ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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このあいだ、花丸文庫に初お目見えだった秀さん、プラチナ文庫もお初です。
プラチナ文庫にしては、純情系というか清々しいお話です。




【こんな話】
槇は情報誌の編集者。
同僚に誘われて入ったレストランで、かつての恋人・芳沢に再会する。
高校時代、半年ほど付き合った芳沢を、槇が冷たく突き放したことが尾を引いているのか、ふたりの再会は険悪ムード。
気分の晴れない槇は、その翌日、再び店に芳沢を訪ねるのだが…

【ひとこと】
昔の男と再会する話なら、何度も読んだことがあるし、レストランを舞台にした話だって、編集者が主人公の話だって、ちっとも珍しくないはずなんですが、何かが違いました、この話。

仕事もバリバリこなせば、外見も文句なし、最初の数ページを読むだけで、槇は文句なしにカッコよくて、男らしいオトコなんです。
表紙も口絵もろくすっぽ見ていなかった私は、当然のように槇が攻めだと思っていました。
いま思えば、"硬い骨を持つ男" がどうとかいうところで気がつくべきでした。
バーの店長さんとの会話で 「俺を抱いた…」 「初めて抱かれたとき…」 というセリフをさらりと読み流しそうになったところで、ええっ!? この人受けなのー!? って (笑)

槇の意外性は、これだけじゃ終わりませんでした。
同僚が発掘したレストランで舌鼓を打ち、シェフに会ってみれば、苦々しい別れかたをした昔の男・芳沢で。
なんと、これをきっかけに、カッコよかった槇が、いきなりダメ男になってしまいます。
芳沢に会った衝撃で、次の日は一日中仕事も上の空なんです、またまたびっくり (でも、かわいい)

高3のとき、槇が芳沢を捨てたのは、決して嫌いになったわけではなく、芳沢との熱い日々 (?) に怖じ気づいて、つい遠ざけてしまったんですよね。驚いたことに、ふたりが付き合ったのはたった半年。なのに、12年たった今でも、槇にはそれを超える恋愛体験は訪れていない。後半にわかることですが、芳沢にとってもそれは同じでした。
そう考えると、やはりこれは、運命的な再会だったのかも。

せっかく再会したっていうのに なんでアイツはあんなに冷静だったんだ… とか、いま恋人はいるんだろうか… とか、ぐちゃぐちゃ考えた末、もう一度店に会いに行こう! と結論を出す槇ですが、何が面白いって "昨日の今日" なところ。
普通、また会いに行くとしても、1日か2日おきますよね?
かわいいな、もう。

しかし!
厨房から出てきた芳沢は、超不機嫌+無愛想。

「なんだ、あんたか」
「用があるならそこでさっさと言え」
「こっちには話なんかねぇよ。帰れ、性悪」 (芳沢萌え語録)

昔話のひとつでもできるかと思っていた槇もさすがにカチンときて、小学生レベルの口喧嘩が始まってしまいます。ああ言えばこう言う で、ここは何度読んでも笑えます。

でもって、槇はここでもカッコ悪い (でも、かわいい)
喧嘩してお腹すいちゃったんでしょうね、お腹が鳴ってしまって、芳沢に賄い飯をごちそうになることに。
でも、この賄い飯に、槇の大好物のキノコがなにげなく入ってたりしてね、あれれ芳沢くん怒ってたんじゃないの? って感じなんです。
そして、そのあとまた、ごちゃごちゃ話しているうちに ××××… (笑)

ただ、とりつくしまのなかった芳沢も、本心からそんな態度を取っていたわけではないので、だんだん行動がぎくしゃくしてきます。ぎくしゃくっていうのはヘンかな。
槇と会えて嬉しいけれど、でも素直に喜ぶのも悔しいし、実際 腹が立っているのも確かだし、でも先輩は相変わらずかわいいし (←と思ったかどうかはわからないけど) 右手と右足が一緒に出ちゃうような、そんな雰囲気の芳沢です。この人もかわいかったんですねぇ。

この頃になると、槇も覚悟がすわってきて、思ったことを素直に口に出せるようになります。そうなれば、もう安心。

最後は芳沢が熱いです。
いちばん感動したのは、
芳沢がレストランを開いたのは、槇のためだったという事実。
この告白にしびれました、しかもここ、耳元で囁いてるんですよね。
もう、ここ大好きで p.191 と 192 は、コピーしてみんなに配って歩きたいくらいです (あと p.199とか)

槇は オン・オフのギャップ、芳沢は 本心と口調のギャップが、ツボでした。
(★★★★☆)



読んでくださってありがとう



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どのレーベルにもカラーというものがあると思うのですが、花丸文庫だけはどうもそのカラーが掴めません。特に最近。
そのせいか、秀さんがあとがきで 「コアな方向に走った」 と書いてらしたのが興味深かったです。




【こんな話】
実家の父が病気で倒れ、急遽、家業の温泉旅館 「志乃や」 の臨時主人として帰郷することになった遼路。
家族には、3カ月の休暇をとったと話したものの、実は会社には退職届けを出していた。
慣れない着物に身を包み、いやいやながらも旅館の雑用をこなす遼路だったが、そんな彼に鋭い目線をくれ、容赦なく注文をつける男がいた。料理長の鬼嶋龍司だった。


【ひとこと】
遼路は、東京の出版社で編集者として働いていました。
次男であるうえ、控えめで人付き合いもとても上手とは思えない遼路が、なぜ臨時主人かというと、後を継ぐはずだった兄が男と駆け落ちしてしまったのだというのだから、故郷への足取りが重くなるのもよくわかります。

そんな遼路は、鬼嶋の目にどう映ったんでしょうか?
この本を素直に読めば、鬼嶋は遼路のことを、東京で好き勝手やっているちゃらんぽらんなお坊ちゃまとでも思ったんでしょう、たぶん。
でなければ、あんな威圧的な態度に出ませんよね? どうなんでしょう。

実は私、鬼嶋の人となりが、最後までよくわからなかったんです。
こんな状態で、感想を書いていいものか迷いましたが、思ったことをそのまま書かせていただきます。

食に興味のない遼路に
「お味はいかがですか」 「これは何で味をつけているかおわかりですか」
と、朝・昼・晩つきっきり。
それに、イヤミなセリフがかならずプラスされます。
このときの鬼嶋のいやらしさっていうのは、やっぱり 「こんな奴に何がわかる」 という反発からきてると思うんです。それでいい? (確認・笑)

でも…
遼路がかつての恋人・青柳に薬を盛られ、なんとか逃げ出してきたあたりから、鬼嶋がわからなくなりました、強引すぎる鬼嶋が。
鬼嶋は既に、マリコールホテルの金沢進出を知っていたから、志乃やのことが心配だったのもあると思うんですが、
「どういうつもりで俺を焚きつけているんですか」
っていうのがどうも。
鬼嶋って、これまでは男の趣味ってなかったんですよね? これもOK?(再確認)
それでもそんなに簡単に欲情しちゃうもんなんでしょうか。
それとも、遼路の和服姿が色っぽすぎるからいけないの?

鬼嶋はガラに合わず、結構スケベでイヤな感じなんですが (遼路は喜んでるから別にいいけど) なんだか行動に一貫性がなくて、どうも感情移入できませんでした。
鬼嶋本人は、本の最後で
「俺もあなたも素直じゃなかった」
のひと言で片付けていますが、私は納得いきません (笑)

遼路についても少し書かないと。
なんとも頼りなかった遼路が、鬼嶋の腕をかけて青柳と対立するところはなかなか面白かったです。
青柳も、まさか鬼嶋に、自分と遼路との関係がバレているとは思わなかったようで、絶句してたでしょう。「遼路…」って。
気持ちよかったです。
鬼嶋を渡してなるものかと、捨て身で立ち向かう遼路、好きです。
実際に会話を交わしているのは、青柳と遼路なんですけど、事実上は "青柳 vs. 遼路+鬼嶋" って感じで、いいムードでしたよね。

最後のエッチシーンが、少ししつこい?
これを半分にして、ふたりのラブラブな温泉旅行の様子が読みたかったな。
(★★★☆☆)


遼路が、青柳の股間を蹴り上げるところ、よかったですよね!
どうせやられちゃうんだろうと思っていたので、すごく嬉しかったよ。

読んでくださってありがとう


選手権とか、あったりするんでしょうか。


誓約のうつり香
秀 香穂里
徳間書店 (2005.6)
ISBN : 4199003533
価格 : \570


【こんな話】
7年ぶりに再会した親友・誓史 (ちかし・以下チカ) は、伝説のSMプレイヤーになっていた!?
しかも、千宗 (ちひろ・以下センちゃん) のことがずっと好きだったと告白されて…。

【ひとこと】
SMです。
小説では 『キャンディ (ひちわゆか)』 (感想) 以来だったんですが、とっても面白かったです。覗いてみたくても、なかなかそれが叶わない世界なので。
でも、私もセンちゃんと一緒に、背中に汗かいたり腰が砕けそうになったわりには、特に書くことがないんです。ぜひ、ご一読ください、という感じかな。

チカは、いわゆるサドなのですが、叩いたり縛ったりというよりは言葉で攻めるタイプ。どうりで饒舌です。でも、普段の会話では過激なことを口にしたり、追い詰めたりはしません。むしろ、センちゃんと話しているときは、とっても紳士的なんです。だけど、なーんかバカ丁寧というか、ガイジンが敬語使ってるみたいというか… やっぱり妖しい!
おかしかったのは、キスやら何やらいろいろしちゃったあとで、センちゃんに名刺交換しようって言うところ。

「多くの奴隷を相手に 夜な夜なショウを開いています」

この自己紹介が笑えました。

最初は驚いていたセンちゃんも、あっというまにチカの虜になってしまったわけですが、最終的にセンちゃんが堕ちたのって、結局は奴隷A・橘クンのおかげもあったと思いませんか。
センちゃんの性格からいって 「好き」 と思っても、なかなか踏み出せなかったと思うんですよ。でも、橘クンがからんでくるから、つい 「奴隷だってなんだってやる!」 なんて爆弾宣言しちゃって。

このシーンだけでなく、センちゃんはいろいろと恥ずかしいこと言ったりやったりしてくれて、読んでいて恥ずかしかったですね。
チカに鎖を巻かれちゃったときも (どこに) いじっちゃいけない鎖を勝手にいじってるから、ゼッタイ見つかるぞーと思ってたらやっぱりだし (笑)
でも、意地悪バージョンのチカはイヤでした。台詞もさらっと流し読みしちゃいました。あんな口調でも、愛はあったのかな。チカも辛かったようなこと言ってたけど、たとえセンちゃんにマゾっ気があったとしても、あれでは快感どころではないですよね。

気になるのは、これからの二人。
チカがいくら 「センちゃんは 普通だから好き」 と思ってても、ずっとこのままってわけにもいかないような…。だって、チカは筋金入りのSなんだもん!
それは、センちゃんもよくわかっていて、書き下ろしの 『ダイヤは胸に飾るもの』 にセンちゃんの気持ち (というか不安な胸の内) が切々と綴られています。
多分、エスカレートしていくんだと思います、この二人 (笑)
(★★★★☆)

橘クンがかわいそうでした。
センちゃんが出てこなかったら、チカとよりよい主人と奴隷の関係を保てたかもしれないのに。真柴さんによくしてもらえるといいけど、かなり心配です。

書くことがない、とか言いながらだらだらと書きましたね、私…

氷栗さんの表紙+ "借金背負ってホスト" ときたら 「クールビューティ鬼畜攻×身も心もボロボロ弱気受」 と思うじゃないですか。でもぜんぜん違うのです。
そうねぇ 「借金返すぞ!ホスト千晴のガンバル日記」 そんな感じ。


リスキーなくちづけ
秀 香穂里
海王社 (2005.7)
ISBN : 4877245065
価格 : \620


【こんな話】
大学生の千晴は、小学生の妹とふたり暮らし。借金返済のためにまとまった金が必要になり、六本木の高級会員制ホストクラブで働くことに。しかし、オーナーの深墨(みすみ)から 「僕を好きになってみませんか」 と言われ、なしくずしで恋人関係になってしまうのだが…

【ひとこと】
私が期待し過ぎたのか、ちょっと肩透かしな感がありました。

まず、このホストクラブが、普通のホストクラブとは雰囲気がだいぶ違いました。フロアが狭くて、会員制のしかも予約制。ものすごくアットホームなんです。それに、ホストが主人公の千晴を入れても、5人しかいない。
同僚ホストも、癖はあっても根っからの悪人はいないので、千晴のホスト道も順調な滑り出しをしたかに思えたのですが…

些細な失敗で、千晴が 「辞める」 と言い出して、びっくりした人はいませんか (=私)
そんな子じゃないはずなんです、千晴は。だって、両親を亡くしたあと、小学生の妹を養ってるんですよ。お客とちょっと揉めたからって、そんな弱音を吐くなんて。
そんなとき、深墨さんから 「君には色気が必要だから、ちょっと僕の恋人になりなさい」 (やや曲解) と言われるわけです。

深墨さんの手練手管に、どんどん堕ちていく千晴くんはとても可愛いです。最初は戸惑っていたくせに、深墨さんに仕事上ではなく本当に好きになってもらいたいと思うようになって、やりきれなくなる。で、どうしたかというと…
ええっ、また 「辞める」 って嘘でしょーっ!?(笑)
根性出せ!と言いたいところなんですが、ひとり絶望に打ちひしがれて泣く千晴のモノローグを読んでいると、やっぱりかわいそうなんですよね。

ところで、この本には、魅力的な人物がたくさん出てくるんです。でも、深墨さんと千晴以外は、あくまでもサブのサブで終わってしまうのがとっても残念です。
おそらくすごくカッコいいであろう麻宮とか、私ならゼッタイ指名しちゃう料理上手で穏やか?な石田さんとか、妖しいシャム猫ちゃんの秋津とか…
あー、この秋津が意味深なんですよねぇ、いろいろと。もしかしたら、千晴のこと、気に入ってたのかもしれません (p.214の笑顔が気になってしかたない)

でも、なんといっても、消化不良なのは、深墨さんの知人・室峰さんです。ちょっと当て馬っぽく出てくるんですけど、本当の当て馬ではないんです。もっと出しゃばってくれてよかったと思います。
あるいは、みんなで千晴争奪戦しちゃうとか、千晴が他の人を好きになっちゃうとか、そういうハラハラドキドキ要素が欲しかったです。

ああ、でも、こうして振り返ってみると、ほのぼのとしていいお話だったのかなぁ。
あとがきで秀先生も 「しあわせな気分になっていただければ」 って書いてらっしゃいます。そうなのかもしれない…
(★★★☆☆)

氷栗さんのあとがきが素敵です。某・啓太みたいで可愛い。
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