ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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ヘビも触手なの?


不確かな抱擁
夜光花
竹書房 (2005.7)
ISBN : 4812422450
価格 : \600


【こんな話】
昔から、北斗の周りには不幸な出来事が多かった。職場の倒産や家事、死者が出ることもあった。
また、北斗には、7歳より前の記憶がなかった。母の死が原因らしいのだが、自分の過去に何かあると確信した北斗は、母の故郷である八ツ島へ渡る。
しかし、ふと気がつくと、北斗は野外に放り出されており、島に入ってからのことをまったく思い出せないのであった。


【ひとこと】
北斗は神子です。
母の故郷・八ツ島では、お祭りのときに神子を生け贄として捧げる慣習があり、北斗はまさにその犠牲となるために、この島を訪れたことになってしまいました。

それをなんとか阻止しようとしてくれたのが、克哉です。
強面の男が、黙々と "人のカタチをしたもの" すなわち、北斗の身代わりとなる人形を彫っている。もうそれだけで、この話の怖ろしさがわかります。
克哉のような人間だったら、祭りをぶっつぶす! くらいのことは言いそうなのに、そんな後ろ向きの対策しかできないのですから。

私は、この克哉の口調が好きでした。
海の男みたいな感じ? 荒っぽくて、優しいこともあまり言わない。限られた人だけが、その言葉尻ににじんだ優しさを知っている… そんな男です。
接触恐怖症で、ろくに人付き合いもしたことのない北斗が、なぜか (理由はあとでわかります) 克哉にだけは触れられても大丈夫で、態度にはあまり出さないけれどそれが嬉しくてたまらない克哉は、エッチで可愛いです。

北斗が弱気で、あっちへフラフラこっちへフラフラという感じのせいか、このふたりが一緒にいると、ずいぶん歳の離れた兄弟のような雰囲気です。実際は、克哉が5つ上なだけですが、こんなふうに不器用に 「受け」 のことを守ってくれる 「攻め」 はとても好き。

この作家さんは、謎を秘めたお話がお好きなんでしょうか。
策もない、逃げ道もない、もうおしまいだ… そんな切羽詰まった状況や絶望感を描くのが、とてもお上手だと思います。
今回も、北斗が母の死の真相を知るまで、ストーリーが二転三転し、目が離せませんでした。

そして、もうひとつ。
この方は、やはりエッチシーンが上手いです。
でも今回は… ちょっと "人ではないもの" が出てくるんですよね…。
「触手」 が苦手というわけではないんです、ただ "人間じゃない" ことがどうにも許せなくて。
だけど、上手なものは上手です、すごくエロいです、蛇。

最後に。
和巳さんは、成仏できたでしょうか。
よく考えてみれば、この人こそ気の毒なのです。
化けて出ずにはいられなかった気持ち、すごくよくわかります。
…って、化けてはないよね。
(★★★+0.5)


『灼熱を呼べ』 の続編が出るとのこと。
楽しみです。
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前作の『月を抱いた』がとっても好きだったので、書店で見つけて大喜び。今年に入ってから、ろくに新刊チェックもしていなかったんだけど、そのおかげで感動も二倍でした?。


灼熱を呼べ
夜光 花
竹書房 (2005.2)
ISBN : 4812419832
価格 : \600



【こんな話】
「お前が俺と付き合うなら、もうこんなもの造るのはやめる」
連続爆弾魔事件が世間を騒がせている中、裕也は親友の竜治の部屋で造りかけの爆弾を見つけてしまう。責める裕也に竜治が持ちかけてきた取り引きは、思いもよらないものだった。(カバー裏より)

【ひとこと】
竜治の行動が、つねに予想よりもぶっ飛んでいて、いつになったら落ち着いてくれるのか、そればかり気になっていました、恐かった。生き方に余裕がないんです。いつもギリギリって感じで。
何が彼をそこまでさせるのか? 終わりのほうで、本人が少し打ち明けてくれるんだけれど、もっとなにかありそうです。

一見ヘロヘロに弱そうな裕也が、荒れる竜治に毅然とした態度で接してくれるので、それだけが救いです。だけど、体が絡んでくると、されたい放題になっちゃう。
竜治も、裕也のことが好きなら、もっと優しくしてあげればいいんだけど、「爆発を造らない代わり」の契約だと思ってるから、ついつい乱暴になっちゃうんですよね。
…って、ホントにそうなのかな、実はちょっと自信ないです。なんか、悪意を感じさせるくらい恐い夜もあったし。

だけど、竜治がず?っとテンぱってる状態なのに、裕也は結構ほんわかしてる一瞬があるのが面白いです。竜治への愛を自覚して、小さな幸せに浸ったりして。
そうそう、お約束の、そして私が大好きな "風邪っぴき&看病" も出てきました(笑)

今から思えば、化学室に盗みに入ったあの日、竜治は裕也に恋に落ちていたんですね。あの騒動がなかったら、竜治は犯罪者になっていたに違いありません。
だから、爆弾ひとつくらいで済んでよかった。そういう意味では、喜多村の企てにも感謝するべきで、彼の死も無駄ではなかった…そう思いたいです。

ひとつだけ。
不幸なことに、裕也は失明してしまいましたが、事件後たった1カ月でずいぶん落ち着いているのが少し不自然かな、と思いました。1カ月くらいでは、ショックから立ち直ることはできないのではないかしら。
(★★★★+0.5)

続きが気になります。裕也の眼はもちろん、竜治が心配です! 裕也の留守中、ちゃんとおとなしくしていられたんでしょうか。竜治の心のうちをもっと知りたいし、とにかく彼にはもっと穏やかに暮らしてもらわないと恐ろしくて恐ろしくて…。


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燈香亭
腐女子の漫画・小説・アニメのオタク感想文
kotonone::詞の音

昨日に続いて、 「今年発行されたBL本の中で良かったもの」 です。今日は、小説。


月を抱いた
夜光 花
竹書房 (2004.6)



【こんな話】
恋人だった了のもとから逃げ出して四年。直樹は住む所を転々とし、まるで逃亡者のような生活を送っていた。自分が幼い頃に犯してしまった罪を了にだけは知られたくない。ばれて軽蔑され、嫌われるのが怖い。そんな直樹の思いとは裏腹に残酷な運命は二人を再び引き合わせてしまう。四年前と少しも変わっていない了の甘く激しい求愛と、決して知られてはいけない罪の意識に、直樹は次第に追いつめられてゆく……。
(カバー裏より)

実は、この本については一度感想を書きました。よろしかったら、カテゴリからどうぞ。

【ひとこと】
とにかくせつなくて、読みながら「どうしよう、どうしよう」という感じでした。直樹のどうしたらいいかわからない気持ちが、もう痛いんですよ。そして、了のせっぱ詰まった気持ちもわかりすぎるほどで…(前に書いたのと同じ内容になってしまいそうなので、このくらいにしておきます)。

夜光花さんは、新人の作家さんだそうです。
きれいなお話を書ける人だと思います。文章が丁寧だし、エッチシーンも上手だし。
2冊目に、とっても期待しています。
(おすすめ度 ★★★★★)

麻生海さんのイラストも素敵です。2ページだけど、おまけマンガもついてます。


ストーリーも、麻生海先生の表紙も、本当によかった。


月を抱いた
夜光 花
竹書房 (2004.6)
ISBN : 481241623X
価格 : \600




【こんな話】
直樹には、人に話したくない、話してはいけない過去があった。
それが原因で、恋人の了からも行方をくらましていたのだが、4年たったある日、残酷にも再会してしまう。意外なことに、了は、いまでも直樹のことを愛していた。むしろ一度、逃げられたことで、その愛情は激しさを増していたのだった。直樹も、それを拒まなくてはいけないことがわかっていながらも、話をしたり、体に触れられたりすれば、流されざるをえなかった。

そんなとき、直樹たちの故郷で騒動がおきていることを知る。
帰らなければ… 隠し通してきた秘密がばれてしまう…直樹は、再び直樹のもとを離れ、ひとり故郷へ向かった。


【ひとこと】
よく、人妻が不倫相手の男性からストーカーされた挙げ句殺される…とか、会社の金を使い込んで窮地に追い込まれ自殺する…とか、そんな事件を耳にするたびに、きまって「どうしてこうなる前に、誰かに相談しなかったんだろう」と思います。と、同時に「でも、誰にも言えなかったんだろうなぁ」という、悔しいような諦めのような気持ちになりませんか。

この本もそんな感じ。
とにかく、直樹の秘密が気になって、本を置くことができませんでした。
花に水やりながら、スパゲティ茹でながら、ずっと本を持ってました(笑)

了の愛は、熱いけれど、決して重たくはないんです。でも、了に言えない秘密を抱えている直樹には、辛くしてしかたない。
一方、了のほうも、再会できたものの、またいつ逃げられるかわからない不安を抱えているわけで、ふたりの苦悩ぶりが痛いほどです。

そして、またしても直樹に逃げられた了が、実家まで追いかけてくるあたりからの展開が…。
怒り狂った了が、直樹をホテルに連れ込んで、これでもかと傷めつけるんですが、読んでるこっちが、もういい加減気が済んだのでは…という感じで、なかなか終わらない(笑)
直樹も心の底では、了のことを思っているから、強姦ではないんでしょうけど。
その後、またこっそりとホテルを出る直樹。今度は、決死の覚悟で、過去と対峙しに行きます。可哀想ですよ、どうしたらいいかわからない気持ちが、すっごくよくわかる。

ぜんぶ打ち明けてしまいたい、でもそうしたら、大切なものが壊れてしまうから言えない…、そんな
状態に追い込まれたら、十中八九、最悪な結末を迎えることになると思うんですよ、私。
でも、直樹は了に拾い上げてもらえて本当によかった。息もつかずに読み進んで、最後になって、やっと大きく息をつけたような気がしました。

最後、ふたりの会話がもっと聞きたかったです。
(★★★★★)

満点。おすすめ。
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