ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今年初めに刊行された 『歪んだ熱』 の続編です。
でも、どこにもそう書いてないんです。花丸文庫のHPにも、カバー裏のあらすじにも、先生のあとがきにすら! 謎です…
前作のあらすじと感想はこちらにあります。よろしければどうぞ


甘やかな背徳
金沢有倖
白泉社 (2005.5)



【こんな話】
大恩人の青年実業家・八貴 竣(やつき しゅん)から愛人関係を強要され、一度は逃げた探偵事務所の仮所長・土師 巴(はにし ともえ)。再会した二人はお互いの気持ちを確かめ合って恋人同士に。だが、妙に男受けがいい巴に、八貴はますます独占欲を深め、巴はそんな八貴に反発を覚える。(カバー裏より)

【ひとこと】
あれ? 巴って、こんなに八貴のこと愛してたっけ? それが、第一印象。
1作目を読んだときは、なんだか物足りなかったんですよ。八貴は巴を束縛するばっかりだし、巴はそれをイヤがってるのかポーズなのかわからないし。
でも、この続編で、ちゃんと巴の気持ちを知ることができました。流されてるだけじゃなくて、ちゃんと八貴のことわかろうとしていたんですね。安心しました。
それに、私のお気に入り・バイトの龍之介くんや八貴の部下・石岡さんをはじめとする脇キャラも、出ずっぱりで大暴れ(?)していて、とっても楽しく読めました。

さて今回は、巴も頑張って仕事しているのですが、調査ターゲットがホスト時代の先輩だったことから、話がややこしくなっていきます。いろいろな人が絡んでくるけれど、みんな巴のことが大好きで、ちょっとズレた人ばかり。あの石岡さんまで、巴のことが好きになっちゃったとはね…。石岡さん、イイ味だしてます。
巴のピンチに、八貴が駆けつけるのは毎度のこと。でも、1作目の巴は、八貴がストーカーみたいに出没するのを本気でイヤがってるように見えたんだけど、ちょっと反応が変わったような気がします。いきなり八貴が出てきても、驚きはするけどイヤがってないみたい。
私、実は八貴のことがよくわからないんです。何を考えているのか、とか、なんで巴のことそんなに好きなのか、とか。だから、ふたりのこと、あんまり祝福する気になれないのが困ります(笑)

そういえば、少しショックだったことが。
巴が龍之介のこと、"雑魚" って言ってるんです。それも、今回の最低&最悪キャラを引き合いに出して「どちらも雑魚だが…」 って一括りにしちゃってる…。
そんなに龍之介ってダメですか? 変人なのは、八貴も同じなのに、どうしてそんなに邪険にするんだろう。あんなにいい子なのに。
もし、また続編が出るなら、せめて龍之介のこと、もう殴ったり蹴ったりしないでほしいです。
(★★★+0.5)
スポンサーサイト

嫌い嫌いも好きのうち。


祓ってやるぜ!
金沢 有倖
リーフ出版 (2004.3)
ISBN : 4434035738
価格 : \893



【こんな話】
神代三殊(みこと)は、山の中の学校で巫人や巫女になるための修行をしているが、能力のほうはいまひとつ。そんな三殊の悩みは、幼なじみの匡(きょう)からの異常な干渉だった。三殊と違って、すこぶる優秀な匡に、朝から晩まで束縛されるだけでストレスなのに、匡がカッコいいせいで、女の子からの嫉妬攻撃もものすごい。
そして、ついに三殊は里を飛び出し、東京での一人暮らしを始めるのだった、が…。

【ひとこと】
マンガのようなお話、ひとりひとりが個性的で面白かったです。

三殊は、よっぽど可愛いんでしょう。幼なじみの匡にかまわれるのがイヤで、せっかく里を飛び出したのに、転校先の東京でさっそく葉壱(よういち)にがんじがらめになってます。
でも、葉壱のこと、変態とか最悪とか言ってるわりには、楽しそうな三殊にちょっと疑問。この生活じゃ、里で匡に束縛されてたときとたいして変わらないじゃん、と思う私です。

でも、楽しい暮らしも長くは続きませんでした。匡が、東京に追いかけてきて、同じ高校に転入しちゃったのです。
私たち読者はここで、匡と初対面なんですが、あんまりいい奴なのでかなり拍子抜けしました。三殊があんなに嫌がるから、冷血で鬼畜で過激な奴だとばかり思ってたもので。
で、干渉の度合いは、葉壱のほうがひどいくらいなのに、匡との再会に思いっきり落胆している三殊に、またしても疑問(笑)

三殊みたいな小うるさいガキ(失礼)が受け役の話って、あんまり好きじゃないんです。でも、この話って、葉壱と匡が強烈なので、三殊がいくらジタバタしても、のれんに腕押しなんですよね。だから、結構楽しめました。
なんといっても葉壱が面白いです。彼がいればこそ、の一冊です。

もっと、葉壱vs匡でバトルになれば面白かったのにな、そこが残念です。これじゃ、葉壱が不戦敗みたいで気の毒です。ヘンな怨霊にもビクともしない葉壱のことだから、匡とやりあっても、かなりイイ線行ったんじゃないですか。

結局、三殊は匡のせいで "誰かがすぐ傍にいて束縛してくれないとダメ" な体質になっちゃったに違いありません。だから、匡のもとを離れた寂しさを、葉壱で埋め合わせしてたんですね、無意識のうちに。
一方、匡は「三殊を守るという意義がなければ生きることができない」って言ってます。だから、どう考えてもふたり一緒になるのがベストです。めでたしめでたし。

悪霊を祓うシーンが何回か出てくるけれど、変質者の霊だったり、三殊のカラダを狙ってきたりと、ろくでもないのばっかり。こういう話が嫌いな人でも、楽しく読めると思います。
(★★★+0.5)

昨日の「兄弟限定!」を描いた、如月弘鷹さんが挿絵を担当しています。葉壱(表紙右・眼鏡)は、ひどいオタクなんですよ。このギャップがたまんない。

龍之介、いい子そうなのにな。


歪んだ熱
金沢 有倖
白泉社 (2005.1)
ISBN : 4592874188
価格 : \610


【こんな話】
探偵事務所の仮所長・土師 巴(はにし ともえ・21歳)は、16歳から3年間、ある男に軟禁生活を強いられていた。当時、頼るものをなくして困っていた巴は、実業家の八貴 竣(やつき しゅん)に拾われ、精神的にも金銭的にも、申し分ない待遇を受けていたのだが、ある日突然、豹変した八貴に強姦され、そのまま軟禁されたのだ。
3年後、巴は八貴のもとから逃げ出したが、その八貴が依頼人として事務所に現れたから大変。どうなる巴?

【ひとこと】
書き出しは、巴が軟禁されていた頃の夢から目覚めるところから始まるので、ああ辛い過去があるんだなぁ、シリアスな話なのかなぁ、と思うんだけど、その直後から始まる、探偵事務所での様子があまりにも楽しそうなので、あれ?という感じ。

その探偵事務所に、龍之介くんという高校生バイトがいるんです。この子が、巴を狙っていて、もう大っぴらに「エッチさせてください」とか「犯したいんです」とか…。
嘘かホントかわからないくらいカラっとしてて(でもゼッタイ本気)、かわいい年下攻めクンになりそうで、こっちとハッピーエンディングなるのかとうっかり勘違いしました。

そこへ、かつての飼い主・八貴が乗り込んできて、せっかく逃げのびていた巴を連れ戻してしまうわけです。もうこのあたりで、八貴がただの乱暴者ではなく、歪んでいるとはいえ巴のことを愛しているのはわかるんだけど、巴の気持ちがよくわからないんですよね。(以下、何もかもネタバレ)
巴の口から、いろいろと心情が語られるんだけど、信頼していた八貴に裏切られて絶望するも、恩があるから逃げられなくて、だけど恩だけかというとそうではなくて、それが愛情へと変わっていって…。
結局、八貴の仕事が忙しくなって、外泊が多くなり、寂しさに耐えられなくなった巴が、八貴の気を引くために家を飛び出した…のが真実らしいんですが…。

うーん、その辺があまり説得力ないというか。八貴のほうが、まだ納得できます、わかりやすい。早い話が、単なる「独占欲」だけですから。それに比べて、巴は思いつきで喋ってるようで、何から何まで薄っぺらく感じられちゃうんです。もっと、せつなかったり、悲しかったりしたことを、切々と話してほしかったなぁ。

龍之介くん、変人だけど真っ直ぐでイイ子ですよ。八貴の部下・石岡さんや、事務所のスタッフも魅力的です。でも、出てくるのは最初だけだから、とっても残念。龍之介があれこれ絡んできても、話が面白くなりそうだったんだけどね?。
(★★★☆☆)
Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。