彦にキスなんかしちゃって。
そして、そのあと、強姦未遂(笑)が2回でしょう? ここの月村の言動がまた、盛ってる高校男子みたいでいただけません。とてもじゃないけどエリートとは。

でも、よくよく考えてみたら、朋彦もいったい月村のどういうところがよくて好きになったんでしょう。家を出て、友だちのところに転がり込んだ理由も、わかるようなわからないような。月村のことで不安定になってたといっても、とてもバーで働くような子じゃなかったし、カラダを売るなんてところまで話がいっちゃったのにはちょっとびっくりでした。

最後、助けに来てくれた月村は、少しはマシだったかな。マスターや加賀に、こてんぱにやられるかと思ったけれど、意外に強かったですね(笑)
ただ、その後の朋彦と月村のやり取りを見ると、やっぱり先行き不安です。いまは一緒に住んでいても、そのうち月村が女を連れてきたりしそうです。それに、ふたりの関係が、周囲にバレたときも、なんだか頼りにならなそうだなぁ、月村って。
(★★★☆☆)

どうにもわからないのが、朋彦の友人 林田です。組の使いっ走りでもやってるんでしょうか、この子。
朋彦にあんな仕事紹介して、許せませんよ…。
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