ボーイズラブの小説やマンガの感想です.★3つが「面白い」であとはプラスマイナスアルファかな.お気軽にどうぞ.

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『FLOWERS』 の感想 を書いたときに、凛さん(ブログ)と秋月さん(ブログ)に背中を押してもらったので (人のせい) 宮本佳野さんの本をドカっと購入。
人間関係のうまくいかないところ、めんどくさいところに、敢えて切り込んでくる… そんな作風に、思いっきりどんよりさせてもらっています。
癒されないけど、悪くないです、こういう気だるさ。


手をつないで、空を
宮本 佳野
ビブロス (2005.7)



スランプ中の小説家・晴也が拾った真希 (まき) は、人と接するのがヘタでいつも一人ぼっちの少年。
ほっとけなくて同居を始めるが、気付くとお互いに強く惹かれはじめ…
ところがHの免疫ゼロの真希は、晴也の想いにとまどってしまって!?
(カバー裏あらすじより)


このあらすじは、少し違うかしら。
「Hの免疫がゼロ」 だったからじゃないと思います。
ま、それはさておき。

晴也は、文学賞を獲るほどの小説家。
ただ、受賞後、なかなか次が書けなくて、今のような状態になってしまったのでした。
プレッシャーや人目を避けて、田舎暮らしをはじめるってことは、ある意味、晴也にも少なからずプライドがあったんでしょう。
自分の本心は、担当編集者の八木沢 (旧友・カラダの関係はあるけど恋人じゃない) にも話してなさそうなのに、ひょっこり出会った真希には

「みれんがましいよなァ さっさと物書きなんか 見切りつければいいのに」

って話してる。
ここの晴也が、すっごく寂しそうなんだけど、反対にこの時点で、晴也 (と真希) の運命は決まった!みたいなね、そんな気がしました。


潔癖性の真希に対しては、

「いつも 気にしてんの 大変だね」

って、相手の心に踏み込むでもなし、突き放すでもなし… で。
こんなふうには、なかなか言えないなぁと、ここは晴也というより、このセリフを書いた佳野さんに感心。


そして、真希。
真希にとって、初めて親しくつきあった人間が、晴也でした。
だから、もしかしたら 「晴也だから」 好きになったんじゃないかもしれません。他にも、同じように親切にしてくれる人がいたら、その人を好きになってたんじゃないかな、悲しいけど。

でも、スランプで心が晴れなかった晴也のような人間に出会ったからこそ、お互いに癒しあうことができたんですよね。
真希は、晴也を慰めることで、自分の存在意義を知ったのだから、これはラッキーな出会いでした。


それにしても、八木沢。
私、けっこう好きだったので、"あのシーン" は悲しかったです。
ずっと晴也のことを想ってきて、晴也も自分のことを同じように好きでいてくれてるって思ってたんでしょうね。
ふたりが電話で、謝罪しあうところは、気だるさ最高潮…
あー、これが佳野さんだ!って。


気になること。
ラスト、真希を見つめる晴也の視線、なんであんなに寂しいの?
幸せいっぱいなはずなのに…
最後のひとコマがこんなで、『FLOWERS』 同様スッキリしない私でした。
(★★★★☆)


畑の会話に大笑い。
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BGMはサティで。
(あまりにもわかりにくい文章なので、色分けしてみたんですけど、さらにわかりにくかったら言ってください)


フラワーズ
宮本 佳野
徳間書店 (2005.10)




ボロアパートでの新生活を始めた大学生の
しかし、引っ越し当日、窓越しに アパートの住人 ナンノのラブシーンを目撃してしまいます。
大家さんによれば、ふたりはゲイで恋人同士とのこと。
しかし、そののことが気に入ってしまい、ある晩、は誘われるまま、と一夜をともに…


               ■□■□■

は、自分がゲイであることには気がついていたようです。
でも、潔く認めることもできなくて…
だから、ちょうど悩んでいるときに と寝たことで、は 「気持ちの整理がついた」 と言ってます。
の中で、何か枷のようなものがはずれたのかもしれません。
それを境に、はどんどんに惹かれていくのです。

しかし、そんなある日、今度はナンノに誘われてしまいます。
そして、が決まった相手を作らないことや、パトロンがいることなど、よからぬ話を吹き込まれます。
ナンノの言動は、嫉妬丸出しですね。のことを好きなのは明らか。
なのに、のことを

「好きになってもしょうがない奴だから」

って、まるで自分に言い聞かせるみたいに言うんです。
このセリフ、カマかけているのか、それともハッタリなのか、いろいろ考えてみたんですけど、ナンノ自身も 自分のに対する気持ちがよくわからなかったのかなぁって。

このとき、ナンノと繋がりはしなかったけれど (たぶん両方「受け」体質だったから) ふたりで欲望を処理します。
ここでふたりに、特別な感情が芽生えたような気がするんです。
それは、を奪い合う恋のライバルなんていう陳腐なものじゃなくて、もちろん恋心でもなくて、もっとも?っと深い深い繋がり。
これは、あとになってそう思ったことなんですけどね。


の言動も興味深いです。
ナンノと抱き合いながら "こんなのもう メチャクチャじゃないか" って、自己嫌悪に陥ってるくせに

「また来なよ」 ってナンノに言われたら
「ハイ」 って。

この、「ハイ」 が不思議で不思議で…。
ナンノの部屋でさんざん居心地の悪い思いをしたはずなのに、なんでハイなんだろう。
ふたりでエッチなことして気持ちよかったからじゃないだろうし、報われない恋をしている者同士なぐさめあおうとしたのでもないだろうし。
このあたりが、サティなのかな (笑)


本当に、常軌を逸してます。
でも、3人とも本当は、単に寂しかっただけなんでしょうね。

のことを信じていいのか悩みつつ、やっぱりとは離れられない
に本気、と言いながら、パトロンのところへも行けば、今までどおりナンノとも寝ようとする
のパトロンを訪ね、そこへ居候してしまうナンノ

どろどろとドス黒いものが渦巻いていそうです。
特に、ナンノは不安定で、失踪したり具合が悪くなったりと、痛々しくて見ていられません。
そんなふうになってしまうほど、ナンノが好きなんですよ?。辛い恋だ (涙)

そして、その憔悴しきったナンノを見たは、もっともっとナンノと仲良くなっていく…
ナンノのあいだにあるのは、エロスではなくてアガペーなのかなぁ、なんて。ああ、哲学。

パトロンのおじさんが、
「皆で仲良くすりゃいいのにねえ」
って言うんですよ。
何を脳天気な、と思うけど、まったくもってそのとおりです。
3人+おじさんで、ワンフロアのマンションでも借りて、まったりねっとり暮らしていくのがおすすめです。

とにもかくにも、読んでいて、すごく寂しくて暗い気持ちになりました。
なのに、あとがきで宮本さんは 「楽しく書かせていただきました」 って! (笑)
そんなふうに言われて、どうしたらいいのかわからなくなった私です。
(★★★★+0.5)


続編がありそう?
だけど、もしナンノが新しい恋を見つけてしまったら、リリカ的 愛の四角形が壊れちゃうしな…
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