ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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そんなバイト、私だったら3分でクビです。


泥棒猫によろしく
たけうち りうと
徳間書店 (2005.1)
ISBN : 4199003363
価格 : \540


【こんな話】
色彩は白と黒、そして銀色だけ、なんの装飾もない、もちろんチリひとつない、そんな部屋を掃除するのが、尚(しょう・高3)の新しいアルバイト。雇い主である有名デザイナーの二十六木(とどろき)は、とりつくしまもないほどの感じ悪さだけど、時給は2千円!
しかし、いつクビになるかと思いながらの初日、掃除が終わってモタモタしているところに二十六木が帰宅、咄嗟に隠れたものの、なんと二十六木は連れの男とセックスをし始めて…。

【ひとこと】
イラストがかわいい感じだからよかったけど、もう少し綺麗っぽい絵だったら、二十六木が凶悪に見えてたかもしれません。なんだか、調子がつかめないまま読み終わった感じ。

二十六木って、恋愛上手ではない…ですよね? 冒頭で、やたらに彼の完璧ぶりを見せつけられたせいで、なんだか勘違いしたまま読んでしまったけど、彼は、隠れヘタレ…というか、ちっとも"隠れ"じゃなくて、恋愛はド下手だと思いました。
とりあえず頭はいいから、常に相手の行動を分析したり、自分の頭の中で定義づけたりはしてる。でも、やることは大いにハズしてます。ヘンすぎ。←一応、褒めことば。

尚がまた、変わってますよね。肝が座っているっていうのかな、動揺してるのに、言葉や態度にはあんまり出ない。それどころか、こっちが、なんでそんなこと言うのっ?!っと突っ込みたくなるほど、淡々とした会話するし。
とかく受けに思い入れしがちな私だけど、尚は妙に強いところがあるから、読んでいても「頑張れ!」という気にはなりませんでした。むしろ、二十六木に叱咤激励?(笑)そんな思いが強かったです。

二十六木にとっては、何もかも初めての経験だったんでしょう。たとえば、尚みたいに、ハッキリものを言う子も、盾突いてくる子も。自分から、執拗に追いかけたりすることも初体験だったと思います。尚を連れ戻そうと、エレベーターで上ったり降りたりするところなんて、およそ二十六木のイメージからは程遠くて苦笑。
そしてなんといっても、"隠れヘタレ"ならではの、おかしなプレゼント作戦ですよ。
尚がお利口さんだったから、プレゼントの主旨をちゃんと理解してもらえたけど、これってどうですか? スマートなやり方? 私はかなりダサイかと思ったんですけど…

そして、忘れちゃいけないのは、二十六木の恋人の朝倉さん。なんだかお気の毒。
恋人の気持ちが、だんだん他の子に向いていくんですもん。問いただせば、開き直ったような答えしか返ってこないし。尚に意地悪したくなる気持ち、すっごくわかります。
愛する人のために(…なのかなぁ?わからん)、大人の選択をした朝倉さんには、ぜひぜひ幸せになってほしいです。

最後に。興味深いのが、尚パパ。息子の外泊を知らせる二十六木のファクスに、「よろしくお願いします」とそっけない返事で、どどーんと圧力をかけてくるあたり、強者です(無意識か、故意か?)
でも、そんなファクスに少しだけビビっている二十六木も、悪くなかったよね。

(★★★☆☆)
もうちょい続きを書いてほしかった。どんなふうにラブラブになるのか興味あるから。

「愛していると言われなければ愛はないと君は思っているわけだ」とか言うんなら、まどろっこしいアプローチはやめてくださいよ。だけど、りうと先生は、このプレゼント攻勢を書きたかったんだよね、きっと(笑)

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たけうち先生のファンタジーです。前後編。


ウスカバルドの末裔
たけうち りうと
講談社 (2004.10)
ISBN : 4062557401
価格 : \578



【こんな話】
庭師の息子カノンは、父の使いで王宮を訪れた際、王ランキアに出逢う。
ランキアはカノンを気に入り、カノンも王を慕い、カノンは王のそばで暮らすことになった。
ランキアには弟アリルがいた。豪奢で放蕩なアリルは、ある思いから兄の暗殺を企てる。

アリルの企みは失敗に終わったが、その罪を問われ、アリルは流浪の刑に処された。
生涯、旅をし続けなくてはならないという重刑だが、アリルはその旅に、兄のお気に入りであるカノンと、楽士バルを同行させることにした。
初めは、何かとカノンに冷たくあたっていたアリルも、旅が進むに連れ、心を開くようになり…。

【ひとこと】
ランキア王と、弟のアリル。
傍目には、穏やかに暮らしているように見えるこのふたりが、実はとても孤独で寂しいのです。
ランキアは、アリルが可愛くて大事にしてあげたくて、政治やその他の面倒なことから彼を遠ざけていたんです。でも、そんな兄の好意を、弟は「自分を排除しようとしている」ととってしまっいました。
ランキアは、自己満足に浸っていたのかもしれません。もっと単純な方法で、弟への愛情を表現していれば、こんなことにはならなかったのに。
ハッピーエンドを信じていた私には、悲しすぎる展開でした。

"何故兄が来るまで待てなかった"
待てなかったのではなくて、"待た"なかったのか、待ちたくなかったのか、それとも待つ必要がなかったのか。
アリルは満足して死んでいったのかもしれないけど、ランキアの思いが行き場所をなくしてしまったようで、かわいそうでした。

主人公(カノン)のことも書かなくてはね。
カノンとバル、不思議な関係でしたね。
バルにはフィアナの封印(?)がまだわずかに残っていて、息子のカノンと一緒でないと、水をうまく扱えないってことですよね。
能力を制御できないで困っているバルは、ちょっと不憫な(でもかわいい)感じ。
でも、これからはずっとカノンと一緒だから、それもいいんじゃない?
水のトラブルを診て廻ってるなんて、水道局の人みたい(笑)

旅が終わって。
カノンが村に帰ると言い出したのは、アリルへの思いやりでもあるのかな。
最期のときアリルがバルに、"カノンを大事に"って言ったから、バルと一緒にいることを選んだんだと思います。
ランキアもそれをわかっていて、許してあげたんですよね。
カノンが庭師として、ふたたび王の前に現れるのは15年後。
先は長いけど、それまではバルが王都を訪れて、カノンの近況を歌にして聞かせてあげることでしょう。
(★★★★☆)
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