ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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ここ最近、ちょっとスランプというか、あまり本が読めなかったのですが、この本がいいリハビリになりました。爽やかでした。




【こんな話】
親友の対木 (つぎ) に、密かな想いを寄せる一ノ瀬は、その気持ちを見抜いた大学生の笹渕に 「男と付き合う方法を教えてやる」 と声をかけられる。迷いつつも、その申し出を受け入れた一ノ瀬だが、笹渕と出かけたり、勉強を教えてもらうことは思いのほか楽しくて…

【ひとこと】
あらすじを読んで、ちょこっと本文を読み始めれば、だいたいのストーリーは想像がついてしまいます。
私のように、先にイラストなど見ようものならすべてが…(邪な読み方してごめんなさい>桜木センセ)
でも、すごく気持ちよく読むことができました。

この気持ちよさはどこから来るのか。
それは、一ノ瀬が愛されてるからだと思います。
笹渕や対木からはもちろん、店長さんやクラスメイト、みんなから。
一ノ瀬は、自分に自信がもてないマイナス思考の男の子なんだけど、周りからしてみれば癒し系ともいえる存在なのではないかしら。

(ここからネタバレ)
そんな一ノ瀬が、笹渕から 「男と付き合う」 プライベートレッスンを受ける様子にとても和みました。
店長さんの話では、笹渕はけっこうな遊び人らしいけれど、一ノ瀬に優しく接する笹渕を見ていると、とてもそんなふうには。
それとも、一ノ瀬のときだけ、純愛モードになっちゃうのかな。
そりゃそうか、高校のときから一ノ瀬を見ていた… なんて、純愛にほかならないですもんね。

でも、一ノ瀬の前ではあくまでも 「レッスン」。そこが笹渕にとっては、苦しいところです。
笹渕があちらこちらで、本気を抑えきれなくなるところがもどかしくもあり、萌えでもあり、この小説の読みどころだと思います。

でもね、"だいたいのストーリーは想像できる" と書きましたが、対木が告白してくるところまでは予想つきませんでした。
うぉー 頑張れ!って、手に力が入りましたよ? (笑) でも…。
もう運命のいたずらというか、対木が気の毒でなりません。
ぜったいホモになんかなりそうもない対木が、一ノ瀬の気持ちを知らないのに、自分から告白ってすごくないですか!

「俺な、好きみたいんだ。一ノ瀬のこと、気になってる」

くぅー、あまりに男らしくて私が惚れました、対木に。
ちょっとだけ遅かったね、本当に残念。

そして、クライマックス。
「ちょっと待ったー!」 って感じの "一ノ瀬争奪バトル" が面白かったです。
何がびっくりって、対木がキス! またまた、手に力が入りました (笑)
でもって、笹渕のパンチも。
対木のキスはすごく下手くそっぽいし、笹渕のパンチもなんかミッキー・ロークの猫パンチ (古いって) を思い出させるしで、あぁこのふたりってヘタレ系なのか、とここまで来てやっと気がつきました。

いつもの桜木さんみたいに、ぜんぜんこじれなくて あれ? って気もしましたが、とっても癒されました。
(★★★+0.5)

美紀絵がチンピラ彼氏にボコボコにされてないか気になります…

読んでくださってありがとう

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大好きな作家さん。
でも、桜木先生の本で、こんなに素直に 「あ?面白かった」 っていうのは初めてかも。


どうなってんだよ?
桜木 知沙子
新書館 (2005.6)
ISBN : 4403521096
価格 : \588



【こんな話】
可愛い恋人との同棲をスタートするべく、明央が彼女の部屋を訪れると、中はもぬけの殻だった。
おまけに、妙な男がやってきて、この部屋に住むと言い出した。行くあてのない明央は、しかたなくその男・桐生と同居することになったのだが、家賃や食費、あらゆる経費を負担するように言われて…。

【ひとこと】
楽しかったです。

主人公の明央は、24歳にしては純情、平たくいえばガキんちょなのです。ボクトツ、っていうのもあてはまるかもしれません。
でも、この人、やけに生活力があります。貢いだ彼女に逃げられたばかりなのに、桐生の面倒までみる余裕があるんだもの。
まぁ、男所帯のメインディッシュがイワシだったりと、節約はしていたみたいですが、そのサバイバル精神たるや、おおいに尊敬しました。
だけど、思い入れするには、なんだか可愛すぎました、ごめんね。

ということで、この話はやっぱり、桐生です、桐生 賢・元ホスト・28歳。
カッコいいですねぇ。桜木先生の話に、こういう "当たり前なイイ男" ってあんまり出てこないと思いませんか。意外だなぁ、と思いながら、その男っぷりにクラクラでした。

元ホストといっても、桐生のホストぶりは、彼の友人の口から語られるだけで、実際にはわかりません。むしろ、いいおとうさん(笑)って感じです。それに、優しいだけじゃなくて、とってもマメなんです。
バレンタインの日のお弁当に、チロルチョコ(←推測)を一粒添えたりするんですよ、ワルのくせに。
いろんな意味で、典型的なヒモ体質なんでしょう、きっと。

彼のセリフがまた、身をよじりたくなるほど素敵です。
2番目によかったのが
「最低な男でも好きだろう?」
ってとこ。ゾクゾクです、もう。
いちばん好きなセリフは、未読の方のために伏せておきますね。

あ、そういえば、Hシーンで面白いところが。
p.134 の3?4行目、明央のリアクションが最高です。
(★★★+0.5)

桐生の友人・国原が、某有名ホストクラブのオーナーさんとかぶりました。ごめんなさい、国原ってば桐生と同じで28歳なのに、私の中では40歳くらいのイメージなのです。
妄想ついでに、ホストクラブのHPなど、さんざん渡り歩いてしまいました。素敵な人がたくさんいました、ごちそうさま。




表紙。ボール持ってるなんて、ちっとも気がつきませんでした。


解放の扉
桜木 知沙子
徳間書店 (2005.2)
ISBN : 4199003398
価格 : \540


【こんな話】
大学院に進んだ井坂は、中学時代の野球部の先輩・羽住(はずみ)と出会った。井坂の記憶では、羽住はおとなしくて口数も少なく、暗い部類に入る人間だったが、再会した羽住の雰囲気は、まるで変わっていた。
また羽住は、ゲイであることをカミングアウトしていて、井坂に「どうせだし、やってみない?」と誘いをかけてくるのだった。

【ひとこと】
ガラス細工のようなイメージでした、羽住先輩の心が。
先輩と井坂が再会できて、本当によかった。
中学のとき、井坂のことが好きになって以来、その気持ちを "心のきれいなところで、ずっと大事にしまってた" というのを読んで、逆に、再会できなかったらどうなっていたんだろうって、少し薄ら寒い思いがしました。

確かに、羽住先輩はいくぶん明るい人間に変わっていて、昔の面影はもう残っていなかったけれど、なんとなく空回りしてる雰囲気はありました。
もしかしたら、私がそう思いたいだけだったのかな。学校にいるときの先輩、井坂と飲んでるときの先輩、みんなで飲んでるときの先輩、初めて井坂と寝たときの先輩…、どれをとっても、どこかヤケクソになってるようで、でも、それでいて淋しそうだから、早く幸せになってほしいなぁ?、でもまだこんなにページ数残ってるしなぁ?と、ラストが待ち遠しかったです。

一方、井坂のほうは、中学のときとまったく変わってなかったわけです。それもよかった。
井坂に、同性愛を否定されたりしたら、羽住先輩はいったい?(あくまでも、羽住先輩擁護視点な私)
井坂は、鈍感野郎のように見えて、すっごく細やか?な子です。こういう男は、女性に嫌われやすいので、先輩と幸せになって正解だと思います。
ラストのふたり、特に先輩!が、幸せそうで、読後感は最高でした。

(★★★+0.5)

気になる人、それは、お義兄さんの俊弥。長年のストレスの原因がお義母さんにあるのなら、まだそのストレスは続くわけでしょう?
先輩には井坂がいるけど、俊弥はひとりだから。
強がっているのがまるわかりな人だけに、少し心配です。

あ、もうひとつだけ。
羽住先輩と野球が、まったく結びつきません。
ボールを投げてるところを思い浮かべようとしても、う?ん、どう考えてみても、園芸部のイメージくらいしか…(笑)


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maybe * love
月と凌霄花
B-Life.SS

ウニ丼。


となりの王子様
桜木 知沙子
徳間書店 (2003.2)
ISBN : 4199002626
価格 : \540



【こんな話】
幼なじみで、今やトップアイドルの蔡(さい)が突然の引退!? しかも周哉(しゅうや)の隣の家に帰ってきた?!! 同じ大学に通い始めた蔡は、どこでもファンに囲まれ注目の的。昔と同じように構ってくる蔡に、周哉は戸惑うばかりで素直になれない。どうしたらこの距離を埋められるんだろう…? そんなある日、蔡に「お前がいるから戻ってきた」と抱きしめられ!?(カバー裏より)

【ひとこと】
ストーリーより何より、蔡がず?っと周哉一筋なことに感動しました。
顔もいいし、頭もいいし、頼りになるし、一般人だったときはもちろん、芸能界に入ってからもきっとモテてモテてしょうがなかったでしょうに。
それにずっとお隣り同士だったらまだしも…。すごいです。

蔡は何かと強引だけど、周哉がまるっきり言いなりにはなってなくて、自分の意見もしっかり言いつつ、程よく身をゆだねてる感じが好感もてます。蔡が、ちょっとカッコよすぎるくらいなので、周哉といるときはもっともっとヘタレな感じになってもいいのに…。多少照れたりはしてるけど、物足りないです。

それにしても、ウニ丼のシーン、美味しそうですね…じゃなくて!
蔡の言うことがいちいち素敵すぎます。
「お前がいるから」
「ちゃんと全部食えるようになったんだな」
よくあるモテ男の定番のようで、実は違います。だって、蔡のように "二人でいるときだけ甘い顔" してくれる人って、結構少ないと思うのです。自分の容姿に自信があればあるほど、人間っていうのは八方美人になってしまうような気がします。

話を戻しますが、蔡に映画の話が来たときも、反対したい気持ちを抑えてわざと冷たく、蔡の背中を押してやるところ、偉いです。読んでるほうはストレスたまるけど、蔡のことだから周哉の本心なんかお見通しなんだろうと思って耐えました。
(でも最後まで読んだら、お見通しってわけではなかったみたいですね)

それにしても最後の最後までカッコいい蔡でした。
(★★★☆☆)


塚本と渉の話は、さすがにもう書いてくれないだろうから、どんな感じなのか勝手に考えてます。「春村マドレーヌ夫人」宛ての花束、バカ受けしちゃいました。

私にとっては、ちょっとどんでん返しでした。


愛が足りない
桜木 知沙子
新書館 (2003.12)
ISBN : 4403520782
価格 : \588



【こんな話】
口の悪いクールビューティ刈谷彰吾は、実は義弟の優より大切なものはないというブラコンだった。だが、優の友人兼会社の同僚・樋口と東京へ出張に行った折、ついうっかり肉体関係を持ってしまい、さらに樋口から「好きだ」と告白されてしまった。樋口はイイ奴だし体の相性は合うものの、彰吾が一番大事にしたいのは優だ。ややこしくてまぎらわしい、三角関係(?)の行方は……?

【ひとこと】
彼女にフラれて兄に泣きつく(ほんとに泣いてる)弟、そして、弟が彼女と別れたと知ってホッとする兄…。彰吾だけでなくて、優もブラコンです。それも、いいトシして重症。でも、義理のきょうだいならそれもいいか、とそういう展開を予想して読んでいたら、思ったのとは違いました。

それにしても、樋口が泣けてくるほどいい男でした。出張先のホテルでの、関係をもってしまうまでのやりとりが、手に汗にぎるというか、ドキドキものというか、その雰囲気がなんともいえません。

出張先で、想いを寄せる先輩とせっかく水入らずで過ごせると思っていたら、なんと優から電話がかかってきちゃって、そうしたら先輩は優の話ばっかりになっちゃうし。
血が繋がってないと思うと、余計に許せないんでしょうか。そこで、静か?に嫉妬を燃やす樋口がいいです。顔にも言葉にも、そんな様子を出さないんだけど、じわりじわりと迫っていく感じ。

でも、樋口がそうやって自分の気持ちを押し殺すから、ただでさえ鈍感な彰吾がほんとにボケばっかりかますようになって、樋口がかわいそうでした。何百歩も譲って、カラダだけの関係でいいと言ってる樋口の気持ちが、全然わかってない!
優のことを話題に出すのはしかたないとしても、3人で食事しよう!なんて、そのデリカシーのなさにはもうあ然としました。

だから、樋口の怒り爆発シーンは、拍手を送りましたよ?。
そのシーンの最後に、樋口が彰吾にひと言吐き捨てていくのですが、そのセリフに一瞬涙が出そうになるものの、よくよく考えてみるとずいぶん身勝手で笑えます。

最後は、なんか彰吾だけハッピーエンドみたいなところがあって、ちょっとずるいな、と。でも、ちゃんと言うことは言ってたから許します。ここの彰吾は素敵でした。

そして優。
ほんとに彰吾のことが好きなのかもしれないし、樋口が言ったように一時的な嫉妬なのかもしれないし。私は後者だと思うんだけど、ちょっと一筋縄でいかない感じでしたよね、ラスト。頑張れ?(笑)
(★★★★☆)

この本、とっつきが悪いような気がします。
でも、彰吾と樋口が出張に行くまで、頑張って読んでみてください。で、樋口がどんな人かわかったら、もう一度、最初のほうの樋口を読み直すといいと思います。

むかし(大むかし)『なかよし』で読んだラブストーリーのイメージかな。


ご自慢のレシピ
桜木 知沙子
徳間書店 (2002.9)
ISBN : 4199002405
価格 : \560



【こんな話】
母親が教える料理教室でアシスタントをつとめる裕貴(ひろき・19歳)。その教室に週一で通ってくる、落ちこぼれ生徒の高田のことが、どうも放っておけない。小説家志望だという高田は、何をやらせてもダメな男で、見かねた裕貴は指導がてら夕食を作ってあげることにしたのだが…。

【ひとこと】
高田に対する、裕貴の第一印象は、ただダメな奴。でも、なんだか構ってやりたくなって、実際に話してみると、予想に反してずいぶんしっかりしてる奴とわかって、そしたらどういうわけか、好きになっちゃって…。
裕貴は、19歳にしてはちょっと子どもっぽいんだけど、ひとりで空回りしてたりするのがとっても可愛いです。

いくら高田が10歳も年上でも、料理を教えてあげてるときは裕貴の立場のほうが上。だから、裕貴もちょっと高田のこと、甘くみていたのかもしれません。でも、高田は、裕貴の性格も、考えてることも、ぜんぶわかってたんですよね。(あ、自分のことを好きだというのはわからなかったみたいだけど)
そのへんはやっぱり大人で、口から出る言葉にも、重みがあって優しいです。

"むかし、『なかよし』で読んだラブストーリー" を思い出したのは、夜のブランコのシーン。高田が、優しく静かに、裕貴への想いを話すシーンなんですが、霧につつまれてるとでもいったらいいのかな、すっごくきれいなんですよ?。
ストーリーは、とくに大きな山場があるわけでもなく、よくある話かもしれないけど、すてきな雰囲気のある作品です。

続きの「それからのレシピ」は、少しだけゴタゴタします。この話でも、裕貴はちょっと子どもっぽいかな。でも、子どもっぽなりにいろいろと気をまわして、まわしすぎて疲れちゃうのです。だけど、やっぱり高田はそういうのを全部ひっくるめて理解してくれてて、めでたしめでたし♪です。
(★★★★+0.5)


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B-Life.SS

3編収録されているうち、番外にあたる、ふたつめの「ウインターソング」がよいです。

サマータイムブルース
桜木 知沙子
新書館 (2003.6)
ISBN : 4403520715
価格 : \588



表題作の「サマータイムブルース」は、主人公・隆伸が、高校時代に片想いしていた先輩・鳥居に再会するお話。
隆伸は最初、よき先輩として鳥居を尊敬していたのですが、ある日彼がゲイであることを知ったのをきっかけに、自分の恋心を意識するようになります。そのくだり、隆伸のなかで鳥居が、ただの先輩から恋愛対象に変わるまでの描写が、とっても丁寧に書かれています。迷いながら確信する様子が自然で、きっと実際もこんなふうに感じるのかなぁと思いました。

隆伸は、誰からも好かれる好青年。鳥居も、無愛想で冷たいと思われているけれど、実は優しい人間です。(以下ややネタバレ)
結局は、鳥居も隆伸のことが好きで、ふたりはずっと両想いだったわけだけど、鳥居がマイナス思考の人間だから、悪いほうに悪いほうに考えて、自分でダメにしちゃってたんですね。

再会しても、ちょっとした誤解が重なって、ますます卑屈になってしまう鳥居…、ちょっとウジウジタイプです。本当は私、こういうキャラは大っキライなんだけど、鳥居にはちょっと調子狂わされたかな、思ったのとは違いました。どう違うかって、私の想像をはるかに超えて、弱い人間だったんだもん。おいおい、泣くなよ?っ!って、何度突っ込んだか(笑)
女性から見ると、ちょっと勘弁…な感じの鳥居も、隆伸から見れば優しくしてあげたいって思うんだろうなぁ。


短編「スプリングタイムキス」には、その後、ふたりがドライブに出かける様子が。
これがまた! 鳥居せんぱ?い、しっかりしてくださいよ!って感じです。
タイトルの「キス」だって、ほっぺにチュで、かわいいもんです。


さて、1作目で鳥居の同級生として登場する、淳。この淳と、幼なじみの康祐の話が「ウインターソング」です。この話が、せつないやらあったかいやらで、大好きです。
淳は、女装はしないけど、言葉も見た目も女っぽくて、ゲイであることも周囲にカミングアウト済み。面倒見のよい、男にしておくのがもったいないタイプです。
そして、康祐は、家庭環境にちょっと問題あり、それでも両親や妹のために頑張るけなげな高校生。本人には内緒だけど、年上の幼なじみの淳のことが好きで。

淳のことで悩んだり、友だちにゲイであることがバレて動揺したり、家族が信用できなくなって絶望的になったりする康祐があんまりかわいそうで、ちょっとじわっときます。何もかもハッピーとはいかないけど、最後はほのぼのエンドです。
(★★★★☆)


表紙イラストの物憂げな鳥居は素敵です。このカップルは、隆伸がつねに前向きで引っ張っていかないと、鳥居に引きずられてどんどん暗くなっていきそうです。
とりあえず、先輩はメソメソしないこと(笑)

目当ての本(BL)が何冊も行方不明。家族の本棚に紛れているくらいなら、いっそ紛失していたほうがマシです。

ささやかなジェラシー
桜木 知沙子
徳間書店 (2001.4)
ISBN : 4199001786
価格 : \540



【こんな話】
涼やかな美貌で剣道の腕も超一流。高嶺の花と噂の英介には、密かに恋人候補がいる。長身で見かけは大人っぽいけど素直な後輩・清水。「つきあうかどうかは試してからだ」 人づきあいが苦手な英介は、つい高飛車に条件を出してしまう。デートには行くのに、いつまでも期限をはぐらかす英介。けれど誕生日直前、いつになく真剣な瞳の清水に「会ってください」と迫られて!?
(カバー裏より。最後の一文が、ちょっとニュアンス違うかなぁ?)

【ひとこと】
ずいぶん前の本です。
素直でとってもいい子の清水が、ねばり強く英介をくどいていく様子が好きです。言葉づかいも丁寧だし、先輩の気に障ったら、すぐちゃんと謝る。そんなところが読んでいて暖かい気持ちになります。
英介も、イヤな人間ではありません。人づきあいが苦手で、余分なつきあいはしたくないと思っているのも確かなんだけど、心の奥底ではちょっと人恋しかったりする、顔に似合わず純情な奴…かな? 多分、女の子と付き合っても、うまくいきそうもないので、清水に出会って彼は幸せでしたよ。

清水が押して押して押しまくるのに対し、英介がいかにも迷惑だという態度でふるまう。ふたりの関係はこんな感じ。最初は、本当に迷惑だった(?)英介も、だんだん居心地よくなってきて、オレって幸せなのかも?♪状態になっていくわけです。でも、英介が幸せだからって、清水がそうとは限らなくて、かわいそうに清水は結構ストレスたまっちゃってたんですねぇ。表に出さないから、英介も気づかなかったし、私も読んでてわかんなかった(笑) 

だから、言いたいこと言いあうシーンが気持ちいいです。が、この本「ささやかな試み」と「ささやかなジェラシー」と2編収録されてるんですが、「ジェラシー」のほうでは本心を吐き出していた英介が、いきなりしおらしくなっちゃって気味悪いんですよ。ぶっきらぼうなところが魅力だと思うので、そういうところは失わないでください。

当て馬風キャラは、英介の妹。
付き合ってる彼から、好きな子ができたと言われるだけでも悲しいのに、それが男!しかも自分のお兄ちゃん!なんて、そんなショックなこと。ちょっと同情しました。
そして、いかにも当て馬らしく登場したけど、全く違った柴崎。ぜったいホモだと思ったんだけどね、違った(笑)

(★★★☆☆)

「うざったさといじらしさは紙一重」という表現が出てきます。
これ、とっても上手い表現ですよね。でも理屈じゃない、うざったいと思ったら嫌いで、いじらしいと思ったら好きなんです。きっと。

なつかしい人たちも出てきました。


教えてよ
桜木 知沙子
新書館 (2004.12)



【こんな話】
利仁は歯学部の5年生。不真面目がたたり、口腔外科学の再試験に学年でただひとり落ちてしまった。留年をかけた再々試を前に途方にくれる利仁だったが、「担当講師の永野と一晩過ごせば単位がもらえる」という噂を耳にして…。
(「教えてよ」「言わせてよ」「みつめてよ」の3編を収録)

【ひとこと】
感情を表に出さない永野を前に、心臓をバクバクさせたり、うっとり見とれちゃったり、衝動を抑えきれなくなる利仁がかわいいです。うっかり告白しそうになって、まだ言っちゃダメだと思い直したり、先生はきれいですと言いそうになって慌てて口をつぐんだり…、今までさんざん女の子と遊んできた利仁が、すっかり永野にメロメロで、読んでいてニヤニヤ笑いが止まりませんでした。

だけど、そんなかわいい利仁に、永野はなんてそっけない。
よかれと思ってやってるのはわかるけど、利仁はまだまだ子どもだから、もっといい子いい子してあげてよ?って感じでした。
永野の気持ちと、いま深い関係になってはいけない理由を、ちゃんと説明してあげれば、利仁も早く安心できたのに。でも、そうなったら最後、利仁のことだから有頂天になって勉強も忘れて突っ走ってしまったんじゃないか、とも思うし。
よくよく考えれば、永野のやり方は利口だったんですね、きっと。

それにしても、こんな状況の中で、利仁はよく勉強を続けられたと思います。偉い、のひと言です。私だったら、即留年、いや退学させられてるところです。私は結構、公私混同な人間なので、とてもじゃないけどこんな生殺しみたいな状態は…。
もしかしたら、遊び人を返上して真人間になった利仁にとっては、ストイックな状況も気持ちよかったりしたんでしょうか。

最後のほうで永野が、「寝ない理由」について話すところがあります。ここが好き。この言葉で利仁は、自分と同じくらい(それ以上?)永野も自分のことを想ってくれてるんだって安心できたんじゃないかな。
(★★★★☆)

かなりまどろっこしかったです。

ジャンルは、私の好きな、捨て子系。
表紙イラストも、ちょっと妖しくて素敵。


金の鎖が支配する
桜木 知沙子
徳間書店 (2004.3)
ISBN : 4199002995
価格 : \560



こんな話】
(裏表紙より抜粋)
専門学校講師をしている各務(かがみ)は、教え子の河本に毎晩のように抱かれていた。
親友への禁じられた想いを隠す代償として…。

【ひとこと】
話は、各務が教え子の河本と、あらぬところで出くわすところから始まります。
そして、ゲイであること、親友の北嶋に惚れていること、そして、その北嶋が結婚することになって傷ついていることを弱みに握られ、河本のマンションに軟禁されてしまいます。

あとになって河本は、このときの自分を「ただの気紛れだった」「いい遊び道具ができたって思ってた」と振り返るんです。
でも、思えばこの頃から、河本はマンションでの一人暮らしを淋しく思ってたんじゃないかな。
派手で、不真面目で、ぜんぜん勉強しなくて、夜もほっつき歩いてばっかりで、イイのは顔だけ!みたいな男の子なんだけど、実は辛い過去を抱えてて。
強がって生きてるんですよ←ツボ

まず、最初にふたりの気持ちが通い合ったのは、河本が風邪をひいて寝込んだとき。
ひどい目にあってるくせに、かいがいしく看病する各務には、泣けます。
そして、河本が少しだけ自分の身の上話をするんです。
小さい頃、いつもひとりぼっちで、病気になっても誰にも構ってもらえなかったって。
そんな話を聞いて、各務が「偉かったね」っていうところがなんとも好きです。

各務も河本に、身の上話をします。
両親にありのままの自分をさらけ出さなかったことへの後悔とか、自分がゲイだと気づいた経緯だとか。
河本はそれを聞いて、疎遠になっている母とやり直そうという気になるんですが、もうこの辺までくると、最初の頃のおっかない河本はどこにもいなくて、優しい顔をするようになっていて、読んでいてほんわかします。

そして、私のいちばん好きなところ。
河本に合コンの誘いが来てるのを知った各務が、言っておいでって言うんです。
でも、各務の心中は穏やかじゃなくて、行ってほしくないって思ってる。
それを自分では自覚してないんだけど、「せつなく思う」とは認めてる。
で、自分も親友(北嶋)と飲みに行くから、なんて作り話をしてごまかす。

そしてですね、
各務が足取りも重くマンションに帰ると、合コンに行って家にはいないはずの河本がいて…。
ここがドラマチックなんです?。
リビングのドアが勢いよく開いたところから、流れるように場面が展開していきます。詳細は書きませんが、ひとつだけ。
この時点で、軟禁されて数ヶ月経ってるはずなのに、このとき二人は初めてキスするんです。今まで、そんなことにはまったく触れられてなかったので、読んでびっくりしました

最後、お互いの気持ちを言葉にするシーンの会話がまたいい感じです。
軟禁ものだけど、乱暴な雰囲気はほとんどないので、苦手なかたでも大丈夫かと。
(★★★★★)
Copyright © 小夜すがら 其ノ壱. all rights reserved.
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