ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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面白かったです。
BLというよりも、探偵とヤクザの話としてとっても楽しめました。


さよならを言う気はない
英田 サキ著 / 北畠 あけ乃イラスト
大洋図書 (2006.6)


【こんな話】
ひとり探偵事務所を営む陣内 37歳、そして、ヤクザの天海 29歳。
ふたりの出会いは 12年前、陣内が少年係の刑事見習い、天海が高校2年の頃にさかのぼる。
今は歌舞伎町界隈で恐れられている天海は、もちろん陣内にとっても厄介者。
しかし、天海の過去を知るだけに、陣内の胸の中にはひっかかるものがあった。
一方、天海にとっても、陣内の存在は特別なものであるらしく…

【ひとこと】
すっかりおなじみになった 英田さんのヤクザ本。
表紙イラスト、左が探偵の陣内、右のインテリ風な男が天海です。

天海は 29歳にして自分の組をもつ、いっぱしのヤクザなのですが、きれいな顔してなんとまあ凶暴な…。
陣内の事務所を訪れては、殴る 噛みつくの乱暴三昧。

これ、天海にとってはあいさつ代わり、親しみの現れ (愛情の裏返し?) みたいなもの… なんでしょうかねぇ??
隠してもバレバレなので書きますが、天海は陣内のことが好きなのです、ずっと。
きっと、それを表に出さないための手段のひとつが、この凶暴性なんですよね。
わかるんです、わかるんですけど、ちょっと居心地悪かったです。

そして、陣内。
少年係を経て、四課の刑事になった陣内は、天海が普通の高校生からヤクザへとのし上がっていく (転落していく?) 経緯を知っているのです。
でも、それだけでなく、過去にせつない思い出も。
雪の降る晩に、魂と魂がふれあうような一夜を過ごしたようで、その描写はとても悲しいです。

その晩の出来事は、暗黙の了解で忘れたことになっているのです。でも、お互い 決して忘れてはいない。
外ヅラは 男っぽくて強いふたりが、過去に関しては非常に繊細で脆いところにとても惹かれました。

しかし、この本の魅力はそこではないような気がします。
中国からコンテナ船で運び込まれたヤクをめぐる事件が、スリリングに描かれていて、そりゃあ面白いのです。
頭に映像が浮かぶんですよ、埠頭のシーンとか、ホステスの圭子との会話の様子が。
英田さんの本の中で (既読8冊のうち) 『今宵、天使と杯を』 の次に好きです、これ。

普段の陣内は、天海にやられ放題。
だけど、天海が受けです。
凶暴で "虎" と恐れられている天海も、ふたりのときは 高校の頃となんら変わらない かわいくてワガママな青年なんですよね。
いろいろと、ごちそうさま! なシーン満載の一冊でした。オススメ!
(★★★★+0.5)


看病シーンもありました。かなり好き (笑)

読んでくださってありがとう

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あらすじを読んで、ひまひとつ?と思ったものの、タカツキさんのイラストに惹かれて買ってしまいました。そのタカツキさん、カバーの折り返しで 「(プラチナ文庫では) 初のシリアス」 とおっしゃってるんですが、私はどうも、これがシリアスという気がしなくて…


ラブ・シェイク
英田 サキ著
プランタン出版 (2005.11)
ISBN : 4829623063
価格 : \560


【こんな話】
バーテンダーとして働く秋良のところに、代議士である父の秘書・檜垣が訪ねてきた。大学にも行かず、親から与えられたマンションも出てしまった秋良に、檜垣は元の生活に戻るよう忠告するのだった。
しかし、秋良は2年前、檜垣にひどく傷つけられ突き放されたこともあって、どうしても素直になることができない。
ある日、売りことばに買いことば的な発言によって生じた誤解から、檜垣と寝ることになってしまい…

【ひとこと】
世の中、誰もが本当のことを話せたなら、大概のことは片付くのですけどね。
それにしても、こじれに こじれちゃったもんです。

すべては2年前、檜垣が秋良を突き放したことから始まりました。
なぜそんなことをしたのか? 簡単なことです。
ひとまわりも年下の秋良によからぬ感情を抱いていた檜垣は、このままでは秋良に手を出してしまうのも時間の問題と、これ以上 自分に近寄らないよう、徹底的に秋良を傷つけたのでした。

もう、ここで道を誤ってます、檜垣。
だって、それは檜垣の都合でしょう? 自分の勝手な都合で、好きな相手を傷つけて 自分はラクになろうなんて、そんなのって。
まぁ、ラクにはなれなかったみたいだから、少しは同情するけど。

秋良も檜垣も、似た者同士なんですよね。考え方も言うことも、すごく似てる。
マイナス思考のくせに意地っ張りで、素直じゃない。
ふたりの意地っ張り具合は、灰原店長をめぐる攻防で、充分すぎるほど堪能しました (笑)

(ちょこっと解説)
実際は両想いの秋良と檜垣が、好きでもない灰原を賭けて、カラダの関係をもつんですが、ここのふたりのやり取りがあまりにバカバカしくて… もしかしてココ、泣くところ? 私は、笑いっぱなしでした。
いちばん面白かったのは、秋良も檜垣も、お互いをオカズにひとりエッチしていたこと。
どちらかが目撃しちゃってたらよかったのにね。そしたら、とっくに幸せになれていたのに。


終盤、秋良がちょこっと危険な目にあうんですが、このあたり英田先生お得意のシーンって感じですね。
そしてまた、突っ走る檜垣が (本当はカッコいいはずなのに) ちょこっとおかしいです、ごめんなさい。
でも、秋良はとってもかわいそうです。秋良が、2年前のことをこんなに引きずっていたなんて、すごくびっくりしました。びくっ!としたくらい。
暴走する檜垣に笑っていなければ、きっと泣いてました。

そこから先のふたりは、もう勝手にやってくださいという雰囲気で、甘いんだかバカップルなんだか…

檜垣 「不謹慎じゃない恋なんて ないんですから」

そこ、自分を基準にしない!>檜垣
(★★★+0.5)


ああ、灰原店長&オーナーの加瀬のことが書けなかった…
元ピアニストと極道のカプです。
灰原は、ちょっと変人ですね。私は、今のところ苦手です (笑)
加瀬は、最初のほうセリフが少なくて、頭が悪そうだなと思ったんですけど、なんのなんの。
後半は、カッコいいやら可愛いやら。大好きになりました。

そうだ!
あすたさんが書いてらした、最後の2行のことも書かなくちゃ。
2行どころか、その前のページで既に恥ずかしくてくねくねしていた私です。
英田先生、狙ったのかしら?(何を)

ヤクザの話の感想を書くのは久しぶりで 『今宵、天使と杯を』 以来。『今宵…』 もよかったけど、この話も心に残りました。


夜が蘇る
英田サキ 著
プランタン出版 (2005.8)
ISBN : 4829622954
価格 : \560


【こんな話】
わけあって警察を辞めた秋津は、小さな事務所で探偵を務めていた。
その事務所を訪れては、秋津にちょっかいを出すのが、ヤクザの久我。
しかし、秋津は同じくヤクザだった情人を亡くした過去をひきずっており、なかなか久我に心を開けないでいた。
そんなとき、久我が秋津の仕事を手伝うことになる。一緒にいる時間が増えたことで、秋津の心は揺れ動かされ…

【ひとこと】
ヤクザ×探偵。
私、受けキャラにメロメロになることって少ないんですけど、秋津にはやられました。

久我が軽口を叩いても、まったく耳を貸さない秋津が、どんなふうにほだされていくのか… と思ったら、そんな話ではなかったんですね。ちょっと予想外でした。
久我のキャラからして、思ったのと違いました。

てっきり、ただの女たらしかと思ったら、秋津のこと、ずっと想ってたっていうんですから。
おまけに、秋津の前の男 羽生の死についてもよく知っていて。

その羽生。
話の中では 「情人」 って言葉が使われています。恋人ではなかったんですよね。愛人というのとも違う。
どんな繋がりだったんでしょう、お互いになくてはならない存在だったのはわかるけれど、もう少し、羽生について知りたかった気がします (同人誌では書かれていたのかしら)

もし久我が、秋津の反応を見ながら、ゆっくりくどくタイプだったら、秋津もなかなか心を開かなかったと思います。羽生のことを思い出して、ますますふさぎ込んでしまいそうです。
でも久我は、いくら秋津に邪険にされても、しつこく食らいついてくる感じです。秋津も、それに抗ってるときは、寂しさを忘れることがあったかもしれませんね。

"久我と一緒にいたら、羽生のことを忘れられる…" と、思ったかどうかは知りませんが、少しは気が紛れたんじゃないかなぁ、と。
それも久我の作戦のうちだったら、すごい。

久我は、鬼畜っぽいように見えて、本当に優しいんですよね。
"死んだ男のことは忘れろ" といいつつ、秋津の迷いを読み取れば、ちゃんと "無理に忘れることはない" って言ってあげられる、懐の大きい男です。
組のNo.2 ともあろう男が、クサいセリフいっぱい吐いて、いつの時代のメロドラマかと思うようなことやってるのを見ると (バスローブの件なんて特に) 本当に秋津のこと好きなんだなぁって、その純愛っぷりが嬉しかったです。

秋津も、久我と心中する決心がついたのに (たぶん)、なかなか素直になれないんですよねぇ。もちろん、「久我の死」 を恐れているというのもあります。
でも "進むのも地獄、戻るのも地獄" なんて寂しいこといわないで、秋津には穏やかな毎日を送ってほしいです。

それに大丈夫、久我は殺してもきっと死なない(笑)
(★★★★☆)


最後に、声出して笑っちゃったセリフ。
「秋津さん、ナッツありますよ。どうぞ」
裕樹、かいがいしい。


その後、英田先生ご自身のサイトで、他のお話を読みました。羽生との関係について、わかった、というほどでもないですが、少しだけ真理 (というものがあるならだけど) に近づいた感じです。


ほんとに、お酒って奴は…
ヤクザがお相手ですが、表現は比較的ソフトです。


今宵、天使と杯を
英田 サキ
成美堂出版 (2005.3)
ISBN : 4415088767
価格 : \500



【こんな話】
柚木成彦 35歳。目が覚めると、隣には天使の入れ墨をしたヤクザ・四方隆史が眠っていた。どうやら、酒に酔って、この男と一夜をともにしてしまったらしいのだが、まったく記憶にない。隙を見て逃げ出す柚木だったが、なんと四方が会社まで訪ねてきてしまった。そのうえ、「今日から二週間よろしくな」と、わけのわからないことを言われて。

【ひとこと】
最初は、柚木が気の毒でしかたありませんでした。会社での業績が今ひとつなのは自分の責任としても、子どもを作ることができない体質だったり、EDを患っていたり、しまいには奥さんに逃げられてしまったり…と、貧乏くじをひきっぱなしです。そのうえ、正体なくすまでお酒を飲んだりするんだから、どうフォローしてあげたらいいのかわかりません。
酔った勢いで、四方と一夜をともにしてしまったのも、柚木にとってはいつもの貧乏くじの一環だったかもしれません。でも、この四方との出会いが、まさにわらしべ長者のわらしべになりました。

半ばヤケになってたこともあるけれど、四方やその仲間と出会ってからの柚木の男っぷりは素晴らしかったですね。酒の力を借りたときもあったとはいえ、人のために命がけで行動しているときの柚木、四方相手に熱く語っている柚木…、サラリーマンを続けていたら、どっちの柚木も見れなかったと思います。

一方、四方も不思議な男です。柚木に対して、どこまでも礼儀正しくて、物静かで優しくて、柚木がどんなに悪あがきしても、四方は手を上げたり、それどころか、声を荒げたりすることすらありません。でもそれは、ヤクザという世界が彼をそうさせるのか、四方には、喜怒哀楽(特に、喜と楽かな)が欠けていて、自分の感情を外に出す方法がわからなかったからかもしれません。
でも、柚木と出会ったことで、楽しいことや嬉しいこと、幸せなことを体験して、そういった感情を心に抱くことができてよかった。その様子は、ロボットが人間の感情をインプットされていく様子に、なんだか似ていました。ちょっとホッとできるくだりです。

(今さらですが、以下ネタバレ)
あらすじにも書いたように、柚木と四方の付き合いは、「二週間」という期限つきで始まりました。終盤、これに関連して、ふたりに決別の危機がやってきます。四方には、命をかけた任務があったのです。そして、すっかり覚悟のついている四方を、なんとか自分のほうに引き戻そうと、柚木の必死の説得が始まるのですが、ここのふたりの会話が、ちょっと外国のマフィアものみたいな雰囲気です。ゴツゴツした男ふたりが、愛だの幸せだの言ってるアンバランスさがいいんです。
二度と会えないはずだったふたりの再会は、なんだか不格好だけど、それが柚木っぽいし、四方っぽいと思いました。
無口な四方が、どんなに自分が幸せか、満たされているかを、一生懸命、言葉にするところが好きです。
(★★★+0.5)

本文イラストの四方が、素敵です。


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